今、ムンバイに来ている。マリンドライブを見下ろす部屋で、3泊4日の予定だ。今回は、久々に、夫の出張に同行である。
移住当初はしばしば同行してムンバイに来ていたし、その後も自分の仕事の出張で何度か訪れているので、久しぶりという気分ではなかったのだが、実は約1年ぶりだった。
1年もたつと、今のインド都市部の表情はかなり変わる。
今回、わたし自身もリサーチの仕事があり、しかし出張費までは予算が出ない仕事なので、バンガロールだけですませる予定だったが、ちょうど夫の出張が入ったので、ホテルは一緒に泊まれる。航空券だけを自分で手配して同行したのだった。
今夜は日曜だったせいか、ホテルにはパーティのために着飾った女性たちが見られた。サリーの艶やかさ、華やかさ。やはりバンガロールとはまったく違う。都会だなと感心する。
ところで、昨夜土曜日は、年に2度開催される日本人会総会が、The Leela Palaceのバンケットルームで行われた。この総会に参加するのは、去年の6月、今年の6月に続いて3度目。
買ったばかりの(いつ買ったのだ?)レンガー・チョーリーを着て出席した。レンガー・チョーリーとは、ブラウス、スカート、そしてストールの三点を組み合わせて着用するもの。サリーのようにぐるぐる巻きにする必要がなく、着崩れもなく、動きやすいファッションである。
サリー着用のインド人女性は、その豊かに肉付きのよい腹部を、そして背中を、惜しげもなくさらすのが一般である。その腹部が小錦並みだったとしても、だ。しかし、足は、足首でさえ出さないのが「伝統的なスタイル」である。
従っては、少々のことは気にせずに、お腹露出も、いいよね。と言いたいところだが、海外生活が長いとはいえ、わたしは日本人である。しかも日本人会、である。さらには、アルヴィンドから、
「美穂、絶対お腹を出して出かけないでよね! みっともない!」
と、しつこく忠告を受けたため、ストールの端っこに紐をつけ、指にひっかけることによって、常に腹部が隠れるような工夫まで施しての着用である。ジュディオング的、ともいえる着こなしだ。
従来は、別のホテルで行われていたが、ホテル側の不手際によるダブルブッキングのため、今回からLeelaとなったとのこと。こちらの方が雰囲気もよいし、料理も美味で、非常に感じの良い宴であったと思う。
料理も美味で、と書いたが、実はちょうどわたしが料理を取りにいった頃、日本人の方々がつきたての餅を用意していて、傍らには「きな粉」があった。きな粉餅は、我が幼少のみぎりよりの大好物である。
思わず、大きな二つを皿に盛り、たこ焼き一つ、それに焼きそばなどをついでもらい、ホテルの料理はあまり口にせぬまま、お餅でお腹が膨らんでしまった。
子供のころは、正月のときなど、一度に4つも5つも食べていたものである。更にはしっかりおせち料理だのなんだのを食べていたのだから、たいしたものである。
そんな餅の話はさておき、今回もまた、みなさん美しく着飾って、そういう様子を見るのが楽しかった。ホテルのサロンで髪をまとめてもらっている人たちもいて、エレガントである。
いっそ参加者がファッションショーをすればいいのにという華やかさだ。こういう派手な服を臆面なく着ることができるもの、インド生活の醍醐味の一つであろう。
一部(左上写真)、国籍不明なお姉さん方。よくよく見れば、左からインド、米国、ベルギー、インドと、伴侶は異国人の女性たちである。国際結婚組ならではの、独特の迫力、とでも言おうか。
そんなわけで、いろいろとエピソードも書きたいところだが、なにしろすでにムンバイである。
ムンバイのファッションはまた、バンガロールとは比べ物にならないほど華やかだ。
誘惑、数多である。どうしたもんだ。気をつけねば。