若いころは、不摂生の連続だった。
10代のころは、常に空腹、男子並みに底抜けの食欲。
20代のころは、貧乏で、ろくなものは食べられず。
そのくせ、タバコは吸う。
常時、睡眠不足。
仕事のし過ぎで、常時イカれ気味。
30代になり、ニューヨークへ渡って、
タバコをやめ、少しまともな食生活になったかに見えて……。
なにしろすべてがアメリカンサイズ。
自分までもアメリカンサイズに増量。
36歳で結婚して、
ようやくしっかり、食生活を見直すようになった。
40歳でインドに移ってからは、尚更に。
セミナーでも何ででも、
二言目には、
「健康第一!」
「食生活を重視せよ!」
「睡眠を十分に!」
「自炊せよ!」
と、そんなことばかり言っているが、
これは27歳以来、20年以上、
後ろ盾のないフリーランスの仕事をしてきたわたしの、
紆余曲折の日々を経ての、
切なる思いだ。
元気でなくては、笑えない。
元気でなくては、つまらない。
元気でなくては、人を思いやれない。
元気でなくては、仕事はできない。
不定期に襲ってきた
激しい腰痛や、
激しい咳にさいなまれていたころは、
どこまでもどんよりと、沈んだ。
そして今、世間では更年期とも言われるお年頃。
放置していたのでは、健やかさを保てない。
しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり働く。
そのために、面倒でも、努力をしなければ、
と自分に言い聞かせる。
実は誕生日の翌日、昨日の朝、
首と肩の筋を痛めていた。
原因は、誕生日の夜、
レストランから夜景を見るのに、
首を何度も180度、回転させたからに違いない。
非常に、情けない。
傷は浅いうちに治療せよ、というわけで、
昨日、今日と、アーユルヴェーダの診療所へ。
対応が早かったせいか、今はだいぶ調子がいい。
どんなに健康を心がけていても、
不調の波は押し寄せて来る。
身体の訴えに耳を澄ませ、
自分の身体を慈しまねば。
アーユルヴェーダグラムのドクター・マンモハンの言葉。
「自分の身体を、大切な楽器だと思って扱いなさい」
本当に、その通りだ。
というわけで、今日は診療所の帰りに、オーガニックショップへ。
毎週火曜と金曜日、
バンガロール近郊の農家から市内へ運ばれて来る新鮮野菜。
ごった返す店内で、野菜を「拾い集め」るように、購入。
今日はメティ(フェヌグリーク)の葉をジャガイモとで炊いた。
これが本当に、身体によいのだ。
収穫したての、新鮮なオーガニックの食材を、
手軽に、廉価で入手できる。
母も、感嘆し、喜んでいる。
調理したその日に食べるもののおいしさ。
翌日には、確かに味が落ちてしまうことがわかる自然さ。
作り立てを、温かいうちに食することの、有り難さ。
手間をかけることには、意味がある。
そのことは、身体が一番、よく知っている。
そんなわけで、ときには面倒になるけれど、
ときにはジャンクも食べるけれど、
しかし、耐久性のある心身作りのために、
がっつり、力のある野菜を、たっぷりと、食らうべし。
いい音色を奏で続けるために。