土曜日の午後2時。大工のカヒニヤ・ラールが来た。そう。我々が最終的に頼んだのは、覚えるのに時間がかかる長い名前を持つ大工、カヒニヤ・ラールであった。
いつもシャツの第二ボタンまでを豪快に開け、金色のネックレスを見せている男。今日はピンクのシャツで登場だ。
そんなことはさておき、本日はキッチンのハードウエアを求めに、彼ら行きつけの店があるジャヤナガールまで赴く。渋滞もあり、クルマで30分以上はかかる。
本日決めるのは、キッチンの「中身」。バスケットと呼ばれるステンレス製や、なんたら樹脂製の備品だ。一番リーズナブルなのは、合板の引き出しを使うことであるが、なんだかこういうステンレスの方が、いいような気がする。
普通の引き出しと、このステンレスをうまい具合に組み合わせてレイアウトすることにした。
やたら滑らかに引き出せ、そして軽く押すと、引き出し自らが滑らかに動いて閉じることのできる引き出しなどがあった。秘密は左右のスライド部分にある。
一瞬憧れたが、それらはイタリア製だのドイツ製だので、値段が突如、跳ね上がる。どれくらいかというと、引き出し1つあたりに100ドルくらい、なのだ。
引き出しそのものではなく、「開閉のためのスライドの部品が」である。今回、たっぷりと引き出しを作っているゆえ、それらを使用するとなると、引き出し部品だけで、日本円で言うところの何十万円もかかることになる。
そこまで、滑らかさに固執することもあるまい。ふつうに、引き出せればいい。
あれこれと見比べた結果、インド製で十分だと判断した。無論、その店が取り扱っているインド製は2ブランドしかなかったので選択肢は少ないが、インド製で高級な方を選んだ。
インドでは、新築や改築の際にはキッチンなど自分たちで作ることもあり、かようなキッチン用品店などが多い。昨今では輸入物も増えて来ているようで、キッチンの収納棚の素材そのものを欧州などから取り寄せたりすることもできる。
それらはおそろしく高い上に、取り寄せに時間がかかり、更には変更が利かない。万一トラブルがあって、作り直したり修理をしたりすることを考えると、国産の方が臨機応変に対応できる。
さて、我々のキッチン収納棚のラミネートは機械で加工してもらうことになったため、使用できるラミネーションの選択肢が減ったが、白っぽい木目のものを選んでいる。
インドものでも十分にいい感じ、という結果になるといいのだが。どのような仕上がりになるだろうか。
さて、ドアのハンドルの部分やその他細かな備品類は、来週から再来週にかけて、コマーシャルストリートやインファントリーロード界隈の専門店を彷徨して探すことになる。
今日の大物は採寸が必要だったが、他は自分で自由に選べる。
追々、レポートしたいと思う。