例年ならば、各所でのクリスマスパーティにミューズ・クリエイションのバザール、慈善団体訪問など、公私に亘りイヴェントが目白押しの師走。今年は社交も外出も激減しているはずなのに。そして潤沢に時間があったはずなのに。
どういうわけか、瞬く間に歳月が流れた。
まだ先だと思っていたアールヴェーダグラム行きを日曜日に控え、今週は自宅で2020年を締めくくる最終週。
予定していた今年の仕事を終了せぬまま、緩々と、一年を終えることになりそうだ。せめて、ミューズ・クリエイションの主宰者としては、誰かの心に刻まれるなにかをやっておきたく、今年は2つの慈善団体にクリスマスプレゼントを届けることにした。昨日はその準備のため、今年最後のメンバーとの作業。
いつもなら、子どもたちと遊ぶなど交流を図ったうえで、寄付金を託しているが、今年は遊ぶことができない。寄付金を贈るのは、とても意義深いことだ。しかし、お金には、「ミューズ・クリエイションらしさ」が映し出されない。
今年は、常々支援の機会をもらっている「JAGRUTHI」と「NEW ARK MISSION」に絞って、ハンディクラフトのメンバーが作ってくれた作品を渡すことにした。子どもたちにとって、うれしい贈り物にするために、一人一人に「福袋」的なバッグを用意した。以前、STUDIO MUSEの動画で紹介した「レスキューバッグ」と似たコンセプトだ。
慈善団体の子どもたちの多くは、「自分だけのもの」を所有する機会が少ない。寄付されたものを皆で共有するケースが多数で、衣類などもおさがりが多い。だから敢えて、「子どもたち一人一人」を意識した、贈り物にした。
「JAGRUTHI」のスタッフには、子どもたちの名簿と年齢のリストを送ってもらい、それぞれにメッセージカードや毎度おなじみ名前の当て字短冊も用意した。子どもたちだけでなく、スタッフやヴォランティアの人たちにも、ミューズ・オリジナルTシャツなどを贈ることにした。
「NEW ARK MISSION」からも子どもたちの名簿を送ってもらったが、70名と極めて多い。
リストを眺めながら、目頭が熱くなってきた。まだ名がない新生児が2名。ここにいる子どもたちの大半が、ストリートチルドレン。生まれてすぐ捨てられる子どもたちも少なくない。妊娠中に収容された女性が出産するケースもある。
彼らにはパンデミックが落ち着いてから、改めて遊びに行き、直接何かを託すことにした。ただ、創業者のオート・ラジャとその妻、そして二人の娘とその夫たち、ラジャの弟夫婦に、ギフトバッグを用意した。
彼らは、ホームに暮らす何百人もの人々とともに「家族」として生きている。娘のブレッシーとレベカは、生まれた時からずっと、収容された人々の世話をし、家族として生きてきた。わたしが最初に訪れたときにはまだ子どもだった二人は、成長するにつれ、わたしたちが訪問する際のサポートをしてくれるようになった。
二人とも大学を卒業し、そしてつい最近、結婚した。妹のレベカは10月に結婚式だったが、何のお祝いもできていなかったので、そのお祝いも兼ねてのプレゼントだ。
メンバーが作ってくれた小物やアクセサリーなど……。きっと喜んでもらえるに違いない。
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COVID-19対策の一環として、諸々の行政指導があるらしく、子どもたちに手渡すことはできないが、明日は静かにサンタクロースとなろう。
ところで「JAGRUTHI」や「NEW ARK MISSION」などの詳細は、STUDIO MUSEの動画で紹介している。コメント欄のリンクから、ぜひご覧いただければと思う。
そしてもしも、クリスマスに誰かに何かを贈りたいと思われたら、どうぞ慈善団体への寄付をお願いしたい。これらの団体に限らず、他にも支援を望んでいる人たちは大勢いる。
💘どんなにささやかでも、誰かが喜んでくれることを願う気持ちは、相手に伝わると思います。そしてそれは、自分自身の心の助けにも、多分、なります。何らかの寄付をお考えの方は、寄付先やその手段など、坂田がご相談に乗りますので、ご一報ください。クリスマスに限らず、いつでも歓迎です。