第17回チャリティ・ティーパーティ。今回は今までとは異なる展開で、非常に活気のある午後となった。
いつもは、インド生活に役立つ講座を行って来たが、今回は実験的にチャリティ・バザールを開催し、加えて先だって発足した「ミューズ・クリエイション」の打ち合わせを行ったのだ。
想像以上に成果のある有意義な集いとなった。
いつもは講義用の資料を準備するところ、今回は「店作り」の準備。これが結構、楽しかった。ムンバイで仕入れて来た3つのNGOの手工芸品を展示。
これらは、仕入れ値よりも若干上乗せした価格を設定し、値札をつけていく。それでもかなり安い。
販売価格と仕入れ値の差額、つまり利益はすべて、慈善団体への寄付金とするというわけだ。買った人にとっては、NGOへの支援に加え、他の慈善団体への寄付にもつながるから、二重に貢献していることになる。
上記3カ所に加え、バンガロールからは3つの団体に来てもらった。彼らには、場所を提供するというだけで、各自で販売をしてもらう。
まずはバンガロール郊外の農村の、貧しい環境におかれた女性たちを支援するTHE BELAKU TRUST。今までいくつかのバザールで彼らの作品を目にし、クオリティの高さが際立っていた。
彼らに来てもらえないかと打診したところ、二つ返事でOKしてくれた。
次いで、ここでも先日紹介したANU。我が家の近所のスラムに暮らす女性たちの自助グループで、ジュースのパックやセメント袋を再利用したバッグなどを制作している。
そして最後がONE BILLION LITERATES。今回のチャリティ・ティーパーティで集められた参加費(寄付金)と商品売り上げの利益分は、この団体に寄付する。
主催者のアナミカも立ち寄ってくれるとのことで、参加者たちと交流が図れるのもまたいい。
以下が、今回のバザールに関わった団体の一覧だ。過去にこのブログで紹介したところは、その記事のリンクもはっているので、ご興味のある方、ご覧ください。
[THE BELAKU TRUST/ BANGALORE]
■THE BELAKU TRUST: Homepage
[ANU/ BANGALORE]
■リサイクル製品作りでスラムの女性の自立を支援
[ONE BILLION LITERATES/ BANGALORE]
■自分のライフを社会貢献に託す女性たちとの出会い
■貧困層の子らに英語とコンピュータ教育を。
■今月の西日本新聞:激変するインドは「学校」の話題
[OM CREATION/ MUMBAI]
■ダウン症の女性たちが作る手工芸品を求めに
[WIT/ MUMBAI]
■WIT (Women's India Trust): Homepage
さて、チャリティ・ティーパーティ。開催は2時。準備のため外部の団体には1時半には来て欲しいところだがここはインド。
20分、30分遅れは当たり前。ということで、1時に来てくださいとお願いしていた。
大量のコーヒーや紅茶の準備。
カップやソーサーを並べ、菓子類をセッティングする。
メイドがいるとはいえ、そのあたりは自分しかできない。
そんな最中、ピンポ〜ンとベルが鳴り、BELAKU TRUSTのスタッフが到着!
30分も早い12時半! 遠い村から来ているため、余裕を持って出発したらしい。
スッピン&部屋着姿でお迎えというワンダフルな事態となったが、まあ彼らにしてみれば、大した問題ではなかろう。
むしろ、早めに来てもらえることはありがたい。早速、彼らにも準備を始めてもらう。
改めて見るに、彼らの商品のすばらしいこと。BELAKUにはおよそ50名の女性たちが在籍しているらしい。「布製品チーム」「紙製品チーム」そして、「布そのものをプリントするチーム」の3つに分かれているという。
布そのもののブロックプリントも、彼らが行っている。詳しくは彼らのホームページを見ていただければわかるが、実に本格的なのだ。
わたしが特に気に入ったのは、左上のストール。クジャク柄のそれらは、木綿製で、布そのものはツートーンカラーになっている。
ストールでもいいが、わたしはテーブルのセンターランナーに使おうと購入した。1枚350ルピー。500円もしないリーズナブルさだ。
右上の象のぬいぐるみ大小も人気の商品。カラフルな色柄がかわいい。
その他、雑誌を細く切り、くるくると巻いてコーティングして作ったネックレスやイアリングなどもカラフルでかわいい。
手漉きのペーパークラフトも、非常に味わい深い。
さて、こちらはANUの商品。左側の商品は、セメントバッグに刺繍を施したものを素材にした商品類。セメントバッグだけに非常に丈夫。
ハンドバッグにラップトップバッグ、クラッチバッグにポシェット、ベルトなど、商品数も豊かだ。
今日は来ることができなかったが、責任者のエディオナとスタッフの一人来てくれた。
ジュースパックが生まれ変わった「人気商品」も大量に。
これらの売れ行きは今ひとつ少なかったようだが、それはそれ。
参加者に声をかけて持って来てもらったジュースのパックもお渡しする。
