●日本的コーン&マヨネーズパンを焼いてみた。
ムンバイ&バンガロール二都市生活も、残すところ約1カ月。来週には引っ越し業者に見積もりに来てもらう。
ムンバイの家具は一時的にストレージルーム(倉庫)に保管しておくか、潤沢なスペースのあるデリー実家に送るか検討中。その他、不確定要素が多すぎて、考えるのも面倒なので、最早考えない。
人生、瞬発力と柔軟性である。ぎりぎりでも、いかようにでも、対応しようじゃないか。
といいながらも、今月は一度バンガロールに戻るべきか、いや、引っ越しまで滞在すべきか、などなど予定がなかなか定まらず、時にウォーッと叫びだしたくなる日々。
そんな体力余剰の朝は、パンを捏ねるに限る。
日本のレシピサイト(クックパッド)を見ていたら、急に「コーンマヨネーズパン」が食べたくなった。いかにも、日本的なお惣菜パン、である。
日本のキューピーマヨネーズならある。あの懐かしい味を再現できるかもしれない。というわけで、今日は普通の小麦粉(MAIDA)を使ってのパン作りである。
パン作りも4度目ともなると、捏ねるのがだいぶ、うまくなった気がする。
それはそうと、ムンバイ宅には、オーヴン専用の温度計はおろか、計量カップもはかりもないため、すべて「適当」である。適当であるが、それなりに、できあがるところが、うれしいものである。
ベーキングシートがないため、幸いにもバンガロール宅から持って来ていたタルト皿を使うことにした。左上の写真は、二次発酵を終えたあとのようす。右上の写真は、焼く直前にマヨネーズを絞り、つや出しのための卵を生地に縫ったところ。
「刷毛」すらないので、指先で塗ったが、問題はなかった。
ところで、これまでは米国のWHOLE FOODS MARKETでまとめ買いしていたオーガニックのドライイーストを使用していた。しかしこのドライイースト、かなりイーストの匂いがきつい。
それはそれでよいのだが、インド産のドライイーストも試してみるべきだと思い立ち、先日購入していたインドものを使うことにした。左上の写真がそれである。
粒が大きくて、これまで見たことのある顆粒状のものとは全く別物の印象だ。これでは粉と混ぜて捏ねることは不可能なので、ぬるま湯で溶かして使用した。
匂いはほとんどなく、ちゃんと膨らんだので、むしろ米国産よりも使いやすいかもしれない。
これがもしパン屋に並んでいたら、まったく気にも留めやしないだろうありふれた形状なのに、自分で作ったと思うと、どうしてこんなにも、かわいらしく見えるのだろう。
焼きたてのほかほかを、食べる。主観的に言えば「おいしい!」のだが、客観的にいえば「ふう〜ん」という感じである。というのも、記憶の中のコーンマヨネーズパンに比して、味が物足りないのだ。
マヨネーズを絞るときに「つけすぎないように」と気を遣ったのだが、なじみのあるマヨネーズ系のパンの味に比べると、具とマヨネーズが少なすぎた。
コーンはたっぷり詰め込んだ気がしたのだが、どうも足りない。特にマヨネーズのしっとり感が少なく思われた。同時に、過去、日本の一般的なパン屋で購入していたパンが、いかにマヨネーズどっさりだったかを認識させられた。
菓子作りをしていると、バターや砂糖の使用量の多さに気が遠くなりそうになるが、総菜パンの意外な重さを知るよい機会だった。
食べても太らない体質だったら、力一杯マヨネーズを絞り出すところだったが、我慢したのだった。
●ご近所テイラー活躍。自分にぴったりの服があれこれ完成。
それはわたしである。
厚かましいのは承知だが、テイラーに出していたワンピースがいい感じででき上がったので、つい。
先日、ショッッピングモールのカシミール地方な工芸品店で購入したサルワール・カミーズ用のマテリアル。
本来ならばトップとパンツを作るところだが、シンプルなドレスにしてみたく、「自称デザイナー集団」のテイラー店の店主に口頭で指示。
袖はフレンチスリーブ風に、丈は足首が少し見える程度、軽くフレアを入れて欲しいと頼んだ。更にはインド服では滅多に使用されない「ジッパー(ファスナー)」を背中につけてもらうことにした。
ちなみにインドの女性は、従来足を見せることはタブーであったため、今でも足を出している人は少ない。最近でこそ若者がミニスカートを履くようになったが、膝丈ですら、かなり目を引く。
加えてジッパー。インド女性が着ているサルワール・カミーズ。かなりボディにフィットしている。にもかかわらず、彼らはジッパーなしで脱ぎ着している。
これまで、そんな柔軟なボディを持つインド女性を対象にした衣類を試着して、どれだけ泣きをみたことか。試着室で脱げなくなった服を破らないように脱ぐのに腕やら首の筋を痛めそうになったことは、一度や二度ではない。
加えてインド人は頭が小さい人が多いせいか、頭が入らない服にも何度となく遭遇した。
その度に、「この服、首周りが小さすぎますよ」と、いかにも縫製上に問題があるかのように、店の人に文句を言っていたのだが、あるとき、自分の頭が大きいから入らなかったのだと気づいて、愕然とした。
