坂田が2012年にバンガロールで立ち上げた慈善活動のNGO。本日のClubhouse(🇯🇵午後8時、🇮🇳午後4時30分〜)では、インドにおける社会貢献、慈善活動の実情について、お話ししようと思う。
子どものころから「協調性がない」と言われ続けた「独立独行」な性分。大人になってからも自分のキャリア構築を最優先にしてきたわたしが、なぜインドに移住した直後から、一人で慈善活動を始めることになったのか。そしてミューズ・クリエイションを創設するに至ったのか。
しかも、米国在住時にはほとんど関わることのなかった駐在員夫人を中心とした日本人コミュニティの人たちと……。
COVID-19共生世界に突入した昨年までの8年間に亘り、毎週金曜日は自宅をオープンハウスにし、のべ228名のメンバーと、多彩な活動を重ねた。昨年は、オンラインで旧メンバーらとも再び繋がり、STUDIO MUSE(Youtubeチャンネル)で共に作品を作った。
自分でも自分がよくわからないと思いながら、気がつけば9年。一人で活動をしはじめてからは14年。この間に得た経験はまた、かけがえのない人生の宝だ。以下、これまでの活動を振り返るべく、リンクをまとめてみた。まだまだいろいろあるが、尽きないので、ほどほどにしておく。
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❶ミューズ・クリエイション。その目的と活動
❷ミューズ・クリエイション活動の記録(ブログ)
❸メンバーシップとチーム構成、活動ルール
❹オンライン情報誌バンガロール・ガイドブックからの抜粋
❺坂田マルハン美穂からのメッセージ
❻YOUTUBEチャンネルより、ミューズ・クリエイション関連の動画
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❶ミューズ・クリエイション。その目的と活動
ミューズ・クリエイションは南インドのデカン高原南部にある都市バンガロールにて、2012年に創設された、日本人有志による慈善活動のNGOです。
【目的】
●インド(バンガロール)における、地域社会との交流。貧困層への支援。
●インドの社会、文化、習慣などに対する開眼と理解。
●メンバー同士での情報交換など、異国での暮らしを少しでも快適にすべく互助。
●「創造力」の発掘と活用。楽器の演奏、ダンス、歌、手芸、料理、図画工作……。日本ではなかなか披露する機会のない「特技」を積極的にアピールして、自分自身の再発見を。
【活動】
●創造:毎週金曜日、歌ったり、作ったりと、クリエイティヴな時間を楽しむ。
●販売:メンバーによる手工芸品や、NGOが制作する商品をバザーなどで販売。
●寄付:地元の慈善団体に、バザールの収益金を寄付。日用品なども託す。
●交流:慈善団体で、歌や踊りを披露。折り紙の教授やゲーム遊びなどの交流。
●学習:各種ライフスタイルセミナーの実施。有意義に生活するための情報提供。
●娯楽:サリー・ランチ、季節のパーティ、ピクニック、観光、買い物ツアーなど、メンバー同志の交流を深めるイヴェントの実施。
❷ ミューズ・クリエイション活動の記録(ブログ)
(1) 慈善団体、学校訪問など(のべ60回の訪問記録)
➡︎http://www.museindia.info/museindia/mc02a.html
(2) 各種バザール、イヴェントの企画、出店、出演
➡︎http://www.museindia.info/museindia/mc02b.html
(3) メンバー向け特別企画: 各種アクティヴィティ
➡︎http://www.museindia.info/museindia/mc02c.html
(4) 受賞、栄誉、その他
➡︎http://www.museindia.info/museindia/mc02d.html
❸ メンバーシップとチーム構成、活動ルール
●活動に際してのチーム構成
メンバーが、各々の得意分野を生かした活動ができるよう、チームにわかれて活動しています。兼部や転部も可能。毎週金曜日、「ステュディオ・ミューズ STUDIO MUSE」と称されたオープンハウス(バンガロール市内コックスタウン)で活動します。メンバーは自由に出入りし、それぞれに交流を深めつつ、自らのペースで、音楽、創作活動に携わります。
〈チーム・ハンディクラフト〉TEAM HANDICRAFT
紙製品、布製品、アクセサリー、小物類など、あらゆるジャンルの手工芸品を制作。バザールなどで販売する商品のほか、慈善団体訪問時の子どもと遊ぶ手づくり玩具なども手がけます。
〈ミューズ・クワイア〉MUSE CHOIR
