5月14日(日)、バンガロールではよく知られている毎年恒例の日本祭り「JAPAN HABBA」が、3年ぶりに開催された。ミューズ・クリエイション創設以前から10年以上にわたって参加してきたこのお祭り。今年は当日参加の有志を募って、かつて人気だった書道短冊の販売と折り紙ワークショップのヴォランティアを実施した。
詳細については、当日の記録を以下のブログに残している。お祭りのあと、写真を構成して動画を作り、Youtubeほかソーシャル・メディアで公開したが、「じっくりと写真を見たい」という声も聞かれたので、こちらに写真を掲載することにした。
また、ミューズ・クリエイションの活動に参加してくれた方の中から、4名が感想を送ってくれた。一人の視点では見えないものが、他の人たちの言葉によってリアルに見えてくるのがうれしい。ぜひ、お読みいただければと思う。
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🇯🇵🇮🇳「密」な賑わいが復活! 3年ぶりのJAPAN HABBA、大盛況!(2023年5月16日の記録を転載)
14日、日曜日。バンガロールにて「ジャパン・ハッバ(日本祭り)」が開催された。2005年以来の年中行事だったが、パンデミックによる途絶を経て、今回は3年ぶりのリアル開催だった。
会場は、IISc(インド科学大学院)のキャンパスにある国立科学セミナー施設。年々、入場者が増え安全管理が困難になっていたことから、今年はチケット販売で入場制限。3500枚の前売り券は完売する人気の高さだ。
従来、ミューズ・クリエイションは、ダンスやコーラスのステージ出演に加え、メンバーによる手工芸品や書道短冊の販売、折り紙や日本の玩具遊びのワークショップなどを実施してきた。イヴェントの直前には、毎週金曜日の集いだけでは足らず、皆が足繁くSTUDIO MUSE(拙宅)に集い、準備を進めてきたものだ。
翻って今年。正式にメンバーとしてバンガロールに残っているのは、古株の志乃さんだけ。パンデミックが明けてからは、イヴェントごとに参加者を募ってきたことから、有志が集まるか懸念した。わたし自身、直前まで日本旅に出ていたこともあり、さほど準備ができない。とはいえ、何らかの形で関わりたく書道短冊と折り紙ワークショップのためのテーブルを2つ、予約しておいたのだった。
友人知人に声をかけたところ、幸いにも複数名から、お手伝いが可能との返事をもらった。ミューズ・クリエイションのメンバーや関わってくれる方々は、他の活動にも積極的なので、従来から「掛け持ちでお手伝い」の人が多数。そんな中、ご家族が交代で入ってもらえるのは、とても助かる。
9時の会場から、すでに入場者が来訪。以降、多少の波はあれど、間断なくゲストが立ち寄ってくれる。無料の折り紙ワークショップでは、大人はもちろん、子どもたちが率先して、インドの人たちに、一生懸命、丁寧に、黙々と指導をしている。
この折り紙短冊の販売を開始して10年以上になるが、毎年、リクエストされる言葉を聞くのが楽しい。過去の写真を遡ってもわかるのだが、2015年ごろから、若い女性の選ぶ言葉が圧倒的に強くなった。「野望」「自信」「挑戦」「達成」など。
それに加え、アニメーション特有の言語も多彩にリクエストされ、対応に困りつつも面白い。
この短冊、なんと650枚も売れた。大した告知もせず、ただテーブルを出しただけで、650枚。他の販売がなかったとはいえ、史上最高の売り上げだ。筆ペンのインクもほぼ、枯渇した。
これらの短冊は、シリアルの箱や菓子箱などの厚紙を切り、折り紙を貼り、リボンをつけるという手作り。制作には結構、手間がかかる。これらの短冊。実は、ロックダウンの間、バンガロールに留まっていたメンバーの道子さんが、こつこつと300枚以上、作ってくれていたものがあった。
それに加え、今回、有志の方々が持ち寄ってくださった。さらには、イヴェント当日、テーブルの後ろで、まさに「裏方」のみなさんが、せっせと短冊を作ってくれた。みなさんの「こつこつ」が結集して、650枚もの短冊が完成していたのだった。
折り紙にせよ、短冊にせよ、人々が「マスクなし」で、「密」になって作業をし、笑顔を交わす。当たり前のことが、かけがえのない楽しい時間なのだということを、再確認する。
大きな穴の底に潜んでいたような、パンデミックの日々があったからこそ、この光いっぱいの1日が、ことさらに眩かった。
この気持ちを忘れずにいたい。
イヴェントの実現に関わった関係者各位、お疲れさまでした!
