【究極の選択】
夕べ、スリランカから戻って来たハニー(夫)からのお土産。インドの白ワインは、最近、おいしいものが登場しているけれど(今のところ、以前紹介したFramingoが一番)、赤はまだ、ちょっと辛い。そんなわけで、カリフォルニアとスペインのカベルネ・ソーヴィニョンを。
それから、セイロンティーを2種。そして夫の好きなリンツのチョコレート。ホワイトチョコレートは我々のお気に入りなのだ。無闇に大きな板チョコなので、少しずつ、食べねば。
数日前に記した通り、行きはバンガロールからコロンボまで直行便だったが、帰りはチェンナイ乗り換えだった。しかもチェンナイからバンガロールへの便が1時間遅れ。
「スリランカはきれいで快適だったのに、インドはもう、最悪! 空港は汚いし、飛行機は遅れるし、それでもってバンガロールの空港もぐちゃぐちゃだし、もう、本当に疲れたよ!」
「ねえねえ、テロ多発状態のスリランカと、汚いインドと、どっちがまし?」
「スリランカ!」
……即答するのね。……ちょっとは、迷って。
【さくら会】
今日は、バンガロール在住マダムの集いであった。わたしはこれで3度目の参加であるが、今回は初めてサリー着用で参加した。インド人の妻だもの。
今回は、欠席者が多かったらしいが、それでも40名以上はいたのではないか。ホテルのバンケットルームで、円卓を囲んでの食事。今日は、バンガロール拠点の旅行会社、「マサラツアーズ」からのプレゼンテーションもあり、いい情報を得ることができた。
なんでも、あの日、あのとき、あの怒濤インド旅で、ひどい目に遭わされた(「やっぱりダメな、かつての国営ホテル」の項を参照)グランド・アショカという元国営ホテルに、すてきなスパがオープンしているらしい。バンガロールで最もすばらしいらしい。……信じがたい。
ともあれ、あれから1年半。激変インドだもの。サーヴィスも激変しているかもしれない。なにしろうちの近所である。あれ以来「鬼門」の如く、一度も立ち寄ったことがなかったが、今度探検(!)に行ってみようと思う。
【デジタルカメラ】
わたしが初めてデジタルカメラを購入したのは2001年春。コンピュータ、家電、その他、機械関係に関しては、特に新しい物に飛びつかない性分であるゆえ、かような職業についているわりに、かなり遅めの購入といえよう。
それは、マンハッタンのカメラ店で買った。店の人に勧められるがまま、キャノンのPowerShotを買った。
今から思えば、それは重くて、動きが鈍かった。しかしモノクロ印刷ならば十分に耐えられる画質であり、いちいち写真をプリントしてスキャンしてという手間が省けて、大いに役立った。なにより、「撮り直し」が効くのがいい。仕上がりを待たずして、クオリティを確認できるのもいい。
『muse new york』の制作スピードが、格段にアップして喜んだものである。
数年後、調子が悪くなったので、ミノルタのCamediaに移行した。そのときは、あれこれとインターネットで調べたが、どれがいいのかわけがわからなくなり、どういう経緯か忘れたが、それを買ったのだった。
画質は悪くなかったが、やはり動きが鈍かった。「あっ」と思ったときに、シャッターチャンスを逃してしまいがちであった。我が歴代デジタルカメラの中では、最も使い勝手が悪かった。
その後、やはり、人々のアドヴァイスなどを仰ぎつつ、ソニーのCyber Shotを購入。写真左側のシルヴァーのカメラがそれである。
これは、モニターも大きく、動作も比較的速く、非常に実用的だった。この数年間、大いに活躍してくれたカメラだ。
2005年夏、一眼レフのデジタルカメラ、キャノンのEOS/ REBEL XT(日本のKISS)を買った。ちょっと一眼レフで、気合いをいれて取ってみたかったのである。写真右がそれである。
けれど、わたしにとってこのカメラの存在感は、やや中途半端である。重いので、外出時にはどうしても小さいカメラを持参しがち。室内で撮影するときには使用するが、使用頻度は小型カメラの方が高い。
一眼レフでもプロ仕様の本気のものなら、仕上がりも格段に違うが、この程度だと、目を見張るほど違う、ということはない。このブログやホームページには、両方のカメラで撮影したものが混在しているが、被写界深度を浅くして花などを撮影しているものなど以外は、なかなか区別はつきにくいかと思う。
(トリミングをしていないものとして)やや横長、もしくは縦長の写真、つまり縦横の比率差が大きいものが一眼レフ、比率差が少ないものが小型カメラで撮影した写真である。
さて、ここ数年、小型のCyber Shotを酷使した結果、調子が悪くなってしまった。頼んでもいない動作を、自らやったりする。幽霊?