女声合唱団。慈善団体訪問時や各種イヴェントの際にコーラスを披露しています。伝統的な合唱曲、ポップス(歌謡曲)、ゴスペルなど、さまざまなジャンルの歌を練習します。
〈ミューズ・ダンサーズ〉MUSE DANCERS
兼部用チーム。イヴェントの前に結成され、ボリウッドダンスなどを練習。ミューズ・クワイアの歌に合わせて踊ることもあります。
〈エデュ・ミューズ〉EduMuse
兼部用チーム。「異国に育つ子どもの未来」を考えるべく、学校情報や子どもの生活情報を整理。帰国子女問題などにも取り組みます。
〈チーム・フレックス〉TEAM FLEX
当地で勤務している人、あるいは学生、インターン生などから構成されているフレキシブルなチーム。慈善団体訪問のほか、バザールやイヴェントにも参加。ビジネスセミナーや各種勉強会なども実施しています。
【ミューズ・クリエイションのルール】
*積極的に活動できる方を歓迎します。活動の基盤となるSTUDIO MUSEは、毎週参加の必要はありませんが、長期不在時を除き、少なくとも1カ月に1度はご参加ください。イヴェントや慈善団体訪問のみの参加は、基本的に受け付けません。
*基本的には「大人の集い」です。ステュディオ・ミューズへの、小さなお子様のご同伴はご遠慮ください。ナニー同伴の場合は、その限りではありません。なお、まだ歩けない乳児はお連れいただいて構いません。
*ゴシップその他、ネガティヴな噂話はご法度です。ミューズ・クリエイションは、「創造すること」を軸に、ポジティヴで楽しい時間をシェアすることを一つの目的としています。インドの生活においては不満も多く、また狭い日本人コミュニティの中では、他者の中傷を含む噂話も錯綜しやすいことだと思います。しかし、そのどちらをもに煩わされない、楽しく有意義な時間を過ごしていただくことを最優先に考えています。同じ日本人同士とはいえ、年齢層も幅広く、バックグラウンドの異なる人たちが集まっての活動です。ご赴任、ご帰任と、メンバーの入れ替わりも多く、不安定な環境の中、しかし常に居心地のよい活動を続けられる環境づくりを目指しています。この点にご賛同いただける方のみ、参加していただきたく、よろしくお願いします。
*ネット上での写真公開についてご理解を。ミューズ・クリエイションでの活動記録は、随時、Facebookやブログに公開しています。活動内容を臨場感あるものにするためにも、基本的には、メンバーの顔が映った写真を掲載しています。写真の公開に関して不都合がある方は、あらかじめ、その旨をお知らせください。
❹オンライン情報誌バンガロール・ガイドブックからの抜粋
【ミューズ・クリエイションオンライン情報誌/バンガロール・ガイドブック】
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore.html
🌏バンガロール生活マップ/更新停滞中だが、非常に便利。在住者の協力をお待ちしています。
➡︎https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1qhJ-t0sZoExPfFBws5luJJ-wtrKb5xWD&usp=sharing
●メドライクの重光真氏をお招きしてのビジネス勉強会
*ミューズ・クリエイションのチーム・エキスパッツ企画。Make in India, Sell in Japanへの挑戦。インド製薬会社メドライクを買収したMeiji Seika ファルマのプライスレスなお話(2018年9月)
●安川電機のインバータ製造工場見学記
*ミューズ・クリエイションのメンバーによる安川電機 YASKAWA INDIAのインバータ製造工場見学の記録。(2018年8月)
●横河インディア社長の村田努氏をお招きしての勉強会
*ミューズ・クリエイションのチーム・エキスパッツ企画。横河インディアで10年以上勤務されていた村田氏の貴重なお話(2017年3月)
●TANISHQジュエリー工場見学。改革の現場をつぶさに
*ミューズ・クリエイションのメンバーと、インド最大のジュエリー会社、タタグループのTANISHQの工場を見学。金塊を持ち上げる稀有な体験もさることながら、起死回生のビジネス再建のストーリーがかなり興味深い。ぜひご一読を! 先方の要望により、検索エンジンにかからぬよう、限定公開としています。名前:incredible パスワード:india (2015年12月)
●遍く子どもに給食を。食事が育むインドの未来
*世界最大の給食センター、アクシャヤ・パトラは、バンガロール拠点のヒンドゥ教の寺院であるイスコン・テンプル(ISKCON TEMPLE)が母体。この訪問を機に、同団体が催す各種イヴェントに参加するなど、現在も交流が続いている。(2012年9月)
