●爆音連発の数日を経て、今日はなんて静かな日曜。「人々の木」の、葉がそよぐ音が軽やかな涼風に乗って部屋に届く。……と、時折、残りの爆竹を使い切ろうとしているのか、やはり今日も静寂を突き破る爆音が遠くから。
●ようやく旅の疲れも回復した今日あたり。もともとそんなに疲れを感じていなかったのだが、なぜか今回、二人して無闇に眠たい。水曜からの4晩、平均して9時間か10時間、寝ている。ともかく、よく寝た。
●日曜ではあるが、夫は先ほどムンバイ出張へ出た。「ミホもおいでよ」と誘われたが、そしてわたしも久しぶりにムンバイに行きたいが、今週はいろいろと予定が入っている。そういえば久しく、夫の出張に同行していない。
●夕べは、スジャータとラグヴァンが遊びに来た。ケララ州のトリヴァンドラムでラグヴァンの学会があったとのこと。海沿いのリゾートホテルに滞在できたとのことで、毎日泳いでいたという。食事もおいしかったという。
●夕べの食事は、いつも通りの持ち寄りで。わたしはエビカレーを作る。いろいろあったが、モハンから多彩なレシピを学べたのは実によかった。ややスパイシーにアレンジして、しかしブイヤベースのごとき美味なるカレー。
●一般に魚介類の購入は早朝のラッセルマーケットが一番「まし」だが、エビは肉屋のBAMBURIESがお勧め。大きなタイガープラウンが冷凍ながらも新鮮でおいしい。わたしはたいてい「尾頭付き」を購入する。いいだしが出る。
●巨大なものは1キロ10尾程度(約1400ルピー)。写真のエビは1キロ20尾程度(約1000ルピー)。カレーにはこれで十分の大きさ。巨大なものは軽く塩こしょうをして、こんがりグリルしてそのまま食べるのがいい。
●時折リクエストを受けるので、不定期にでも、料理教室を再開したいと思っている。インドの食材を用いて、いかに豊かな食生活を実現するか。スジャータ師匠を講師に、ラッセルマーケット探訪ツアーなども考えていたのだが……。
●さまざまにやってみたいことの構想は浮かぶのだが、優先順位は錯綜し。そう。昨日はインド移住2周年記念だったのだ。もう、2年もたっている。いや、まだ2年しかたっていない。
●一昨日、ラクシュミだと思った像、実はサラスヴァティーという女神だった。日本で言うところの弁財天。蓮花に立ち、腕が4本あるのはラクシュミと同じだが、サラスヴァティーはヴィーナと呼ばれる弦楽器を持っている。
●今日はこれから、書類や書棚の片付けをして、キッチンの調味料を整理して、ニューヨークで調達した夫のジャケットのボタンを付け替えよう。「ボタン付け」というといつも思い出す。布施明の「積み木の部屋」。
●「君〜にできる〜ことは〜、ボタン付けと〜、掃除〜……だけど〜満ち足り〜ていたぁぁ〜〜〜〜〜!」と絶唱するその歌声とは裏腹に、渋い歌詞。それにしてもボタン付けって、特筆すべき技能か?
●主人公は、ボタンがしょっちゅう取れるような服を着ていたのか。肉体労働者か。歌詞の向こうにプロレタリアな空気が漂っているじゃないか。1970年代半ば。高度成長期終盤の日本を支えた、若い二人の哀歌か。
●ボタン付けはともかく、料理はどうだったのだろう。できなかったんだろうか。
●そういえば、布施明とオリビア・ハッセーは、なぜかインドのヒンドゥー教スタイルの結婚式をやってたな。離婚したけど。あのころのインドは、今と異なる意味合いで、「流行っていた」からね。
●そして、今日からインド生活3年目に突入。これから先の一年。何が待ち受けているのだろう。さっぱりわからんが、楽しみだ。