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⬆︎おりがみのワークショップ。開場直後から、少しずつ人が集まり始め、常に「満席」状態になる。
⬆︎毎年、子どもたちが活躍してくれる。ロックダウンのころには考えられなかった、マスクなしで手を触れ合いつつ「密」になれることの、何とも言えないうれしさ。
⬆︎TOTOは、福岡県北九州市拠点。旧社名は東洋陶器。ゆえに東陶TOTO。彼とは九州沖縄県人会つながり。
⬆︎毎年、コスプレイヤーたちも集結。趣味で高品質なコスプレ衣装を作っている女性がいることを、今回知った。もはや、芸術。
⬆︎どんどん、ぐいぐい、ゲストが集まってきて、熱心に折り方を学んでくれる。大人も子供も、教える方も、教わる方も、本当に一生懸命だ。
⬆︎孫を連れてきたおじいさんも、折り紙に夢中。折り紙って、いくら自分が折れるからといって、すぐに相手に教えられるかといえばそうではない。相手に自分のできることを伝授することは、簡単ではない。だからこそ、有意義だともいえる。
⬆︎お疲れ気味の我が夫。書道デモンストレーションは、会場整理もたいへんなのだ。支払い、短冊選び、文字選び……と、毎度、バタバタ。
⬆︎短冊が予想以上に人気で、どんどん売れる! 作りかけの短冊を、完成させるべく、裏方スタッフの尽力!!
⬆︎彼らも九州沖縄県人会のメンバー。夫はインド人、妻はネパール人。二人は福岡県久留米市で出会って久留米で結婚された。もちろん日本語も流暢!
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感想文①
母子で折り紙コーナーを手伝いました。ひっきりなしにお客さんが来てくださりかなり忙しかったですが、大変遣り甲斐を感じました。参加者は、ボランティアが折る様子を食い入るように観察し几帳面に折ったり、鶴の羽を広げる時にはWow!!!と無邪気に喜んでくれて、こちらも自然に笑顔になりました。もっとハイレベルな折り紙に挑戦したいという意欲的な人もいました。ボランティアの子供達も大人より詳しく、大活躍でした。娘は渡印したばかりで英語も話せませんが、その分手で伝えてコミュニケーションを楽しみ、非常に良い経験となりました。備忘として、折り紙の折り方英語版は役立ったので、今後も機会があれば利用するとよいと思います。
感想文②中学生男子
今回はジャパンハッバというイベントで折り紙を教えるということをさせていただきました。たくさんの人が来てくれて、その中でとても上手な人や、あまり折り紙が得意ではない人がいました。
私が教えた折り紙はつる、ぴょんぴょんカエル、バラ、孔雀、そして「馬?」でした。その日の前日、私は楽しみでオリジナルの作品を考えました。その時に作り出したのが「馬?」です。
私が参加しようと思った理由は主に二つです。
一つ目は、人に教えるのが好きだからです。妹や友達などに算数やcomputer scienceを教えていました。教えるのが好きなので楽しそうだと思い参加しました。
二つ目に、折り紙という素晴らしい文化をたくさんの人に知ってほしかったからです。私は折り紙が好きで他の人にシェアしたいと思ったのです。
実際に折り紙を教えてみて思ったことは二つです。
一つとして、楽しいと思いました。教えるのは好きで、折り紙というものをたくさんの人が認知してくれた、楽しいと思ってくれたからです。人の考えはわからなくても、表情だけで楽しんだことがわかりました。その達成感が楽しいと思いました。
二つ目に、後悔です。「もっと上手に教えれたな」や「こうしておけばよかったかな?」という気持ちです。最初に「丁寧に折ってください」などの一言を言えたらと思っています。そう言うことでいい作品が出来上がるし上手に教えれたという達成感を味わえてWINWINになるからです。このことを踏まえて同じ機会があったら気を付けようと思います。