【在バンガロール日系企業による CSR(企業の社会的責任)の実践例】
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore-csr.html
【ミューズ・クリエイションが支援するバンガロールの慈善団体一覧】
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore-charity.html
経済成長が取り沙汰されて久しい昨今のインド。しかし社会的な因習や、その土地土地の文化によって、長年に亘って受け継がれてきた「著しい貧富の差」という負の遺産は、深刻度を増しています。 バンガロールには、虐げられた環境にある人々を救済すべく、 無数のNGO、慈善団体があります。ここでは、その中からミューズ・クリエイション、もしくは坂田個人が訪問をしたことのある場所をご紹介しています。2014年度に施行されたインドの新会社法では、企業のCSR活動に対する支出義務が規定されました。
(1)純資産50億ルピー以上 (2)売上高100億ルピー以上 (3)純利益5000万ルピー以上
上記の1つに該当する企業は、直近3年間の純利益の平均の2%以上をCSR活動に支出しなければならないというもので、日本企業も例外ではありません。これによって、ある一定条件のもとにある企業は、CSR活動を開始していますが、それでも日系企業は、他国の外資系企業に比して、CSRへの取り組みが消極的との印象を受けます。金銭的支援はもちろん大切ですが、日本人駐在員が自ら慈善団体などの支援先を訪問して現状を目撃し、体験することも、極めて意義深いと考えます。坂田がいくつもの慈善団体を訪問して実感するのは、それを積極的に実施している欧米企業は多いということ。もちろん、大多数の支援はインド人/インド企業からなるものですが、欧米企業もまた、社員自ら、施設の補修工事や、ペンキ塗りを手伝ったり、子どもたちに英語やコンピュータの指導をしたりと、業務の一環としてCSR活動を行っているところが多々ありました。現場を体験した上で、何が問題なのか、何が望まれているのか、また未来へ連なる投資(寄付)はどうあるべきなのか……ということについても、考えが広がると思います。企業のCSRの一環として、子どもたちの社会科見学として、あるいは個人で、ご家族で、ご友人で……。訪問を希望される団体の連絡先などは、お問い合わせください。自分たちだけではちょっと心もとないという場合には、当方も同行しますので、どうぞ「お気軽に」お問い合わせください。[email protected]
01. NEW ARK MISSION -HOME OF HOPE-
●路上で瀕死の状態にある人々を救済しているホーム
02. OBLF: One Billion Literates Foundation
●貧困層子女が通う公立学校にて、英語教育の支援
03. Dominican Sisters of the Presentation
●インディラナガール界隈のスラムに暮らす女性と子どもたちの支援
04. JAGRUTHI
●コックスタウン周辺スラムの子女向け学校運営、及びHIVの子どものホーム
05. Karunashraya: Bangalore Hospice Trust
●ステージ4以降の患者を無償で受け入れるホスピス
06. JYOTHI SEVA SOCIETY
●貧困層の盲目の子どもたちを受け入れるホーム
07. ASHWINI CHARITABLE TRUST
●スラムに暮らす子どもたちのための学童。教育支援センター
08. AKSHAYA PATRA
●イスコン寺院が母体の、世界最大の給食センター。無償でランチを支給
09. The Bangalore Education Trust
●ヤラハンカにある貧困層子女向けの無償の学校
10. CUPA: Compassion Unlimited Plus Action
●動物保護施設団体。クリニックの運営ほか、野良犬、野良猫の里親斡旋
11. Deena Seva Charitable Trust
●HIVポジティヴの子どもたちのホームと医療施設。学校も併設
12. Freedom Foundation
●貧困層のHIVポジティヴの人たちのための医療施設
13. SKID: Sheila Kothavala Institute for the Deaf
●貧困層向けの無償の聾学校
14. Others
●現在、訪問はしていないが、過去、訪れていた団体
【メンタルヘルスケア/異国での生活でストレスを抱え込まないために】
