今年もまた、ミューズ・チャリティバザールを盛況のうちに終えることができた。
ご来訪のみなさん、どうもありがとうございました!
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2012年の12月に初めてのバザールを実施して以来、13年からは9月の実施に移行し、今回で4回目。早いものだ。当初は、創設半年後、何となく試験的に実施したのだが、今では大切なイヴェントの一つに成長した。
毎年出店してくれている懇意の慈善団体ほか、わたしが個人的に好きで、他の人にもお勧めしたいと思えるローカルビジネスに声をかけて、出店してもらっている。今年は、そのほかにも出店依頼のあったヴェンダーが、新規で参加した。
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Muse Charity Bazaar 2015 Vendor List
[NGO/ NPO]
バザールへは無料で出店
◎Samarthanam Trust
バンガロール郊外の村に暮らす貧困層女性たちを支援する慈善団体。ハンドブロック・プリンティングをはじめとする手工芸の技術を伝授し、クオリティの高い工芸品を生産している。
◎Shepherd Crafts Kashmir
カシミールの山岳地帯に暮らす羊飼いの女性たちによる、伝統的な刺繍の技術が生かされた工芸品。バンガロール在住の創業者デヴィカが、自らカシミールの村へ赴き、女性たちに技術を伝授。
◎Joy@work
バンガロール郊外に暮らす貧困層の女性たちに手工芸の技術を伝授し、経済的な自立を支援。リサイクル・アイテムで作られたジュエリーやバッグ、インテリア小物などを制作、販売している。
◎One Billion Literates Foundation
バンガロール市内の、環境が整っていない公立学校において、英語教育やコンピュータ教育を実施。現在、約10校400名の生徒たちへ教育をサポートしている。活動継続のための寄付金を募っている。
[Socially conscious businesses ]
売り上げの5%以上をミューズ・クリエイションに寄付
◎This and That
ハイクオリティで個性的なインテリア・テキスタイルのプライヴェート・ブランド。
◎Petit Namaste
綿100%、シンプルで洗練されたデザインのべビー用のベッドリネン、タオルなど。
◎Lotus Vibe
個性あるバッグやインテリア小物などのテキスタイル・アイテムのブティク。
◎The Preloved Co.
ハイセンスなセカンドハンドのファッションアイテムを販売。
◎Masala Tea
デリー発、日本人によるお洒落なエスニック・ファッションを扱うセレクトショップ。
◎Jacaranda
ベッドリネン、ガーデングッズ、ハーブの苗や種子、観葉植物の苗、ハーブティなど。
◎Temple Tree
カラフルなオリジナルのペーパークラフト、ラッピングなど、多彩な紙製品を販売。
◎Ayurvedagram
アーユルヴェーダの診療リゾート。副作用がなく、効果の高い商品も販売。
◎Vriksh - The Organic Store
オーガニック食品や日用品の専門店。
◎Kahawa Fresh
クールグで栽培された良質のアラビカ豆をコーヒーマイスターが丁寧にロースト。
◎Howaboutwee
風味豊かにマリネされたチキンのバーベキューとサラダのセット、及び手づくりのオーガニック石鹸も販売。
★Muse Creation’s Handicrafts
ミューズ・クリエイションの、チーム布、紙のメンバーによる手づくりの作品を販売。利益は慈善団体への寄付を中心としたミューズ・クリエイションの活動費に充てられる。
★Cafe Muse
ミューズ・クリエイションのメンバーによる手づくりの菓子と、南インド産の香り高い高品質のコーヒーなどをお出しするカフェ。
♪ Muse Choir ♪
ミューズ・クリエイションのコーラスグループ。
担当の割り振りは、メンバーに第3希望までを募った上で、最終的にはわたしが決めている。
・普段関わりが少ない異なるチームのメンバーを混在
・販売する商品に詳しいメンバーを数名配置
・チーム歌のメンバーは途中で抜けるので偏らないように分散
・前年の経験者を分散
・なるたけ第1希望を尊重しつつ、第3希望までを反映
