「松本龍」という政治家の、人となりの断片を、こんな形で知ることになろうとは思わなかった。
彼の出身地は福岡市東区。わたしの故郷と同じである。わたしの亡父は、建設会社を営んでいた。ゼネコンの松本組、そして松本龍氏とは、少なからず関わりがあった。
彼の名を聞けば、父のことを思い出さずにはいられない。詳細を書けぬ、さまざまがあった。
父が属していた「あの世界」は、わたしから見ると、異様であった。
亡父が行って来た仕事の有り様は、わたしには理解の域を超えていたし、父が何を目指していたのか、未だによくわからない。
志半ばで、きっとさまざまを思い遺したままで(少なくともわたしには、そう見えた)、父は肺がんの闘病の末に他界した。
父と身近に暮らしていなかったわたしには、父の本意を尋ねるすべもなく、語り合う機会もないままであった。
そのことを、悔やんでも仕方がないのだが、あのとき、もっと長い間、帰国すればよかっただろうか、と思うこともある。しかし帰国すればしたで、父とゆっくりと語り合えたかどうかといえば、それも怪しい。
少なくとも父が肺がんを発症するまでは、父とわたしとは、衝突の多い関係だったから。
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松本龍氏の、オフレコ発言の映像を眺めながら、しかし不謹慎にも、奇妙な懐かしさを覚えた。その話し方、発音の具合。
九州の、地位のある、常に持ち上げられながら生きてきた感じの、男性の、典型的な態度。彼をかばうつもりは毛頭ない。ただ、彼をしてまた、とても「日本っぽい」とも、わたしは感じた。
世間は彼のことを人非人のように非難しているが、一方で、言われた側が正しいとも限らないということも、気に留めておくべきだと思う。
確かにあの場においては、あまりに不適切な言動だと見受けられたが、一方で、「いるいる、こういう人」という印象を受けた人は、少なくないのではないか。
自分にとっての、忌むべき相手の象徴のような、松本氏は態度をとったのではないかとの印象を受けた。
きっと本人は冗談めいた口調での「お願い」のつもりだろうが、まったくお願いになっていないひと言。
「書いたらもう、その社は終わりだから、はい」
九州出身のB型としては、同じ括りで扱われたくないと思いつつ、こんなことで騒いでいるときではなく、生産的なことを、一刻も早く! と思わずにはいられない。
玄海原発の再稼働が近々始まるというニュース。
そちらの方が、九州人にとっては重大な事態だとも思うのだが、いったいどのような報道のされ方なのだろう。どのような、市民の意識なのだろう。
「復興」
という言葉。これは、津波と地震にはあてはまるだろうが、原発事故に対しては、当てはまらない。これからも延々と、続いていく。
そして、そのことがあまりにも重大だから、復興という言葉にさえ、違和感を覚えるのだ。
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「写真と本文とは関係ありません」にもほどがある内容となってしまった。
『裏ブログ@胡蝶の夢』の方に、食べ物やら買い物のことやら「華やか系」を載せていると、こちらの画像がどうも、地味くさくなってしまう。
ついでに話題も地味となると、どうもつまらんので、定期的に食のシーンは載せたいと思う。
最近は、「インド赴任が決まったけれど、食事が心配」という声をよく聞くので、インドでも、がっつり食べられるという例を、折に触れて載せていこうと思う。
で、そのうち、ホームページに一気にまとめて掲載する予定だ。
というわけで、ここ数日の料理から、いくつかを。
久々にMANTRI SQUAREというショッピングモールにあるSPARへ出かけたので、魚介類を仕入れた。
本当は、朝のラッセルマーケットで調達するのが一番新鮮なのだが、朝、大喧噪のただ中に赴く根性が、このごろない。
いかんな。
そこそこのものが、そこそこの場所で手に入るというのは、善し悪しだな、とも思う。
昨日は、カニが3種類あったが、店の兄さんが一番おいしいと勧めてくれたこのカニを選んだ。
