今日は、義父ロメイシュの誕生日だ。朝、電話を入れる。最近はダディマ(祖母)の容態が悪く、入退院を繰り返している。従っては、ロメイシュも心労気味で、あまり元気がないと聞いていた。
しかし、「お誕生日おめでとう!」と声をかけると、とてもうれしそうに、元気そうに「ありがとう!」と返って来た。
ロメイシュは最初の妻、つまりアルヴィンドの母を白血病で失い、長い闘病生活に伴い、ずいぶん辛い思いをしたようで、ここにきてまた、母親を失いかけていることに、たとえ彼女が90歳を超えていたとしても、まっすぐに悲しんでいる。
「今日はどこか、出かけるの?」
「ウマ(妻)と映画を見に行こうと思っているんだよ。"Dream Girls"。楽しい映画みたいだから、気分転換にいいかなと思ってね!」
うれしそうである。よかった。
さて、午前中は、新居にてガーデナー(庭師)とカーテン採寸師と合流の予定であった。ガーデナーは時間通りに現れたが、カーテン採寸師は現れず。一勝一敗だ。
カーテン屋のマネージャーに電話をし、わたしがいなくても大工衆がいるから、勝手にアパートメントに入って採寸をしてくれるよう頼む。比較的「軽症」である。
内装工事は着々と進んでおり、2階のベッドルーム、書斎はあと数日で完了しそうだ。現在、ティークウッド(チーク材)のヴェニア(スライスした木)を表面に貼り付け、磨きをかけはじめているところである。「それらしく」なってきている。
写真左は書斎のクローゼット。ヴェニアを貼り終えたところ。これを磨き、更に若干の色をつける。右は扉の縁にヴェニアを貼付けているところ。接着剤で付けた後、「アイロン」をあてて仕上げている。楽しそう。それにしても、一つ一つが手作業だ。
写真左はベッドルームの小さな引き出し。現在「磨き」の行程。表面がつやつやと美しくなっている。右はクローゼットの引き出し群。
バンガロール定住組の日印カップルAさんご夫妻の企画により、南インドならではのミールス(バナナリーフに載った定食)を体験する会が持たれたのだ。
レストランは我が家の近所であったので、それでは「食後のティータイムを我が家で」と、昨夜マダムらにご提案しておいたのだった。
紅茶とコーヒー、インドものビスケットはあったが、しかしそれだけではやはり寂しいと思われ、ランチ前に「K.C. Das」まで車を走らせ、インド菓子を久しぶりに購入。
インドに暮らしていても、インド料理を手で食す機会がない方も少なくないようで、みなさん、楽しげに、珍しげに楽しんでいらっしゃった。
わたしも、思いがけず「ご飯」を大量に食し、満腹である。ちなみに北インドは「小麦粉食文化」であるが、南は「米食文化」であり、ご飯を多食する。
日本の短粒米に比べると、あっさりしているせいもあるが、かなり食べられる。
この店はお隣アンドラ・プラデシュ州(ハイダラバードのある州ね)の料理で、かなりスパイシー。
ときにカード(ヨーグルト)を混ぜ合わせつつ、辛みを緩和させつつ、どろどろにしながら食べる。見た目は麗しくないが、美味である。
南インドの人々は、ご飯にカードをかけただけの「カードライス」が、「おふくろの味」的に、身体に染み付いている、大切な日常食なのだ。日本でいうところの「お茶漬け」か。
米国時代、わたしがインド家庭的カレーを作ると、アルヴィンドは必ず冷蔵庫からヨーグルトを取り出し、ごはん(しかも日本米)にかけて、カレーとともに混ぜ捏ねて食べていた。
「ミホ、おいしいよ! 試してごらんよ!」
と言われても、激しく拒絶していた日々であったが、今ではカードライスをおいしいと思える。身も心もインド化が進んでいるようだ。
ともあれAさんご夫妻、改めて、どうもありがとうございました。
さて、食後は十数名のマダムが我が家に訪れ、しばらくの間、紅茶やコーヒーを飲みながら、甘くてミルキーなインド菓子を食べながら、楽しいティータイムであった。
このアパートメントでゲストをお招きすることは、もうほとんどないかもしれない。引っ越しまであと20日。来週からは、あれこれと身の回り品の片付けにはいらなければならない。
2007年が、あっという間になじんで過ぎて、去っていく。