……といったことに配慮したうえで。すべてのメンバーの意向を反映することは難しく、みなが思い通りにというわけにもいかないが、臨機応変に対応してもらいたいと願いつつ。
NGO申請をした今年、おそろいのポロシャツも作って、今年はメンバーが全員着用してのバザールであった。来訪者からも好評で、「欲しい」と言う人もいた。Staffのロゴを取ったものを作るのもいいかもしれない。
メンバーであることが、ひと目で分かるので、お客さんとの識別ができるのも非常にいい。お客さんもまた、質問などをしやすかったと思う。例年に比べ、今年は全体的に流れが速やかだったのは、おそろいのポロシャツも理由だったかもしれない。
今回は、ミューズ・クリエイションのこれまでの活動記録をまとめてファイルにしたものなども準備した。どのような活動をしているのか、と尋ねられたときのために。
同じ資料は2部ずつ印刷しておいたので、1部はカフェ・ミューズの一隅にディスプレイ。資料を作りながら、この3年間の積み重ねを思った。塵も積もれば山、との思いを強くする。
初回のバザールから、毎回フレキシブル要員として参加してくれている「働き組」メンバー。今年も要所要所でのサポートほか、重責のランチ注文(ドミノピザ/KFC)を引き受けてくれた。
思えば、すべてのバザールを経験しているメンバーはわたしを含めて5名ほど。ミューズ・クリエイションの全歴史を知る貴重な存在だ。
このバザールの在り方については、4回目を迎えるに際して、自分の中でも検討せねばならない、いくつかの事案があった。
これまで年々、ゲスト数が増え、売り上げも上がっていた。
しかし、ミューズ・クリエイションはあくまでも慈善活動のグループ。売上高を上げることが目的ではない。日頃の作品作りが売り上げ重視になってしまうことで、損なわれる自由がある。
また、このバザールに関しては、自宅で開催している以上、人数が増えればいいというものでもない。
従来は、在バンガロールの日本人女性からなる「さくら会」の会員へのメールと、外国人女性からなる「OWC」の会員へのメール(有料)での告知のほかは、主に口コミでの宣伝で集客していた。
しかし、今年はミューズ・クリエイションのNGO化を機にFacebookを設置したこともあり、OWCに5000ルピーも支払って送信してもらうかわりに、そちらFacebook上でイヴェントの告知を実施した。
その結果、「参加予定 (going)」をクリックした人が350名を超えてしまい、正直なところ、少々困惑した。
そんなに来られては、困る。
インドにおけるFacebookの利用者は1億人以上。企業や組織、その他、マーケティングにも積極的に活用されている。ただ、人々がどれほどの真剣さでLikeやgoingをクリックするのかは、見当がつかなかった。日本人であれば、一旦参加表明をしたならば、少なくとも5割は来るのではないか。
しかし、ここはインド。「行きたい」と思った時点で、行けるかどうかはわからなくても、クリックしそうな気配である。
自宅で行っている以上、見知らぬ人たちに大挙襲来されても困る。
と思っていたところ、蓋を開けてみれば、Facebook経由の人は10数名。数パーセントという少なさであった。
どれだけ適当にクリックしているかが、よくわかった。今後は惑わされまい。
結果的に、昨年よりも10名ほど少ない約120名のゲストが来訪した。ヴェンダーのスタッフ、メンバーを含めると180名ほどになった。
前述の通り、そもそも利益を上げることが主目的ではなく、メンバーの手がけた作品を販売したり、ヴェンダーやゲストとの交流を図ったりすることなどが大切だと考えていたところ、今回は、少なめだった。
運営する立場からすると、このような上下の波がある方が健全だとの印象を受ける。もちろん、赤字では困るが、利益の追求に心を奪われると、本質が見失われてしまう。
ゲスト数に比して、売り上げが多くはなかった一方で、過去の経験が生かされたせいか、慌てたり戸惑ったりすること少なく、全体を通して非常にスムースに、ゆとりのある時間を過ごせた。
カフェ・ミューズで、「長居」をする人たちが多かったのもまた、心和む光景だった。ヴェンダーの人たちが、ミューズ・クワイアの歌を楽しんでくれていたのも、うれしいことだった。
「この歌を聴くのが、楽しみのひとつでもあるのよ」
と異口同音に。
さて、思うところはさまざまあれど、長くなるので、この辺にしておこう。あとは写真にキャプションを添えておく。
チーム布の作品。欲しいものがいくつもあったが、瞬く間に売り切れていた!
