今朝、大家夫人から電話があった。なんだかんだと理由を付けては、こちらの最低限の要望を改善せぬまま、ひたすら不具合な箇所を放置したまま、ひどく吝嗇家な例の大家である。
彼女を巡ってどんなに面倒が起こったかは、最早、記す気力もない。
もう少しでおさらばだと思うと、幸せである。
さて、大家夫妻は航空機関係の事業をしている。バンガロールは昨日から年に一度の一大イヴェント、「航空ショー」が始まっているのだが、チケットが余分にあるから明日にでも見に来ないか、との連絡だ。
わたしたちは3月末にはここを出ると彼女に告げておいた。しかし、彼女曰く、今は忙しくて次のテナントを見つけられないから、見つかるまで、5月くらいまでいてほしい、などと言っている。不備な部分は早急に処置するから、ともいう。
いつだって「忙しい」らしい彼女。1年も不備を放っておきながら、今更何を言うのか。
航空ショー。興味はあるが、この時期、大家に借りを作るのはいやだ。「夫と相談して、連絡します」と言って電話を切った。
……と、今朝の新聞を開いたら、航空ショーの観客席写真に、大家夫人が! インド最大のコングロマリット、財閥TATAのCEO背後に写っている!!
爽やかではない、一日のはじまりだ。
* * *
さて、例の「割り箸→ゴールデンゲートブリッジ」な仕事が、佳境だ。ま〜だやっているのか、と思われそうだが、やっているのだ。追加でいただいた仕事を継続的にやっていた。
考えてみれば、11月のムンバイ出張を皮切りに、一時日本帰国した時期を除いて、延々とこのプロジェクトにかかっていた。間に、合いの手のように他の仕事もやりはしたが、主流はこの仕事であった。
2カ月以上も携わっているのだ。最早、「割り箸」などと謙遜をしている気分ではない。少なくとも「日本橋」程度の存在感はあると思う。
ところで今回、この仕事を通して、POWER POINT(プレゼンテーション用のソフトウエア)に親しんだ。今後、継続的に使いたいとさえ、思う。
ついては、引っ越したらプロジェクタを購入し、毎月「勉強会」でも開こうかと思いたった。毎回インドに関する何らかのテーマをとりあげて調べ、POWER POINTにまとめるのである。
「インドの食事情」とか、「インドの祭りと年中行事」とか、「インドのジュエリー事情」とか、「バンガロールの花や植物」とか、「バンガロールの生活ガイド」とか。テーマはたっぷり。
新居のホールはかなり広々とした吹き抜けで、白い壁だらけである。プロジェクタを照射するスペースは潤沢にある。
おいしいお茶とお菓子を楽しみながら、インド勉強会。楽しそうである。クッキングクラスもあるけど。
バーベキューパーティーは年中できる。室内楽コンサートもいいかもしれん。庭の一画に小さなステージを作ってダンスショーはどうか。
なんだか話が飛ぶな。少々疲れているようだ。
今日、ここで何を書きたかったかと言えば、混沌シティなバンガロールについてである。今、バンガロールを訪れているビジネスマンや旅行者にとって、ここ数日は「最悪」に違いない。
なにしろ航空ショーでホテルの部屋がとれない。とれた人とて、法外な宿泊料を払ってようやくとったに違いない状況だ。ろくでもないホテルの宿泊料が1泊500ドルとか700ドルなどまで跳ね上がっている。
しかも、十数年来続いて来たカヴェリ川を巡る水利権の問題で、バンガロールが属するカルナータカ州が、お隣のタミルナドゥ州に敗北してしまった。故に、暴動が起こるかもしれぬと言われ、外出を控えるよう言われていた。
「木曜日(今日)は町中がストライキになる」との話だったが、昨日になって「ストライキはやっぱり航空ショーが終わってからの来週月曜日」と変更が声明されたりして、なんだかもう、なにがなんやら。
子供のいる人たちは、学校も閉鎖するしないで振り回されているようだ。
一昨日の夜、夫は米国から訪れているヴェンチャーキャピタリストの視察団(十数名)とのパーティーに招かれた。米国時代のビジネスフレンドやボスなどにも再会し、楽しかったようである。
しかし夫曰く、彼らは非常に疲れ切っていたとのこと。なぜなら市街に全員のホテルをとることができなかったため、みんなまとめてINFOSIS(グローバルIT企業)のキャンパスにある宿泊施設に滞在しているとのこと。
中心街まで出てくるのに、大渋滞を抜けなければならないし、この混雑だし、排気ガスだし、なにもかもがひっちゃかめっちゃかだし、ただもう、ここに存在するだけで疲労困憊の極みに陥っているんじゃなかろうか、と思う。
さて、今日はこれから、久しぶりに友人らとランチ。楽しみだ。