午前中、新居を見に行った。
材料(合板)の一部が届いたので、大工が品を確認してほしいとのこと。従っては、ランチの前に立ち寄ることにしたのだった。
木材を見ても、素人目に品質の善し悪しがわかるはずもなく。しかし、ともかくは立ち会うことが大切。キッチン用の防水加工がされたもの、クローゼット用のもの、内部のラミネーションなどを見る。
銘柄のスタンプを見せられるが、だからって、ねえ。ともかく10年、20年持ってくれればそれでいい。不都合があれば、またそのときに、新しい物を作ればいいのだ。くらいの気持ちを持っていることが必要だ。
それにしてもだインドの労働者よ。どうしてこんなにも、揃いも揃って「やる気のない感じ」を全身から醸し出しているのだろう。
てれ〜んとしゃがみ込んで、ちんたらちんたら作業をしている。インドの労働者で「テキパキ動いている」人は、皆無に近いとみえる。それでも、町中のビルディングは出来上がって行くし、高架道路も伸びているし、タージマハルだって完成した。不思議でならん。
ところで、新居のアパートメントは4階建ての低層で、入っているのは40軒ほど。その大半は売れていたが、庭が広い我が家と、それ以上に庭が広い隣の物件は売れ残っていた。
我が家の庭面積は、床面積の9割ほどあり、それでも広過ぎるくらいに思っていたのだが、隣は床面積の実に2倍の広さの庭がある。物件を購入する際には、庭の分ももちろん支払わねばならない。
庭にお金を払ったからといって、建て増しをしたりできるわけでもなく、我が家も少々悩んだのだが、ともかくは気に入ったので買うことにした。
しかし、隣の庭ほどにもなると、その後の維持もたいへんそうだ。いったい、買い手は付くのだろうか、と気になっていたところ、先日、アパートメントの管理人が「デヴェロッパーのCEOが住むことになった」と教えてくれた。
我が新居を始め、バンガロールの各所に住宅ビルを建設しているデヴェロッパー(不動産開発会社)の、2代目CEOらしい。世代はわたしたちと同じくらいだとのこと。
CEOが隣人なら、なにかと安心だ。彼らが騒音を撒き散らすこともないだろうし、隣人に迷惑をかけるようなこともしないだろう。むしろ、いざというときには頼りになりそうだ。
と好意的に思っていたのだが、本日、隣家をのぞいて愕然とした。大改装工事が行われていたのだ。
「高級イタリアンマーブル」と謳われていたフロアが粉みじんだ。
彼らは今はやりの、フローリングにするんだろうか。あちこちの壁もぶち抜かれている。
日本のマンションなどでは考えられないことだろうが、インドでは、自分の購入した物件に関してはダイナミックな内装工事も許される。
そのあたり、米国と同じで、自分たちの「オリジナリティ」がかなり自由に生かされるのである。
従っては、この程度の内装工事は特に珍しくない。
先日、新居の別のお宅を見せてもらったが、吹き抜け部分を有効利用して「中2階」を創造していた。
それにしてもだCEO。もうちょっと、自分たちが売り出している物件の「オリジナルな姿」に敬意を表してもいいんじゃないか。
これじゃあもう、なにもかもが気に入らん! と言っているのと同じじゃないか。イタリアンマーブル。粉々にしないで、うちにくれれば、なにかに応用したのに。きれいに磨いて小さなテーブルとか、作れたのに。これじゃまるでポンペイの遺跡状態だ。
今後、しかし隣家は「金に糸目はつけぬ」感じで、改装が進められることであろう。隣家がいかに変貌して行くか、かなり興味深いところだ。ひょっとすると、自分ちの工事よりも、興味深いかもしれん。
今後も、時に庭の柵を乗り越えて隣家に潜入し、状況を確認して行こうと思う。
さて、今日は久しぶりに、友人たちとランチだった。行き先はKaravalli。Yahoo! トラベルの記事でも紹介している南インド(ケララ州)の料理が楽しめるレストランだ。ここのシーフード・ターリー(定食)が、お気に入りなのだ。
ちなみにYahoo! トラベルの記事は3月末で見られなくなるようなので、今のうちに読んでおいていただければと思う。右の[NET*WORK]のところから、入れます。
さて、シーフード・ターリーには、数々の料理に加え、ホワイトワインやデザートも付いて来る。
まずは集まった総勢5名で乾杯。
料理教室やパーティーなどでしばしば会っている気がしていたが、主には今年に入って初めて会う人ばかり。
おしゃべりをしながらゆっくりと料理を味わい、食後のコーヒーもじっくりと味わい、気がつけば店内にわたしたち以外の客はおらず、しかも店員らは早く帰ってほしそうな雰囲気で、すでに4時に近かった。
帰りには懸案だった肉購入もすませ、日用品の買い物も行い、有意義な一日であった。