Shepherd Crafts Kashmirなど、手工芸品を通してのNGO創設に関わっているデヴィカ。わたしにとって、大切な友人のひとり。彼女から学んだことは多く、カシミールの手工芸品を巡る旅は、忘れ得ぬ思い出のひとつ。
貧困層の子どもたちが通う公立学校を支援するOBLFのルビーとそのスタッフ。OBLFは、わが夫も役員として支援していることから、夫婦揃ってのおつきあい。ルビーには、ミューズ・クリエイションのNGO化に際して、いろいろと情報を提供してもらった。とても助けられた。
昨年まではBelaku Trustとして参加してくれていたが、今年は母体が移行して、Samarthanam Trustに。しかし販売に来てくれたスタッフは去年と同じ。顔なじみ。
わがお気に入りのオーガニック製品もあれこれと入手できるVRIKSH。
オーガニックな野菜やハーブの苗を販売するJACARANDA。オーナーのVIVIは、カフェ・ミューズにたっぷりのハーブティーを差し入れてくれたほか、わたしにもチンゲンサイの苗をくれた。
毎年人気のLOTUS VIBE。いつも山ほどの商品を持参で来訪してくれるが、動線が塞がれて、毎年なにかしら、渋滞源となっていた。今回は例年の経験を生かして「動線確保」に専心した結果、滞りなく、いい感じであった。
諸々のタイミング的に9月中旬の実施が最もよいのだが、ここ数年、モンスーン明けが遅く、この時期にも雨が多い。昨年はよかったが、一昨年同様、今年もまた、雨が多く。前夜に雨が降ると土がぬかるんで、芝生がたいへんなことになるので、今年は日よけも兼ねて、業者にテントを依頼した。
ついでにテーブルや椅子も多めに頼んだので、ヴェンダーの数を増やすこともできたのだった。白いテントだったらもう少し明るかったのだろうが、防水は青しかないとのこと。
ともあれ、前日の夕刻、業者は時間通りに来訪し、1時間もかからず、テキパキと設営してくれた。案の定、その日の夜に雨が降った。テントがあってよかった。
前々日に、大量に焼いたカステラ。170切れほどだったか。このほかメンバー数名と一緒にショートブレッドも焼いたのだった。
各種木綿のテキスタイルがあれこれと。This and Thatもおなじみのヴェンダー。
今回初出店のPetit Namaste。質のいい綿100%のベビー用品があれこれと。数年前にOWCのバザールで出会い、昨年は出店を依頼していたのだが在庫がなく。今年は、晴れて出店してくれた。かなりの人気であった。
古くから、マルハン家のファミリーフレンドの一家のお嬢さん、モデルのマリアムが始めたセカンドハンドのブティック。あいにくマリアムは米国滞在中だったので、スタッフが来てくれた。
インド移住当初からの知人、ソナリが経営するTempletree。すてきなペーパークラフトが揃う。Templetreeもまた、今回が初めての出店。いつも、別の場所でのエキシビションと重なって、出店が叶わなかったのだが、今回はようやく。
今回、初出店のHowaboutwee。実はお隣のアパートメントコンプレックスにお住まいのご夫婦が、同バザールのことを聞きつけて、つい10日ほど前に出店したいと連絡をくれたのだった。
妻は手づくりのオーガニック石鹸を販売。夫はチキンバーベキューを。このチキンバーベキュー、非常においしかったのだが、夫は助手のスタッフに任せっきり、やたらと場内を巡り歩き、写真撮影を楽しんでいた。
あまり商売をする気がなく、連れて来た息子(とてもいい子)と二人で、バザールを楽しんでいた様子が、むしろ微笑ましかった。
仏陀の前で肉を焼くとは……。躊躇しなかったわけではないのだが、ここが一番、危険も少なく、いい場所だったのだ。案の定、アーユルヴェーダグラムのお兄さんが、
「仏陀の前で、バーベキューとは……」と、つぶやいていたらしい。
終了後、お礼の気持ちを込めて、手を合わせておいた。
ちなみにこのバーベキュー、予想以上においしかった。辛くない味付けでと頼んでいたところ、独自のマリネで調味してくれていたのだった。チキン3、4切れにサラダ付で150ルピー。ヴォリュームたっぷりだ。
わたしの英語の先生であり、大切な友人のひとりでもあるシブと、そのお嬢さんピクシー。シブのお母さんも一緒に来てくれた。ゆっくりとランチを食べ、おやつを食べ、コーラスも聴いて、楽しんでくれた。
先日のリユニオンの会合で、夫のMITの後輩らにフライヤーを渡していたところ、立ち寄ってくれた。
歌は3回にわけて披露。最後はもう、ゲストも少なく、内輪で盛り上がる状態。
人間が「チャリティバザール」というものを楽しんでいる間、猫らは隔離されていました。NORAは書斎に、ROCKYはみほさんたちの寝室のバルコニーに閉じ込められていたんです!