多分、ブルークラブだと思う。生きてはいなかった。ちなみにラッセルマーケットでは生きているものが手に入ることもある。
このクラブを塩ゆでしたものが、上の写真だ。
茹でる前に、しばらく水につけて砂などを出し、その後、塩水で茹でること十数分。茹で上がったら再び冷水にさらして、食べやすく切る。
アメリカンな食べ方であれば、溶かしバターだろうが、そのままでも十分いける。レモン醤油、あるいはマヨネーズ醤油で食べても美味である。
(※この記事を更新直後、母から連絡あり。このカニ(日本語でワタリガニ?)は父の好物だったらしい。松本龍氏の話題転じて、「お父さんを思い出して買ったの?」と尋ねられたが、そういうわけではない。)
右上は、オーガニックのトマトの甘酢漬け。を作っているところ。友人に教わったのだが、これがかなりいけるのだ。
酢にジャガリ(無精製の糖)を適量入れて、トマトを漬け込む。生のままのトマトは余り好きじゃないのだが、こうすると、格別においしくなるからうれしい。
こちらはその他の購入品。そら、日本の魚介類の鮮度のよさに比べたらもう、話にならんが、それなりにおいしく食べられる。
魚は毎度おなじみのポムフレット(マナガツオ)。いろんな魚を試してみたが、やっぱりこれが一番おいしい。もう、余計な魚は買わずに、この魚の調理法を変えて出すのが無難な気がする。
煮付け。塩焼き。唐揚げ。鍋物。カレー……と、さまざまな調理法に適応する便利な魚ではある。
こちらはビーフバーガーだ。夫がウィンブルドンの観戦中につき、TVディナーを所望したため、妻は特別の計らいで食べやすいハンバーガーを作った。
牛肉にはつなぎを入れない、アメリカンな肉肉しいパテである。インドの牛肉はフィレが多く、脂身が少ないので、オリーヴオイルをほんの少し、混ぜ込んだ。
あと、味にコクを出すために、玉ねぎをバターでじっくり炒めたものを挟む。フライドポテトでも揚げたいところだが、ここはヘルシーにゆでトウモロコシとホウレンソウ、トマトなど。
あとはディジョンの粒マスタードに、ケチャップ。
マスタード。コルカタはマスタード料理が多く、店頭にも美味なるマスタードが並んでいるのだが、そのコルカタのマスタードを他都市で入手することができない。
流通の問題なのか、嗜好(ニーズ)の問題なのか、誰も何も考えていないのか。
従っては、米国を訪れたときに、お気に入りの粒マスタードを買っていたのだが、先日、UBシティのCAFE NOIRにMAILLE(マイユ)のディジョン・マスタードが売られていた。
本当に、インド国内でいろいろなものが買えるようになったものだと思う。
というか、マスタード(粒)が大量に取れるインドだから、わざわざディジョンものを輸入せず、国内でおいしいものを生産してほしいと願う。
ちなみにムンバイのINDIGO DELIとか、THE TASTING ROOMなどでは、オリジナルのおいしいマスタードを供しているけれど。
スープとパン、そしてベーコン&目玉焼きというシンプルなもの。
このスープが、またしても美味だった。
先日、ムンバイのフレンチビストロで味わった「カリフラワーとポテトのスープ」に感動したため、我流で作ってみた。
さすがにフレンチビストロのような濃厚な旨味は出せなかったものの、隠し味の玉ねぎ炒めやカルダモンなどがほのかにきいて、更にはインドの濃厚牛乳が毎度、いい仕事をしてくれて、おいしい。
ジューサーにかけたあと、面倒だが裏ごしをすると、より滑らかな仕上がりとなる。大量に作って、2、3食に亘って味わう。
残り野菜の活用法としても、スープはかなりいける。
こちらも毎度おなじみ、鶏の丸焼き。有り合わせの野菜(だけど玉ねぎは必須)を敷いて、全体に塩胡椒とオリーヴオイルで味付け、塗り塗り塗り込んで、オーヴンにいれるだけ。
鶏肉には、室温バターも塗ると、なお風味がよくなって美味。ホイル包みのガーリックも、ホクホクと焼き上がれば、ペースト状にして、調味料となる。
毎度ワイルド系な料理だが、その料理をして、「ナチュラル」と呼んでくれる方がいらしたので、今後は我が料理を、「インド・ナチュラル・クッキング」と称したい。
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