◎今年で15回目を迎えた毎年恒例のジャパン・ハッバ (JAPAN HABBA)が、無事に終わった。HABBAとは、地元カンナダ語で「祭り」を意味する。即ち「日本祭り」だ。そもそもは、当地の日本語教師会や日本語を学ぶ学生たちなどが中心となって始められたが、規模は年々拡大。今年は6000名もの来場者を数えたという。
◎ミューズ・クリエイションとしては今回7回目の参加。個人的には、過去に2回、ステージの司会を務めたこともあるなど、ミューズ・クリエイション設立以前から、少なからず関わってきたものとしては、年々拡大する規模に、感嘆する。同時に、バンガロールにおける日印交流の象徴的なイヴェントに育っている現在、運営や支援、協力の体制を、よりしっかりと整える必要があるようにも思える。
◎年末から年始にかけては、このイヴェントの準備が活動の中心となる。ちょうどチャイニーズニューイヤーに重なった今年は、ジャパン・ハッバを終えてようやく一区切りがつき、新年を迎えたような気分である。公私ともに、新しいスタートを切った今週だが、ジャパン・ハッバ当日の記録を残しておく。
◎毎年毎年、同じようなことを記してはいるが、毎年恒例のイヴェントとはいえ、2度と同じ環境と条件が繰り返されることはない。共に過ごすメンバーにしても然り。「最初で最後の気持ち」で、大切な1日を過ごすべく、今年も当日を迎えた。
◎メンバーの入れ替わりが激しいミューズ・クリエイションでは、「過去の経験を反映させる」に際し、坂田が伝え続ける以外、方法がない。しかし毎度毎度、口頭や通信であれこれと伝達するには限界がある。イヴェントのたびに、諸々を取り仕切るのはかなりの労力を要するので、メンバーには、こうして残すブログを読み返してもらったり、イヴェントのたびに参加者から募っている感想文のファイルを送付して読んでもらうなどしている。
◎記録はまた、去り行くメンバーにとって、大切な思い出ともなる。帰国後、バンガロールを思うとき、このブログを見てミューズ・クリエイションでの活動を懐かしんでいる人たちが少なからずいると聞く。ゆえに今年もまた未来のために、写真と共に記録を残す次第だ。
◎今年の会場は、去年に引き続き、IISc(インド理科大学院)、通称TATAインスティテュートの中にある講堂。インド大財閥、タタ・グループの創設者であるジャムシェトジー・タタによって創設されたことから、そう呼ばれている。義兄ラグヴァンが20年以上、同大で教授をしており、住まいもキャンパス内にあることから、折に触れて訪れている。あたかも国立公園の中のような、広大な緑のキャンパスが広がっており、非常に環境がよい。
◎ミューズ・クリエイションのメンバーの多くは、他の活動も積極的にされている。茶道や着付け、書道、子供のグループなど、あちこちのサポートをしつつ、午後のステージパフォーマンスでは、ダンスやコーラス、寸劇などに出演されることから、毎年、ミューズ・クリエイションの販売ブースの人数を確保するのに苦戦する。
◎今年は早い時期から、メンバーの家族や友人の参加も募っていたことから、のべ40名を超える関係者が交代しつつ、販売や書道、折り紙のデモンストレーションに関わってくれた。
◎毎年午後のステージ出演のころには人手が足りなくなることから、販売ブースを閉じていたのだが、今年は閉会間際までオープンすることができ、史上最高の売り上げともなった。年末のOWCクリスマスバザールの成果が芳しくなかっただけに、これは喜ばしい結果だった。ミューズ・クリエイションの活動においては、売り上げを重視しないと言いつつも、やはり売り上げが多いとうれしいものだ。
◎書道ブースは、年々需要が拡大。昼近くになると、列を作って並んでもらうほどの大盛況となり、今年は多めに300枚以上の短冊を用意していたが、昼過ぎには完売した。受付担当メンバーも、筆ペン片手に書き続けるメンバーもてんてこ舞いだ。
◎「名前の当て字」を書くのが主流だが、こうした言葉を選んでもらう準備もしている。弁財天は、ヒンドゥーの女神「サラスワティ」が起源。大自在天は「シヴァ神」が起源だ。
◎毎年、妙な言葉のリクエストがあるのだが、坂田が担当した中では、今年「我慢」が意表をついた。「なぜ我慢なの?」と尋ねたら「夢や目標を達成するには、我慢しなければならないことがたくさんあるから」らしい。ふむふむ。
◎一方で女子らはのびのびと強い言葉を選ぶ。これはもう、ここ4、5年の趨勢だ。インド女子のパワーを垣間見る1日でもある。
◎この短冊書道は本当に人気が高い。1枚50ルピーが飛ぶように売れて行く。「筆ペンと、紙さえあれば、生きていけます吟遊詩人……」などと、思わず適当な歌を口ずさんでしまう。浴衣姿ならなおよし、というところか。発展系で詩歌なども詠みつつ、「人間だもの」改め「インドだもの」シリーズを構築するのもいいかもしれん。などと、阿呆な夢想をするも愉し。
◎メンバーのハズバンド、「折り紙師匠」が大活躍! 手の込んだ作品を提供してくださっただけでなく、来訪者へ丁寧に折り紙を教えてくれるなど、貢献してくれた。
◎午後には、メンバーのお嬢さんやそのお友達が、折り紙指導に大活躍! 手裏剣など、手の込んだ折り紙の作り方を的確に指導。「彼女は、まるで先生みたいだ!」と感嘆するインド人青年ら、真剣に教わっている。折れないメンバーも、教わっている。ほほえましい。
◎今年のジャパン・ハッバのテーマは「七夕」につき、七夕飾りなども準備。季節外れの七夕を演出すべく、切り紙や折り紙、短冊などを準備したが、こちらの売れ行きは芳しくなく……。「七夕とは?」を英語で記したフライヤーも準備したが、コンセプトを理解してもらうのが難しかった。まだ七夕まで半年あるので、在庫は今後、有効活用するつもりだ。
◎自作のかわいらしい「ひな人形飾り」を購入してもらってハッピーなメンバーとハッピーなカスタマー❤︎
◎「マッチ売りの少女」ならぬ「こま売りの少年」は、籠を携えたまま行方知れずだったが、探しに行ったところ、キッズ・プレイエリアで完売していた! Good job!!