そして今回の寄付先、アナミカ主催のOne Billion Literates。
しかし、オリジナルのTシャツとマグカップがあるので、それを販売。わたしもTシャツを1枚、購入した。
新学期が始まってから、学校見学を兼ねて、寄付金を持って訪れる予定だ。
そのときに、ミューズ・クリエイションの活動の一部を反映できればとも思っている。
以下の写真は、ムンバイで仕入れて来た工芸品の数々。ティーコージーや鍋つかみ、ポットのハンドルつかみなど、実用性の高い商品が豊富に揃っている。
WITのティーコージーは、立体的で気に入っており、以前購入したものを、今でも愛用している。
これを被せると被せないとでは、温度の変化が著しく異なるのに驚く。
かなりの保温力、なのである。中に分厚い真綿が入った、さらに保温パワーの強いティーコージーも売られていた。今回はこの立体タイプだけだったが、次回は仕入れてこようと思う。
OM CREATIONのギフト袋は個人的に非常に気に入っているので大量に調達して来た。売れ残ってもまた別の機会に販売すればよいのでノープロブレム。
ニューヨークや日本の友人にお土産を渡す時にも、ときどきこの袋を用いるのだが、みな喜んでくれる。
石けんなどの小さなギフトも、これに入れて渡すだけで「立派な感じ」になるのがよいのだ。ワイン用のラッピングもまた、高級感が出る。
さて、2時を過ぎて、続々とゲストが来訪。夏休み中とあって、さくら会全体にも声をかけたが、参加者が少なめの20数名。
しかし、結果的には実にほどよい人数であった。ご覧の通り、かなりの盛況且つ熱気で、それでなくてもいつもより蒸し暑かった午後、室内の温度、急上昇であった。
そもそもバンガロールとは「エアコンシティ」と呼ばれる高原の涼しい街だったこともあり、基本、冷房不要だったのだ。
天井のファンだけで十分に涼が取れていたのだが、このところ、夏の気温が上昇気味。こうして大勢の人が入ると、暑いのである。
みなさんそれぞれに、商品を吟味しつつ、お買い物を楽しまれている様子。そして、チャリティ・ティーパーティといえば、ティーパーティというだけあり、いつものお菓子も準備。
実は夫がまたしても今週ムンバイ出張へ行き、まだ先週購入したマンゴーが残っているというのに、2ダースも買って来たので、我が家はアルフォンソマンゴーパラダイスなのである。
そんなわけで、みなさんにも産地に近いムンバイからのマンゴー、お裾分けだ。
そしていつものスコーン。
生クリームやジャムを添えて、シンプルに、しかし美味!!
みなさんからお持ちいただいたお菓子もあれこれと加わって、テーブルはいつも通りの賑やかさ。
買い物を終えて一段落したあと、みなさんはティータイム。
NGOのスタッフの人たちも喜んでくれた。
大規模なバザールもいいけれど、この規模で、売り手と買い手が交流を図りながら、ゆっくりと買い物を楽しみ、その後、お茶をする……というのも、なかなかにいいコンセプトだと思う。
アナミカやエディオナも、このスタイルを気に入ってくれたようで、本当によかった。
普段は「大人の会」だが、今回はバザールということもあり、お子様連れの方にも来ていただいた。
ただし、我が家はお子様仕様ではないので、室内で遊び回るのは不可能。トラブルを防ぐためにも、その旨はすでにお伝えしておいた。
一方、庭では自由に駆け回ってもらってノープロブレムだし、室内でも保護者がそばについていれば大丈夫だということで、今回は数組のお子様連れもお招きした。
実際、なんら問題なく、楽しんでいただけたので、とてもよかったと思う。
お買い物にお菓子におしゃべり。みなさんそれぞれに楽しんでいただいたあと、4時過ぎよりミューズ・クリエイションのミーティング。
あらかじめたたき台の資料を作成しておいたので、みなさんに配布。その内容をご説明した後、みなさんと意見を交換しつつ、大まかな活動内容が決まった。
骨子は下記の通りである。
インド国内、主にバンガロールにある慈善団体、特にOWCが支援する25の団体を対象に活動する。
これまでMSSでは、チャリティ・ティーパーティを不定期に開催し、寄付金や寄付の品々を集め、さまざまな団体に寄付をしてきた。その際に、同行者を募り、慈善団体を訪問してきたが、いずれも単発的な活動で、奥行き、広がりが見られないものであった。
ミューズ・クリエイションでは、各慈善団体の特徴や要望を理解した上で、先方にとっても、メンバーにとっても有意義だと判断される活動を行う。そのことにより、地域社会と交流、 楽しみながら、お互いに理解を深め合う。
できるだけ多くの人が、自分の得意分野を生かした活動ができるよう、小さなグループにわけて、それぞれに活動する。ひとりでも作業できるような、フレキシブルな動き。
個人でも、共同でも、フレキシブルに動けるような形。また、各グループがそれぞれに活動したり、あるいは複数のグループが同時に活動したりと、適宜連携して動けるような体制。
具体的には、いくつかの「手づくり隊」を作り、各々の活動を、とりまとめて、社会貢献に結びつけて行く。独自でバザールを開催したり、あるいはOWCなどが主催するバザーで、ブースを設けて販売活動する。