そんな話はさておき、仮縫いの段階で試着したいと頼んだところ、
「一気に仕上げます。襠を多めに取るので、着てみて不都合があれば、縫い直します」
とのこと。翌日、試着にいったところ、案の定、胸のあたりが窮屈だ。そう。インドの女性は、サリーのブラウスにせよ、サルワール・カミーズのトップにせよ、胸囲全体をぱっつんぱっつんにしたがるのだ。
胸がつぶれて見えるし、ゆとりがなくてむしろ太って見えるのだが、どうにもそれが永遠のトレンドらしい。
従っては胸囲部分を1インチ広げてもらい、同時にユルユルに仕上がっていたウエスト部分を1インチ、詰めてもらった。さもなくば、マタニティドレス状になってしまう。
そして翌日にはこの通り、我が身にぴったりのドレスができ上がった次第。
ちなみに、先日も載せたが、左の写真が購入した店の店内である。
わたしは左側の黒いマテリアルを3つ、購入した。
左端は、日本の母のために買った。
来年あたり、母がインドに来たときにテイラーで作ってもらおうと思っている。
左から2番目がこのドレス。
左から3番目は、インド的チュニックを作った。ちなみにマテリアルの写真も、この日の記録に載せている。
素材は木綿なので着心地もよく、風通しがよいので暑い日でもOK。
ちなみにこれは、一時期気に入ってよく着ていた既製のチュニックをそのままコピーしてもらった。
『仰天ライフ』の番組内で、アガペ・チルドレンセンターに行く時に着ていた、あの縦縞のトップである。
丈が長過ぎないので着心地が軽い。
袖の長さも、鬱陶しくない程度の長さでちょうど良いのだ。
ただ、襟元の処理が今ひとつなので、刺繍に沿ってカットするなど、後日自分で少し縫い直そうと思う。
ミシンがないので、手縫いだが。
ブログ内でもしばしば着用して登場している、着心地がよくて気に入っているオレンジのシャツだ。
前回、東京を訪れたときに、銀座の日比谷シャンテ1階で見つけた大きめサイズのシャツである。
この店では、4、5年前に帰国したときも、大きめサイズのシャツを見つけて買った。
欧州サイズで40とか42という日本の一般的なブティックではなかなか見ないサイズがあるのだ。
ところで日本在住時代、つまり20代のころのわたしは、今より数キロ痩せていたので、11号とか13号の服が入っていた。それでもフリーサイズはとても入らなかった。
しかし、現在のわたしは、米国在住時よりは数キロ痩せたとはいえ(つまり米国にいる間は、日本時代に比して6〜8キロ、増量していた)、日本では規格外である。
身長は166センチある。が、昨今の日本、わたしくらいの身長の女性はゴロゴロしているはずにも関わらず、どうしてあんなに小さい服ばかりしか売っていないのだろう。世間のおデブ系な人たちは、どこで服を買っているのだろう。
13号ですら着用が危ぶまれる身としては、日本においては「大きいサイズのコーナー」に行くしかなく、しかしそこは服の選択肢が限られている。
従っては、日本に帰国した時に服を買うことはほとんどなく、インドに移住してからも、洋装は米国で調達してきた。米国であれば、6か8という米国の標準的なサイズがぴったりなので、選択肢が豊富なのだ。
話がそれた。
それたが、「この服、すてき!」と思っても、自分には入らないという経験を積んできた日本時代の自分を思い返すに、今、こうして自分にぴったりのサイズを作ってもらえることは、格別にうれしく思える。
さて、この黒いシャツの生地は、アルヴィンドがスーツを仕立てたバンガロールのコマーシャルストリートにある紳士服店Prestigeで購入しておいたもの。伸縮性のあるコットンだ。
仕上がりは、オリジナルに忠実で、実にいい感じで仕上がっている。ただし20センチ以内に近寄って細部を凝視すれば、ボタンホールのあたりや裏地の始末などの雑な仕上げに気がつく。
しかし、世間は20センチ以内に近寄って細部を凝視しないだろうから、着心地がよければノープロブレムだ。
そして最後は、ビジネス対応のシャツ。これはインドで購入したシャツをやはりコピーした。この布もまた、Prestigeで購入しておいたもの。
オリジナルは、やはりこのブログでもしばしば着用して登場しているところの、青と赤のコンビネーションのシャツだ。この日着用しているのがそれである。
ストライプの縦横や、背中部分の切り替えなど、こちらが指示をしなくても適当にアレンジして仕上げてくれていた。
微細に亘っては改善点も少なくないが、詰めていけば向上することは間違いない。などと言っている間もなく、来月にはここを離れる。
もう少し早い時期に、あれこれ頼んでおくのだったと少々後悔。バンガロールにもいくつかのデザイナー的テイラーがあるのだが、こちらは真にデザイナーが営んでいるため、いずれもムンバイよりかなり高い。
コマーシャルストリート界隈で、洋装に強いテイラーを、今後開拓したいと思う。
ところで上の写真は、セルフタイマーで撮った。いちいち着替えて撮った。我ながら、よくやる。よほどうれしかったようである。