◎会場では、在ベンガルール日本総領事館主催のコスプレ・イヴェントも開催されていた。運営に携わった袴姿(よくお似合い)の日本男児ら、ランチを購入中。日本料理店などが多数ひしめきあったフードコートは、喧騒の大賑わいであった。
◎夫と義理の両親も来てくれた。ランチを食べたあとは、ホールでパフォーマンスの鑑賞を楽しんでいた。
◎毎度おなじみヤクルト。ブルーのキャップは甘さ控えめ。この日は2本も飲み干した。
◎ミューズ・クリエイションのお隣は、去年に引き続きインド日清のブース。毎朝、『まんぷく』を見ていることもあり、ラーメンに親近感を覚える。
◎実際にやかんを持っているようにしか見えない、この紙袋のクオリティ! 熱っ!!
◎こちらも毎年恒例、マンガロールの無添加お味噌やさん。今年は醤油や塩麹などの新商品もたっぷりと用意されていて、思わずあれこれと購入。味見をさせてもらったが、年々味わいが向上しているのがわかる。醤油のうまみにも感嘆した。料理に使うのが楽しみだ。
◎茶道のコーナーでは、ミューズ・クリエイションの朝組メンバーがお点前を披露しているところだった。子供達もお菓子を配るなど大活躍。かわいい。
◎書道体験コーナーでも、ミューズ・クリエイションのメンバーがお手伝いしていた。みな、持ち場を行ったり来たりで大活躍だ。
◎充実のパフォーマンス・プログラム。商品の販売や自分たちの出演準備で、じっくりと他の参加者のパフォーマンスを見る余裕はなかったが、会場からは時折、拍手や歓声があがり、盛り上がっている様子が伝わってきた。
◎満席のホール。ミューズ・クリエイション朝組メンバーの2人が、インドを代表する伝統舞踊のひとつ、バラタナティアムのダンスを披露している。
◎日本からのスペシャルゲスト、藤間蘭黄氏による日本舞踊のパフォーマンス。
◎今年創設20周年を迎えるバンガロールの混声合唱団、ロイヤルエコーのパフォーマンス。地元カンナダ語の歌唱で大いに盛り上がった模様。ミューズ・クリエイションのメンバーでもある志乃さん、キュートな笑顔で熱唱中😃
◎ミューズ・クワイア&ダンサーズもまた、会場を大いに盛り上げた。クワイアは「見上げてごらん夜の星を」と「にじいろ」を披露。ダンサーズは、「Pinga」という曲を披露した。
◎「Pinga」は、大人気のボリウッド女優、プリヤンカ・チョプラとディーピカ・パドゥコーネという絶世の美女二人が主演した映画の中で使われた曲ということもあり、イントロが流れ始めた瞬間から観衆が沸いた。踊りもさることながら、「安くて見栄えのする衣装調達すべくローカル探検」の成果もあって、とても華やかな印象になった。
ローカルの商店街を歩いてあれこれ悩んで衣装を選び、試行錯誤をしつつ着付けを考え、踊りの練習以外にも楽しい時間を過ごしたダンサーズであった。踊りについては、個人的には反省点が多々あれど、会場は大いに盛り上がり、なによりメンバーがみな本当に楽しく気持ちよく踊れていたので、本当によかった!
毎年、なんだかんだで反省点やら改善点はあるものの、メンバーだけでなく家族も参加して、日本に関心を持つインドの地元の人たちと交流を図れるこの日は、とても貴重だ。もちろん、メンバー同士が交流を図るという意味においても意義深い。
インド・ビジネスを成功させるには、働く本人だけでなく、取り巻く家族のインド・ライフの充実も、基本的な条件だ。こうして有意義な時間を共有できる環境があることは、とてもありがたいことだ。
今年で7周年を迎えるミューズ・クリエイション。
これからも地道に、地域社会や日本人社会と、前向きな交流を図り続けたいと改めて思う。