ともあれ、不調が著しくなってきたので、先日、新しい物を買った。前回、購入したときには、あれこれと調べたが、情報が多すぎて、どれがいいのか最終的にはわけがわからなくなってしまった経緯がある。だいたい、余計な機能が多過ぎるのだ。なにかと、過剰なのだ。
わたしは、シンプルに使い勝手がいいものが欲しい。解像度が7メガピクセルも8メガピクセルも、必要ない。そもそも3メガピクセルもあれば、レターサイズ(A4)のカラー印刷に十分耐えられるのである。普段、そんなに巨大な印刷をする必要のある人が、どれほどいるのだろう。
ましてやホームページなどに載せる程度なら、1メガピクセルでも十分なのだ。高解像度で撮影しても、意味がないし、無駄なのだ。
さて、ここはインド。米国でも、ましてや日本でもない。品揃えが多くて迷いすぎることもないだろう。そう考えて、まずはガルーダのカメラ店に行った。
そこは、品数が、しかしあまりにも少なすぎた。ソニーとカシオ、ポラロイド、コダック、それぞれの銘柄が2種類ずつくらいしか、なかった。しかしながら、店のおじさんはカメラに精通していて、的確な説明をしてくれる。そうして勧めてくれたのが、カシオのEXILIMであった。
驚くほど小さい。コンパクトな上に、動作も速い。機能もシンプル。使い易そうだ。これにしようかな。と思ったが、しかしいきなりここで決めていいものか。ちょっと迷う。もう少し、調べるべきか。やっぱり家に帰って、一度調べてみよう。
そうして帰り道、近所のガルーダモールに寄った。そしてカメラ店に行った。こちらは、先ほどの店よりも、1.5倍ほどの品揃えだった。どれがお勧めか、と店の兄さんに問うと、やはりカシオのEXILIMを選んだ。
上位機種、つまり解像度がより高く、値段が高い物もあるのだが、どちらの店の人も解像度が低め、つまり6メガピクセルのそれを勧めてくれるところが気に入った。
「これは、すばらしいカメラです。ジャパニーズ、テクノロジー。ジャパニーズ、テクノロジー」
むやみにジャパニーズ、テクノロジーを連呼する。
「カシオだけじゃなくて、ソニーも、キャノンも、ジャパニーズ、テクノロジーだよ」
と突っ込むと、急にはにかんで笑うお兄さん。大丈夫か。
ともあれ、彼もやはりカメラを熟知していて、あれこれと的確に教えてくれる。質問にも速やかに答えてくれ、これで十分だと思われたので、買うことにした。
前の店ではつかなかった256メガバイトのメモリーカードもついていて、値段は同じ。ならばこちらが「買い」である。
そんなわけで、右側の黒いボディが、そのカメラである。ずいぶんと、スリムなのだ。
昨日からさっそく使い始めている。ペイネの本は、この新しいカメラで撮影した。今日のお土産も、これだ。まあ、仕上がりは、どのカメラも、同じように、悪くないのである。
9月11日の写真は、初代の最も使い勝手が悪いカメラであったが、今見ても、きれいに撮れている。ただ、夕陽がハレーションを起こしているのが今ひとつだが、これはこれで、味わいがある景色に見えるといえば、見える。
そんなわけで、カメラも機械も、使いこなせないほどのややこしい機能を付加するより、シンプルな機能で、丈夫に使い易く、のほうがいいと常日頃から思っているのだが、どうだろう。
話が飛ぶが、わたしは、日本の、いちいちピーピー音を立てる家電類が嫌いだ。実家に戻ったとき、物珍しさに冷蔵庫をしみじみと物色していたら、ピーピーと警告音が鳴るのである。早く閉めろというのである。なんという、お節介野郎だ。カチンときたね。
ついでにいえば、韓国物も日本物に似た傾向だ。たとえばサムソンの家電はインド市場を席巻しており、以前紹介したが、我が家の洗濯機もサムソン製である。最もシンプルな物を購入したつもりだったが、洗濯が終わったらぴ〜ひゃらぴ〜ひゃら、音楽が鳴る。あの音楽が、わずらわしい。
こんなとき、アメリカの、無愛想で使い勝手の悪い、ただシンプルな家電が恋しくなる。ただ、無愛想に、「ブー」と一度鳴るきりの。衣類はビシバシ、傷むけれど。
だいたい、物事「追求すればいい」というわけではない。家電も、あまり追求しないでほしい。使いこなせない機能が有り余っているのは、おかしいと、誰も思わないのだろうか? わたしは、大いに、おかしいと思う。
そんなわけで、これからしばらくは、この新しいカメラと仲良くやって行こうと思う。