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore-mentalhealth.html
心の不調は、どこに住む、誰にでも、起こり得ることです。とはいえ、母国を離れ、異郷の地で暮し働く人には、母国でのそれよりも遥かに、深刻な状態になることもあります。ここでは、異国に暮らす日本人が陥りやすいストレスの例を挙げながら、どのように対処すればいいのかについて、専門家による提言や、メンタルヘルスに関する書籍や情報サイトの言葉を引用しつつ、まとめています。今後、バンガロール在住の日本人のみなさんから、体験談などを募って紹介する予定です。どうぞ参考になさってください。
★この項では、あくまでも、バンガロール生活になじめない人たちを想定して、事例を挙げつつ、対策をご紹介しています。バンガロールはインドの中でも極めて暮らしやすい環境にあり、他の先進諸国とは異なる利点や楽しさも多々あります。最初は戸惑いつつも、この地でのびのびと楽しく暮している方も、たくさんいらっしゃるということを、あらかじめ記しておきます。
[CONTENTS]
●海外赴任者とその家族が見舞われるストレスの例
●海外赴任者が直面するトラブルの、根源的な要因
●海外赴任者がかかりやすい心の病気
●心が疲れている兆候が感じられたときには……
●ストレスをためないために。ストレス・コーピング
●健全な心身維持のために、バンガロールでもできること
💝異国に暮らし働くことについて/坂田の個人的な体験と、伴う私見
わたしは、1988年に海外旅行誌の編集者となり、以来、海外取材を重ねてきました。1996年に米国へ移住してからは、20年以上に亘り、海外に暮らす日本人関わり、その心の問題に、思いを巡らせる機会がありました。思い返せばわたし自身、経験を重ねるに伴い、物事の見方や考え方が変化してきたように思います。私事ながら、この項では、今のわたしがミューズ・クリエイションを創設したり、日本人の駐在員夫人と活動を共にしはじめた契機となった出来事のいくつかを、書き残しておきます。
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore-personalmatter.html
💝インドでは働きたくても働けないあなたへ/家族帯同ヴィザで赴任した妻の課題
インドに限らず、大半の国は、就労ヴィザを持たない帯同者の就労を認めていません。仕事を辞めて赴任した人の多くは、慣れない異国での暮らしに加え、専業主婦になることへの違和感、帰国後の仕事復帰に対する焦燥感など、さまざまな問題を抱えているようです。一方、赴任前と赴任後では、環境の変化に伴って、心境の変化を経験している方もいらっしゃいます。ここでは、駐在員夫人の率直な経験談をシェアすると同時に、関連情報を徐々に増やしていく予定です。
●日本での復職を考える座談会 実施レポート
by Team EduMuse, Muse Creation 30th September, 2019
夫の海外駐在に伴い、仕事を辞めて駐在員夫人として帯同。職種や離職の経緯は異なれど、「帰国後の復職」については、みなそれぞれに、不安を抱えています。今回、「思いを吐露しあう場」としての座談会(2019年9月)を実施しました。共感あり、笑いあり、涙あり、驚きあり、怒りあり、納得あり……と、喜怒哀楽も豊かに、総じて有意義な時間でした。ここでは、当日の座談会の内容を整理してレポート。赴任先を問わず、帯同赴任をする女性たちにとって、参考になる内容に違いありません。参加者の許可を得て、ここに公開します。日本での復職を考える座談会
➡︎http://www.museindia.info/museindia/bangalore-wives03.html
❺坂田マルハン美穂からのメッセージ
🌻創造と慈善活動を通して、新たな視界を開く。(2018年7月、OWC*会報誌へ寄稿)
十年に亘る米国での生活を経て、2005年11月、わたしはインド人の夫とともに、バンガロールへ移り住んだ。インドで生活を始めるまでのわたしは、東京で、ニューヨークで、自分のビジネスキャリアの構築に専心する歳月を送っており、ヴォランティア活動には、さほど関心を持っていなかった。
しかし、バンガロールで生活を始めた直後から、街の至るところで目にする「貧困の現実」を看過することが困難になりはじめた。何かを、やらなければ。そうは思っても、具体的になにをすればいいのか、すぐには思いつかなかった。
