ドミニカン・シスターズに子どもたちを預けている低所得者層の女性たち。シスターから家計管理の方法なども教わるなどの勉強会にも参加している。
本日、OWCが毎月開催しているロードトリップに参加した。今回の目的地は、OWCが支援している慈善団体の一つであるドミニカン・シスターズ (Dominican Sisters)。
午前10時半、約10名の参加者が、インディラナガールの80フィートロード沿いにあるドミニカン・シスターズに現地集合。シスターのジニに挨拶をする。
この教会では、界隈のスラムなどに暮らす低所得者層の女性たちに対し、セルフヘルプなどの啓蒙(教育)をする一方、女性たちが働きにでやすいよう、無料の託児所としても機能している。
まずは、集会所に通され、子どもたち(2歳〜5歳の幼児)による歓迎会に出席する。遅れて来た参加者があったことから、15分ほど子どもたちを待たせてしまったのだが、じっと大人しく座っている。
このような施設を訪れるといつも驚かされるのは、小さな子どもたちの行儀のよさ。決してスパルタで厳しくされている、という様子でもないのに、みな、辛抱強く、決して暴れたり騒いだりしないのだ。
中には泣き出す子どももいたが、シスターたちはやさしくたしなめ、泣き止まない子は別室に連れて行って諭すなど、教育が行き届いている。
「こんにちは、アンティ!!」
と言いながら、敬礼する。その様子が、本当にかわいらしい。そのあと、みなで一緒に歌を歌う。出し物を披露する子どもたちは、華やかに着飾り、かつメイクも入念。
「いったい、その衣裳はどこで調達したの?」
と、いうようなものばかりで、楽しい。
全身スパンコール付きのファッションを身にまとった彼女は、一人でダンス。子どもたちも、大人しく友だちのダンスを観賞している。
約30分ほどの歓迎会が終わった後は、別室に移り、ドミニカン・シスターズの活動についてのレクチャーが、シスターのジニによって行われる。
聖ドミニクの精神に基づき、フランス人の修道女が始めたこの活動は、37カ国にネットワークを持ち、インドにも数カ所の拠点があるという。
バンガロール拠点のこの教会では、貧しい人を助け、支えるべく、女性たちへの支援を行っている。バンガロールには現在800ほどのスラムがあり、狭い空間に大家族がひしめきあって暮らしている。
男性が働くだけでは一家を養えず(平均月収5000〜6000ルピー)、妻も働く必要がある。しかし、子どもがいては自由に動けないことから、ここでは無料で託児所を提供している。
また、女性たちに貯金をすることを教えるための教育も行っている。マイクロファイナンスの市場が世界的に注目されているが、ここではその傾向が間近に見られた。
読み書きが十分にできない、また銀行口座開設の方法がわからない彼女たちに同行し、銀行口座を開く手助けをし、同時に、家計管理の方法を伝授する。
ダウリ(持参金)に苦しむ嫁と嫁側の家族は、結婚してからも、苦悩から逃れられない場合が多い。夫が働かず、酒ばかり飲んでいるというのもよくある話。
妻は稼ぎ手であると同時に、家事もすべてこなせばならない、まさに過酷な生活を送っている人も少なくないのだ。
そんな女性たちを支援すべく、縫製などの職業訓練を受けさせるほか、健康診断や各種勉強会(セルフヘルプ)を実施、子どもへの教育方法についても啓蒙している。
この託児所が開設されて以来、1900人もの子どもたちを預かってきたとのことだが、その子どもたちの60%以上が、専門学校や大学に進んでいるのだという。
また、エンターテインメントのプログラムも充実。女性たちに息抜きと楽しみの時間を与えるため、ダンスのクラスなども開いているという。
ジニのレクチャーが終わった後は、ここでお世話になっている女性たちとの意見交換が行われた。カンナダ語での会話のため、ジニの通訳が必要であったが、いずれにしても、彼女たちの明るさ、たくましさ、饒舌さが伝わってくる。
「夫が酒ばかりのんで、なにもしない。義理の家族も、子どもたちの面倒も、すべてわたしが見ている」
「これまでは男が家を支配していたけれど、今はお金の管理もわたしがして、女が強くなった」
「以前は夫が外出を許さなかったが、今は教会の仲間と活動しているといえば、許されるようになった」
「シスターに出会うまでは、結婚したら人生は終わりだと思っていた。けれど、ここへ来て、いろいろと学び、ダンスもできて、とても楽しい」
……まだ年若い母親たちが、笑顔で語る。
貧しい家庭の子どもたちは、まともな教育を受けさせてもらえないどころか、児童就労に駆り出されることも少なくない現状にあって、シスターたちの活動は、本当に必要とされており、意義深いことであると痛感する。
彼女たちは各方面からの寄付(金銭、品々、あるいは労力)を必要としている。CSR(企業の社会貢献)の一環として、建物をペイントしたり、修復したりという作業をしてくれている企業もあるとのこと。
今回と次回のチャリティ・ティーパーティによって集められる寄付金と寄付の品々は、このドミニカン・シスターズに託そうと考えている。
8月末、あるいは9月上旬の訪問を予定している。同行をご希望の方もあると思うので、改めて別途、ご連絡したい。
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