ROCKYは、最初、激しくミャオミャオと叫んでいましたが、途中であきらめて、棚の上のカゴで寝始めました。ときどきみほさんが様子を見に行くと、恨みがましそうな目で見つめます。
ようやく最後に片付けが終わって、業者さんたちが帰った後、みほさんとまるおさんがドアを開けて「下りておいで」とやさしく声をかけても、ふてくされてなかなか下りて来ないんです。
超、むかついてたみたいです。
仕方ないですね。
でも、そのあと、みほさんに抱っこされて甘えていたので、寂しかったのかもしれません。みほさんは、夕飯の時に鶏肉を茹でて、「今日は、ごめんね〜」と言いながら、自分たちよりも先にNORAとROCKYに与えていました。
みほさん、猫らには特に、親切ですね。
それではみなさん、ごきげんよう。
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そんなこんなで、10時開場、午後4時には撤収開始。去年は午前中にどっと人が集まったこともあり、混雑した感があったが、今年は人数が10名ほど少ないだけだったにもかかわらず、非常にゆったりと対応できた。
この状況であれば、あと50名ほどゲストが増えても十分に対応できる気もしたが、来年も同じことがいえるとは限らない。
業者の撤収と並行して、メンバー全員で各部屋の片付けをし、瞬く間に家が復元されていく。もちろん、掃除や洗濯、細かなインテリアの復元は自分でやらねばならないが、8割方が1時間ほどで片付いてしまうのもすばらしいものだ。そうでもなければ、毎年自宅を開放する気持ちにはなれないかもしれない。
そして、お待ちかねの打ち上げ。
みな、同じポロシャツなので、場内、薄暗い感じだが、みなそれぞれに祭を終えたあとの達成感があったようだ。
ミューズ・クワイアのユニットが歌を披露してくれたりもして、宴に華を添える。
今年もまた、つつがなく、無事にいい一日を過ごせて、本当によかった。
ゲストも、ヴェンダーも、わたしたちも、「ショッピング」を超えた、きっとみながそれぞれに楽しい時間を過ごせたと思う。そのときどきのメンバーで、そのときどきで一番の活動を実現できることが大切だと、改めて思う。
以下は、過去の参加人数と売り上げの記録だ。後日、ミューズに限らず、OWCやジャパン・ハッバなど、過去のバザールすべての数字に関する記録も、ひとつの資料に整理しようと思っている。
3年経って、記録された数字の変化に、意味が見えるようになってきた。数字の記録は、ホームページなどに残している叙情的な活動記録とは異なる着想を与えてくれるものでもある。
数字を眺めているうちに、数字に触発されて、楽しいアイデアが閃くこともあるだろう。
2012年 ゲスト 約60名 参加メンバー34名 売り上げ 62,850ルピー
2013年 ゲスト 約85名 参加メンバー36名 売り上げ 84,370ルピー
2014年 ゲスト約134名 参加メンバー34名 売り上げ 104,240ルピー
2015年 ゲスト約120名 参加メンバー35名 売り上げ 77,600ルピー
日本人 54名(昨年は70名)
インド人 48名(昨年は33名)
その他、米国人、フランス人、イタリア人、韓国人、台湾人、オランダ人、英国人、マレーシア人など。
今年、売り上げが少なかったのは、外部の魅力的なヴェンダーが増えたことで、そちらにゲストの関心が寄せられた、ということもあるかと思う。
敢えて来年のテーマを掲げるとすれば、我々ミューズ・クリエイションの作品と、NGOの出店には、社会貢献の意味合いもあるということを、大きくアピールすべきかもしれない、ということだ。
今、参加メンバーからの感想文も次々に寄せられている。それらがまた、次回の活動の大いなる参考となる。出店ヴェンダーへのお礼のメールを送ったところ、そちらからもやはり、お礼の返信が戻って来ている。どのメールにも「来年もまた、参加させて欲しい」とのコメントがある。
メンバーのサポートに感謝する言葉あり。売り上げは芳しくなかったけれど、楽しいひとときだったとの感想もあり。
小さな活動ながら、確実に、日本とインドを結び、関わり合う大切なひとときが育まれていたことを、うれしく思う。
今後も、無理をしすぎない程度に、アットホームな雰囲気を残しながら、このバザールを続けていきたい。そのためには、メンバーのみなさんの理解と協力がとても大切。メンバーは変われども、主旨を理解してくれ、前向きに活動をしてくれる方々とともに、これからもミューズ・クリエイションを育んでいければと願う。
【過去のミューズ・チャリティバザールの記録】