2007年11月。わたしはOWCのマンスリースピーカー・ミーティングに出席した。講師は、バンガロールで孤児院「アガペ・チルドレンセンター」を運営するルーベン牧師。彼が語るストリートチルドレンや採石場の労働者、ヒジュラー(第三の性)の生活に関する具体的な話は、いずれも非常に衝撃的な内容だった。彼の話を聞きながら、著しく劣悪な環境のもとで暮らしている人々に対し、わたし自身、たとえささやかでも、何らかの貢献をすべきであると痛感した。
彼は、わたしたちがすぐにでもできることとして、いくつかの提案をしてくれた。その一つは、物乞いの人々には、現金ではなく、食べ物を渡しなさい、ということだった。以来わたしは、小さなパッケージ入りのビスケットをまとめて購入し、車に常備している。信号待ちのときなどに、物乞いが近寄ってきて車窓を叩いたら、小さく開いて渡すようにしている。
ルーベン牧師の話を聞いた翌月、わたしは、子供たちに会うために、単身、アガペ・チルドレンセンターを訪れた。当時わたしは、西日本新聞に月に一度、『激変するインド』というコラムを連載していたことから、その取材と称して、訪問することにしたのだった。正直なところ、自分の中で、そのような「名目」を作らないことには、足を運ぶ勇気が出なかった。
かつてストリートチルドレンだった少女たちと、ルーベン牧師の一家が、一つの大家族として同じ屋根の下に暮らす様子は、わたしにとって衝撃的な光景だった。
ちょうどそのころのことだ。ある日、車で市街を走っていた時のこと。信号待ちのとき、目の前に停車していた一台のバスの後部に書かれた文字が目に止まった。
“Feeding a hungry child is not charity. It’s our social responsibility.”
「空腹の子供達に食事を与えることは慈善ではありません。わたしたちの社会的責任です」
それは、貧困層の子供たちに無償でランチを供給している世界最大の給食センター、アクシャヤ・パトラの給食バスだった。飢えた子供たちをなくすことを目標に設立されたNGOである。
この一文に、わたしは心を射抜かれた。
その直後から、わたしは自宅で数カ月に一度「チャリティ・ティーパーティ」を開き始めた。日本人駐在員夫人を自宅に招き、インドの生活に関するセミナーなどを実施。そのときに集めた参加費や不用品を、その後、地元の慈善団体を訪問して寄付するという活動を開始した。5年ほど続いたこの活動が、ミューズ・クリエイションの基盤となっている。
2012年6月、わたしはミューズ・クリエイションを立ち上げ、2015年にはNGOに申請した。ミューズ・クリエイションは、バンガロールに暮らす日本人の創造力を生かした活動を通して、地域社会へ貢献することを目的としている。
現在は、手工芸作品を製作するチーム・ハンディクラフト、コーラスやダンスを披露するミューズ・クワイア&ダンサーズ、そして働く男女からなるチーム・エキスパッツという、大まかに3つのチームに分かれて活動している。
毎週金曜日、拙宅をオープンハウスとし、「スデュデイオ・ミューズ」と称した活動の場を提供している。メンバーは、手工芸を製作したり、歌やダンスの練習をするのはもちろん、「交流の場」としての役割も果たしている。慣れないインド生活で役立つ情報交換の場。一時帰国から戻ったとき、自宅以外に「ただいま」「おかえり」と言い合える安息の場。メンバーそれぞれにとって、心地のよい場所であればと願っている。
ミューズ・クリエイションは、年に一度、大規模なチャリティ・バザールを実施しているほか、OWCのクリスマスバザールを含む、いくつかの地元のバザールに出店・出演している。すべての収益は、バンガロールにあるさまざまな慈善団体に寄付している。慈善団体を訪問し、地元の人々と交流を図ることは、ミューズ・クリエイションのメンバーにとってもかけがえのない経験となっているに違いない。
また、ミューズ・クリエイションでは、ハンディクラフトのワークショップやローカルのショッピングツアー、サリーを着用してのランチ会、ビジネスセミナーなど、さまざまなイヴェントも企画、実施している。
ミューズ・クリエイションの創設以来、まもなく6年になる。この期間、180名を超えるメンバーが在籍し、常時40名以上のメンバーが活動をしてきた。メンバーの中には、日本では経験したことのない手工芸やコーラス、あるいはダンスに挑戦する人もいる。新しい試みはまた、インドでの生活を豊かにする一助になっているとも思う。
昨年、日本へ一時帰国した際、東京と名古屋で、ミューズ・クリエイションの5周年同窓会を実施した。旧メンバーが幹事を引き受けてくれ、両都市で、懐かしい人たちとの再会が実現したのだった。同じ時期、バンガロールにいた人たちはもちろんのこと、異なる時期に暮らし、互いに面識がないにもかかわらず、同じ土地の同じグループに属していたというだけで、みな瞬時に打ち解けあい、親しげに会話が弾んでいる様子を見るのは、本当にうれしいことだった。