物品の制作は販売以外にも、歌や踊りといったエンターテインメントなども考えられる。慈善団体のパーティなどに招いてもらい(押し掛け)、歌や踊りを披露する……といったことだ。
なるたけ、予算をかけず、エコロジカルなコンセプトで。不用品の再生利用などでものを作るアイデアなども出し合いつつ、あれこれと発展させて行ければと思う。
これが本格的に動けば、NGOを設立し、しっかりとしたファンドを立ち上げることも視野にいれている。当初の必要な経費は、MuseIndiaから資本金(といっても大したものではないが)を準備する。
さて、肝心の活動チーム。なにしろ最初は試験的に、なので、あれこれと欲張りたいところを絞り込む。
それにしても、だ。日本の皆さんは、謙虚すぎる。米国でも、インドでも、このような会合では、
「わたし、できます!」
「俺、それ得意!!」
といった発言が連発するが、日本の方々の控えめさ! お願い、控えめ過ぎはまどろっこしいから、できるならできるって言って! 状態で話すうちにも、皆さんの「タレント性」が次々に明るみに出る。
だいたい、インド人の多くは、たいしてできなくても「できます!」って言うのが普通だから、国民性の違いとは恐ろしい。
もっと主張しようぜジャパニーズ。という感じだ。
ミューズ・クリエイションのコンセプトは、あくまでも押しつけや強制でなく「自発性」を重んじることにしているので、そのあたりは「まろやか」に、進めるつもりだ。
というわけで、最終的に4つのグループができた。
●チーム「布」
布製品の制作。古布などを使用しての各種製品作り。その他、安価な素材に刺繍などを施したものなど。「慈善団体への寄付向け」と「バザールでの販売向け」の双方を、作ることになるだろう。
●チーム「紙」
折り紙の制作や指導。その他、紙製品の製作。図画工作系全般。廃品を利用した玩具作りなども。
それに加えて、ワンダフルなアイデアが出た。実はわたしもかねがね思っていたのだが「紙芝居」である。参加者の中に、美術の専門の方がいらっしゃったので、いろいろとアドヴァイスを受け、有意義な話し合いとなった。
●チーム「歌」
歌って踊ってを披露するチーム。慈善団体を訪れる時は、子どもたちが必ずといっていいほど歌ってくれるので、わたしたちもその場で適当に歌って来た。
しかし、きちんと練習をして、いくつかのレパートリーを持っていれば、より「魅せる」ことができる。
なぜか「ゴスペルがいい!!」と燃える人々が数名(わたしも含め)いたので、まあ、それはそれで、「天使にラブソングを」的な世界を楽しもうと思う。需要の有無は別として。
●チーム「食」
お菓子やパンなどをバザーで販売する機会がある。インドの食材を使って美味な焼き菓子などを作るチーム。
毎回チャリティ・ティーパーティでお出しするタルトやスコーンが好評なので、その教室も開きつつ、大量に作る。
が、寄付や販売にたどり着く前に、作って自分たちで食べてしまっておしまい、という結果になりそうなので、そのあたり、注意したい。
●チーム「企画」
以上のような活動を、いかに社会貢献に結びつけるかを考える。すでに上記のチームはすべてメンバーがそろい、リーダーの選出も終了した。
企画の際には、リーダーたちとのミーティングを設け、どのような場に、どのようなチームの活動が適切か報告し合いつつ、相乗効果でイヴェントを盛り上げて行く。
……といったところだ。
わたしの方で、ミューズ・クリエイション賛同者に近々メールを送信し、それぞれの所属を決めてもらい、チーム一覧を作る。
それをメンバーに送信し、基本は「チーム内」で活動を進めてもらう。
わたしはあくまでも、全体の取りまとめ及び相談役のような立場で関わり、あとは皆さんの独自活動を尊重するばかりだ。
ミューズ・クリエイションの賛同者は、ティーパーティに参加できなかった人を含め、すでに30名近くに達している。
ティーパーティに参加してない方で、ミューズ・クリエイション参加希望の方、わたしにメールをくださっていない方は、どうぞおしらせください。
数日後に、メンバー向けのメールをお送りします。
ちなみに、複数のチームへの所属も可能。わたし自身も、あちこちに顔を出すつもりだ。
ただし、目標となるイヴェントなどが決まり、自分自身の作業の目標を立てたら、それが遂行されるまでは責任をもって活動してもらいたい。
あちこちが中途半端にならないよう、ご自分のスケジュールを調整して、参加していただければと思う。
なお、入会、退会は自由だが、せめて1つのイヴェント、たとえ慈善団体一カ所の訪問だけでもいいので、活動を経験してもらいたい。
その他、細かなあれこれはあるが、それは、ミューズ・クリエイションの活動記録として、別途メンバー向けのサイトを設けて告知してゆく予定だ。
【追記】
※物品販売などで生じる利益は、経費(実費)を差し引いた全額を、慈善団体への寄付金とする。
※今回のティーパーティで得られた利益の詳細は、後日参加者に報告する。