月曜日。今朝もまた5時起床でムンバイ&デリー出張のアルヴィンドを送り出す。今日から土曜日まで、今回は少々長めの出張。母がいなければ同行していたところである。
が、その母も、来週の月曜日にはバンガロールを離れる。つまり今週は「最終週」とあり、お出かけのリクエストも少なからず。普通なら、1週間とか10日間というのが一般的な旅行の在り方であろうが、3カ月も滞在すると、「もう、あと一週間しかない」モードに突入して、なにかと気が急くようである。
「アーユルヴェーダのドクターにも、もう一度問診してもらってから、マッサージをお願いしたいし」
(それはわたしの通訳が必要)
「あの、コンランさんが気に入っていた布屋さん(YAMINI/ テキスタイルショップ)にも行っておきたい」
(スーツケースはもう、いっぱいなのでは?)
「髪を切って、染めにいかなければ」
(それは、日本に帰ってからでもいいのでは?)
「あの、イタリアン、おいしかったよね〜。あのお魚のグリル!」
(それはまた、もう一度食べたいということ?)
「そのバッグ屋さん、見るだけでもいいから、行ってみたい」
「お世話になったお友達を招いてティーパーティーを」
「めがねのつるのところも、ちょっと直してもらわなければ」
仕事の合間を縫って、今週はあれこれとお出かけが続きそうだ。アルヴィンドが出張中なのは、むしろ幸いであった。
さて先週の土曜日は、マイハニーが「お誕生日のプレゼントを買いに行こう」とスウィートな提案をしてくれたので、出かけることにした。
どの店にするか、車に乗り込むまで考えていなかったのだが、結局はいつものCUNNINGHAM ROAD沿いのASIAN ARTSへと赴き、ペンダントとイアリングのセットを買ってもらったのだった。
で、そのまま今日のところは帰るはずだったのだが……。
アルヴィンド、何気なく入って行ったカーペットコーナーで、あまりにも素直に、カーペットの魅力に引きつけられてしまった。
毎度おなじみエイジャズに、カーペットについてのあれこれを教わる。
アルヴィンドはわたしよりも真剣に、質疑応答を繰り返している。詳細は割愛するが、この日もまた、インド伝統工芸のひとつであるカシミールのカーペットに関する造詣を深めたのだった。
上の大きな写真の、まるで楽譜にも似た文字の連なりは、職人が参考にするところのカーペットのデザイン案である。カーペットデザイナーによって考案された色や織についてのパターンが記されているのだ。
カーペットには木綿、ウール、シルクとあり、ここにあるのはシルク製が最上級。
その品質を評価する基準となるのがノット数。
ノット数とは、1インチ四方における結び目数のことで、その数が多ければ多いほど、高品質とされる。
たとえばデジタルカメラで撮影した写真が、高解像度であればあるほどきれいな仕上がりになるのと似ている。
詳細は割愛するのだった。
そんなわけで、あれこれと見比べたり、その滑らかな肌触りを確かめたりして、すっかりカーペットの誘惑にはまったハニーは、なぜだかいつしかすっかりと買う気分になっており、小さめながらも高品質の商品を買ったのだった。小さめとはいえ、一枚を織り上げるのに、一人の職人が費やした歳月は9カ月。
滅多に物を欲しがらないハニーではある。買った後で、自分でも、「あれ?」というような、様子である。ともあれ、こうして夫婦揃っていいと思える、価値のある物を買い求めるというのは、いいことである。
ところで以下の写真は、ASIAN ARTSの右隣にあるテキスタイルショップ、SVISTI。LEELA GALLERIAにも店鋪を持っている。数日前、小さなバッグの写真を載せていたあの店だ。こちらが本店だけあり、品揃えも豊富。この日はテーブルクロスとクッションカヴァーを買い求めた。
やはり、インドのテキスタイルは、すばらしい。伝統工芸的なテイストを感じさせる、しかしながら野暮ったくない、自分の好みにあった「インドらしい」ものを選ぶのもまた、楽しい。
この日はアルヴィンドも一緒だったので、彼の意見も仰ぎながら、選んだのだった。新居移転以来、最低限を確保したばかりのインテリアだったが、こうして少しずつ、味わいを添えていければと思う。
※今週水曜日の朝、またRKBラジオで少々しゃべります。詳しくは、火曜の夜までにここに告知します。