また、みなが異口同音に、バンガロールでの生活において、ミューズ・クリエイションの存在は大切だったと言ってくれたことは、本当に光栄なことだった。これからも続けていこうという思いに、力を添えてくれた。
長期間に亘り、多くの人たちと活動を共にするのは簡単なことではない。しかしこれまで、ミューズ・クリエイションを通して得てきた経験や成果は、決して一人では実現することができないことばかりだ。
これから先も、ミューズ・クリエイションが、そのときどきに在籍するメンバーのひとりひとりにとって、有意義な活動の場であり続けることを願っている。
*OWCとはOverseas Women’s Clubの略。バンガロールに在住する外国人女性たちのためのグループで、日本人も、もちろんメンバーになれる。
🌻Gaining a new perspective through creativity and volunteering.
(Article for OWC “The Rangoli” July, 2018)
After living in the U.S. for ten years, I moved to Bangalore with my husband in November 2005. Until I started to live in India, I had spent my life building my own business career in Tokyo and New York, and was not very active in volunteer activities. However, as soon as I settled in Bangalore, I couldn’t ignore the poverty that can be seen all around the city. I felt that I should do something to make a difference, but I could not immediately think of what specifically to do.
In November 2007, I attended OWC’s Monthly Speaker Meeting. The speaker was Pastor Dr. Reuben, who runs a home, “Agape Children Centre” in Bangalore. His story about the lives of street children, stone-breakers (quarry workers), and eunuchs (hijra) was truly shocking for me. I felt that I should contribute for people who are living in extreme and deprived environments. One of the suggestions that Dr. Reuben gave us, was to not give cash to beggars. He said that it would be better to give food or clothes, instead of money. Since then, I have made it a practice to buy a lot of small packets of biscuits for beggars, and always keep some in our car.
In the next month, I visited “Agape Children Centre” alone, and met their children. My purpose was to write a visit record for a Japanese newspaper, but in reality, I was very nervous and it needed courage to go there. It was an eye opening experience to communicate with Pastor Reuben’s family and the girls, who were once street children, living under one roof as a big family.
