さて、本日は第一回の「ミューズ・クッキングクラス」の日である。モハンには、昨日のうちに、キッチンの「大晦日的大掃除」を頼んでおいた。日頃からきちんと片付けてはいるけれど、隅々に、見慣れて見逃している汚れが散見されたので。
ところで我が家のキッチンは、アパートメントの質、家賃に比して、設備が貧乏臭い。というか、旧式である。というのも、大家が吝嗇家、平たくいえば「ケチ」故である。同じアパートメントでも、たとえば隣家のキッチンは、今時のモダンな設備が整っていて、流し台も広く、別世界。うらやましい。
そんなわけで、せめて清潔感だけ漂わせておきたいと思う次第だ。
それにしても、モハンは朝から張り切っていた。クラスは正午からだというのに、すでに10時には、使用する材料がすべて器に準備されていた。早すぎ。野菜がしなびるぞ、と思ったが、まあ、任せておいた。
急に一人が欠席になったので、近所に住んでいるマヤ(トゥルクメニスタン人)に電話をしたところ、来られるというので誘った。日本語の資料しかなかったが、今後は英語の資料も用意して、国籍問わずのクッキングクラスにしようと、いきなり初回から方向性変更。
さて、本日は初回につき、まずはスパイスやインド料理に多用する野菜、調味料その他の説明、調理器具の案内など、ヒンディー語での発音も交えながらの講習である。
ちなみに本日のメニューは、
・丸ごと鶏肉で作るチキンカレー
・トマト風味のヘルシートマトスープ
・キュウリ入りの爽やかライタ(ヨーグルト)
以上3種類。大まかな料理のコンセプトをつかんだあと、キッチンに入る。
まずはモハン料理長による、丸ごと鶏肉をさばく実演。手際よく、慣れた手つきで、てきぱきと作業する。
ところで料理長、いつもは鶏肉さばき用の大きな包丁を使っているのに、今日はなぜかマダムお気に入りの小型包丁を使っている。それで、骨をがんがんと打ち叩くように切る。
ああ、その包丁では歯がこぼれるから、大きい包丁を使ってと言っているのに、「ノープロブレム」と我が道を行く。いや、だから、あなたがノープロブレムでもわたしが……。
やっぱり彼も、インド人ね。
その他の材料は、受講生が自らすり下ろしたり、切ったりの実践をしつつ、調理の様子を眺めつつ、ときに質疑応答、メモを取りつつ、進行する。いい香りがキッチンに漂いはじめ、お腹が空いてくる。せんべいなどをかじりながら、空腹を紛らわす。
チキンカレーを煮込んでいる間、スープを作り、ライタを作って準備完了。遅めだが2時半に試食ランチとなった。
無論、講習で作る3品だけではランチに不足なので、あらかじめ今朝のうちに料理長が作っておいた、ポテトの料理とサラダも出す。
モハンは見込んだ通り、非常にさばけた人物である。仕事は早いし、言葉さえ通じれば、多分、飲み込みも早い。ただ言葉が通じないため、思い込みの見切り発車が多いのが難ではある。わたしの包丁……。
ともあれ、ほぼ予想通りの動きをしてくれたので助かった。無論、今日はスジャータが参加して、随時通訳をしてくれたが、この分だと、同じ料理であれば、次回は問題なく進行できるだろう。
さて、お待ちかねの試食タイム。あっさりとヘルシーなトマトスープにはじまり、おなじみモハンの家庭料理の数々。いずれも極めて少ない材料で、実は簡単に作れるものばかりだ。
チキンはあえて丸ごとを使用したが、もちろん切り身で代用できるし、タマネギやトマトのすりおろしも、ブレンダーを使えば一瞬だ。
こつをつかめば、日本のカレーよりも手軽にできるくらいである。しつこく煮込んだり、一晩寝かせたりして、「やっぱりカレーは翌日よね」などと言わずとも、すぐさま、おいしい。
おしゃべりをしながらゆっくりと食事をし、お茶を飲み、スジャータのお土産のフルーツ(カスタードアップルとパッションフルーツ)を試食し、なかなかに充実した、楽しい講習だった。受講生もいい時間を過ごしてくれたのではないかと思う。
さて、第二回は
・ロティ(チャパティ):こねる、のばす、焼くの実技
・ダル(豆の煮込み)
・サグ・パニール(ホウレンソウとまろやかチーズのカレー):ホームメイドのチーズ作り
以上の予定だ。マダムのブレッドプディング、あるいはマンゴームースなども入れ、「アフタヌーンティー」の講習にするのも、楽しいかもしれない。
※参加希望者が同じ日に(といっても火曜と金曜のみ)最低3名集まれば、グループごとに予定を調整して、第一回から改めて講習しようかとも思っております。参加費は一人500ルピー。ご興味のある方は、下記へご連絡を。
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(念のため、Ccで両方にメールをメールをお送りいただければと思います)
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