インド憲法の父、アンベードカルの131回目の生誕祭だった木曜日。久しぶりに、子供たちと「触れ合いながら」遊ぶ機会を得た。また、こんな日が迎えられたことが、とてもうれしい。
これまで幾度となく訪れてきたNew Ark Mission ~Home of Hope~。顔馴染みの子どもたちが、少し見ないうちにも大きくなっていることに、歳月の流れと子どもの成長の早さを感じる。
ミューズ・クリエイションを創設して以来、数カ月に一度は実施してきた慈善団体訪問。パンデミック世界に入ってからは、寄付などを託すためだけに何度か足を運んだが、実際に遊ぶことはできず、不完全燃焼だった。2019年11月、JAGRUTHIというスラム在住の子供たちの学校を訪れて以来、実に2年半ぶりだ。
今回は、当地の日系企業、KITO INDIA Pvt. Ltd.の駐在員であり、ミューズ・クリエイションのメンバーであり、さらには九州沖縄県人会の幹事でもあった木幡氏からのご依頼で、同社社員各位との訪問をコーディネートした。同社では毎年この日、インド各地のスタッフも集っての社内行事を行うとのこと。
通常はエンターテインメント性の高い行事を実施しているようで、慈善団体訪問やCSR(企業の社会的責任)の試みは初めてだという。社長含め、大半の社員が参加されていた。
常々記しているが、訪問される側は来訪者に慣れているが、訪問する側は不慣れなことが多い。場所によっては衝撃の強いところもあり、事前の説明や心構え、準備などが大切だ。今回は参加者の大半がインド人ということもあり、大丈夫だろうとは思っていた。
ここ数年、不在のことが多かった創設者のラジャ。今回、彼がいてくれたことがよかった。まずは彼のオフィスで話をしてもらい、その後、毎回恒例の「衝撃的な動画」の鑑賞をする。ミューズ・クリエイションのYoutubeチャンネルで、同団体を紹介すべく動画をアップロードしているが、「問題のシーン」が多いことから、Youtubeから規制がかかった。ゆえに、その部分に写真を重ねるなど編集をして、アップロードしている。
その後、施設内の一部を見学、そして子どもたちと過ごしたのだった。参加者のほぼ全員が、このような体験は初めてのことで、それぞれに衝撃を受けている様子が見てとれた。
ひとことで「遊ぶ」と言っても、簡単なことではない。共に遊ぶにも、それなりの知識や経験が必要だ。そういうことを、ミューズ・クリエイションではコーディネートしている。今回も、「折り紙ができる子どもから、大人が教えてもらう」光景も見られ、遊んでもらっている状態だ。
ひとしきり共に過ごした後、わたしはランチに同行させてもらった。そうそう、今回は我が夫が急遽「僕も行こうかな」と言い出して、初めて同団体を訪問した。彼にとっても、いい機会だったと思う。
後日、参加された方からの、簡単な感想をいただこうと思っている。国籍問わず、参加された人たちがどういう印象を受けるのか……。なるたけたくさんのケースを知っておきたいからだ。
今回の件を受けて、日本人だけでなく、インドの友人知人ほか、コミュニティの人たちを案内することも意義深いのではないかと思い始めた。気がつけば、試行錯誤しながらも、10年以上の経験の蓄積。有効に使いたいものである。
なお、ミューズ・クリエイション及びそれ以前からの、慈善団体訪問他すべての活動の記録は、以下のミューズ・クリエイション専用ブログに記している。ミューズ・クリエイションのメンバーを中心とする参加者の感想なども記載されている貴重な記録だ。
たとえばカテゴリー欄のNew Ark Missionをクリックすると、初めて訪れた2011年の記録から15回の記録を遡ることができる。動画も日本語字幕をつけてアップロードしている。関心のある方には、ぜひご覧いただきたい。
★バンガロール在住の方で、慈善団体の訪問をご希望の方は、ご一報ください。同団体に限らず、ミューズ・クリエイションが過去訪れた場所に、ご案内します。企業、個人のグループ、老若男女を問いません。小人数の場合には、他の参加者を募って訪問することを検討します。2022年7月以降、慈善団体訪問ほか、ミューズ・クリエイションの活動を活発化させる予定です。
★彼らの日々の糧のため、1日1ルピーでもいいから寄付してほしいとラジャは切望している。「誰かとシェアしたい」と思う時には、こちらに寄付をお願いします。
Paytm, Google pay, PhonePe…
98452-81915 (Raja Ramaswamy)
【NEW ARK MISSION -HOME OF HOPE-】
オートリクショーのドライヴァー、ラジャ(通称オート・ラジャ)が、路上で瀕死の状態の人々を自宅に引き取り、世話をしはじめたのがはじまり。1997年、マザーテレサが亡くなった年のことだ。彼自身、ストリートチルドレンの出自で、盗みなどをして生きていた時期があり、投獄されたこともあった。
そんな彼が改心し、世の中で虐げられた人々を救済すべく自ら活動を始めた。以来、無数の命を引き受け、手当てし、最期の時を過ごす場を提供し続けている。現在、路上に打ち捨てられ、記憶を失った、半ば恍惚の人々が、子供達を含め750名ほど暮らしている。
毎日、誰かが拾われてきて、毎日、誰かが死んでいる。人間の生き死にが日常の場所だ。毎日の食事の準備、入居者の入浴、掃除などだけでも、大変な労働力が要されるが、行政支援はなく、すべてが個人あるいは企業の支援から成り立っている。
「過去の訪問記録」をご覧いただくとわかる通り、ミューズ・クリエイションでも最も頻度高く訪れている場所。バンガロールにある慈善団体の中では、最も金銭的、物理的支援が望まれている場所の一つだと考えられる。
🌸NEW ARK MISSION 過去の訪問記録など
➡︎https://museindia.typepad.jp/mss/new-ark-mission-home-of-hope/