Around that time, when I was driving around the city, a bus stopped in front of our car, while we waiting for a signal. My eyes caught a sentence written on the back of the bus.
“Feeding a hungry child is not charity. It’s our social responsibility.”
It was one of the buses of Akshaya Patra, which runs the world’s largest school lunch program with the aim of ending child hunger in India. That sentence triggered me to action.
Immediately after, I started to hold a “Charity Tea Party” at home, every few months. I invited Japanese expats’ wives to my home and held seminars, and shared useful information about living in India. I collected a seminar fee and donated items from participants, and visited local charities to donate them. This activity continued about five years, and was the foundation for the creation of Muse Creation.
I founded Muse Creation, a volunteer NGO, in June 2012. Muse Creation brings together the collective creative talent of our Japanese community in Bangalore. We have set up three teams: Team Handicrafts, Muse Choir & Dancers, and Team Expats (which focuses on familiarizing Japanese expats with the work and living culture of India). Through these creative activities, we wish to bring awareness, and to communicate with local underprivileged people.
Every Friday, I hold a workshop, called “Studio Muse” at home. Members get together for a creativity and social skills workshop. At the same time, it is a place to exchange information to help lead a better life in India, a place to build a social network, and a place to help each other in an unfamiliar living environment.
Muse Creation organizes annual charity bazaars, and participates in other community bazaars, including OWC’s Christmas bazaar. All the proceeds from the sales of our products are donated to various charitable organizations in Bangalore. Visiting them to communicate with local people, is a valuable experience for our members. We also organize various activities like handicraft workshops, local shopping tours, experiential lunches (for instance, lunches where members wear saris), business seminars, etc.
Members of Muse Creation always number 40 or more at any given point, and members enrolled in the past six years exceed 180 people cumulatively. There are quite a few members who challenge new activities that they have never experienced in Japan, such as learning handicrafts, dancing, and chorus music. These experiences enrich their lives in India.
Last year, when I went back to Japan, we held the fifth anniversary of Muse Creation in Tokyo and Nagoya with our alumni members. I met with over 50 past members at that time. Everyone told me that the activities of Muse Creation were an important part of their lives in Bangalore. The comments were a source of happiness and motivation for me.
It is not easy to bring together many people over a long period, to act in unison. However, what can be collectively experienced and achieved in Muse Creation, can never be realized alone. I sincerely hope that Muse Creation will continue to be an effective and impactful group through the active efforts of our members.
❻YOUTUBEチャンネルより、ミューズ・クリエイション関連の動画
🌸ミューズ・クリエイション8周年 ①創設背景②慈善団体訪問③イヴェント
🌸ミューズ・クリエイションの新しい幕開けMuse Charity Fest 2020
🌸実行委員紹介(1) 駐在員/帯同家族としてインドと縁のあるメンバー①宮村頼光②冨永道子③伊藤和子④野坂瑠美⑤佐々木亜也
🌸実行委員紹介(2) なにかしら、インドとご縁があるメンバー/⑥合志妙美 Taemi ⑦津田暁子 Akiko
🌸実行委員紹介(3) 古参メンバー木原志乃
🌸バンガロール同窓会/元ミューズ・クリエイションのメンバー&駐在員
🌸必見! バンガロール 帰国子女の座談会①
🌸必見! バンガロール 帰国子女の座談会②
🌸日系企業の社会貢献活動(CSR)をミューズ・クリエイションがお手伝い。
🌸MUSEMETAL/ メギツネ (BABYMETAL COVER) 歌ってみた&踊ってみた🎃ハロウィーン・スペシャル
🌸SHEILA KI JAWANI/ 約5年の歳月を経て、大人になった「子ども組」のダンス・メンバーと踊るセクシーなボリウッドダンス
【STUDIO MUSE スタジオ・ミューズ】Connecting INDIA & JAPAN
*そのほかにも、動画は盛りだくさん! ぜひこちらのチャンネルをご覧ください。
➡︎https://www.youtube.com/c/MuseCreationINDIA/