この折り紙を「教える」という行為はとても楽しくいい経験になりました。この経験を何かに生かせたらいいなと思います。
感想文③中学生男子の母
2回目の参加となるJapanハッバ。初めての参加は2020年の2月でバンガロールに来て間もない頃でした。その時はお客様感覚でこのイベントに参加していました。
途中、僕も折り紙折るのを教えてみたい、と息子が前向きな姿勢だったので、ブースの責任者の美穂さんにお願いして途中からボランティアに参加させてもらいました。赴任して間もない息子が得意の折り紙を初めて英語で人に折り方を教えるチャレンジ。その時はただ後ろで見守っていただけでした。
今回は始めから意思を表明して家族での参加、また一度経験していることから強気の息子。絶え間ない人の並びにも丁寧に対応し、用意していたレパートリーの折り紙の形とは別の折り紙を希望されても臨機応変に折り方を伝えていた姿に成長を感じる1日でした。
一方の私はボランティア初参加。短冊に漢字を駆使してインド名を日本語に変換、好きな言葉や台詞を書くといったもの。日本にはない読み方の名前を当て字で意味を含ませ漢字で書くのは至難の業。何度スマホを取り出し良い意味の漢字がないか?と探したことか…
折角ならご本人の名前に素敵な意味が含まれる漢字を…列を成して並んでくださってる方たちと話しながら一つ一つ短冊に字を書いていく。
「この漢字にはどんな意味がありますか」と聞かれ会話も弾みました。
列を成して並んでくださってるので知り得る単語を駆使してお伝えするも、自分の英語の語彙力の無さに落胆…漢字一つとっても多くの意味が含まれているので適した言葉を見つけ伝えるのも大変でした。
こんなにも日本Loverの方達が多くいて触れ合えた喜びの大きい事! 日本のいいところをたくさん知っていただきたいな、と思う1日と共に、インドのことももっと知っていきたいな、と実感した日となりました。
感想文④
ジャパンハッバですが、短冊作り、ボランティアに繋がっていると思うとやりがいもあり、お友達と一緒に集まって、作るきっかけにもなり、良かったです。
また、その短冊に本当に少しの時間でしたが、インド人の方々のお名前を漢字で書くお手伝いもさせていただきましたが、皆さん、本当に嬉しそうに『Thank you 』と言ってくださり、こちらも嬉しい気持ちになりました。
貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。
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⬆︎右の彼女の名前は本当に「おしん」。左のお母様が、日本のドラマ「おしん」が大好きで、命名したとのこと。
⬆︎アニメーション「ナルト」に出てくる台詞らしい。しらなかった。
⬆︎日本のアニメーションにまつわる手作りの作品を販売するインド人女性たち。いずれも、とてもクオリティが高い。
⬆︎コーヒー店の宣伝をしているようだが、日本料理店『播磨』のお二人。
⬆︎お二人は、ステージパフォーマンスでピアノの演奏を披露されました!
⬆︎ミューズ・クリエイションは、クアイアもダンサーズもなくなってしまったので、今回ステージ・パフォーマンスはなし。来年は臨時で結成しようかな。
⬆︎子供たち、どうもありがとうございました!! 楽しかったね〜!!
⬆︎大人たちもお疲れ様でした! みんなでの集合写真を撮れなかったけれど、ここに写っていない方々も、本当にありがとうございました。
🇮🇳🇯🇵 JAPAN HABBA @Bangalore 2023🌸3年ぶりにリアル開催!
ミューズ・クリエイションは書道短冊や折り紙ワークショップで参加
🇯🇵🇮🇳JAPAN HABBA@Bangalore 2022 毎年恒例の日本祭り。
ミューズ・クリエイションが参加した10年の軌跡をたどるアルバム