金曜日、慈善団体Jagruthiへ赴いた。ミューズ・クリエイションとしては3度目、個人的には5度目の訪問となる。今回、ここを訪れたのは、Music Circusという日本のミュージシャン・グループからの依頼を受けたのが契機だ。
COVID-19パンデミックの最中だった2021年2月、Music Circusの発起人のひとりである辻本恵理香さんから「チャリティ・コンサートの収益をバンガロールの慈善団体に寄付したい」とのご相談を受けた。その際、支援先の候補などをシェアし、メンバー各位とZOOMでミーティングを実施するなど、情報提供をすると同時に、団体と繋ぐお手伝いをした。
今回、寄付先の団体を訪問されたいとのことで、まずはJagruthiを訪れることになった次第。毎回、訪問の記録は、まずわたしが諸々の情報を記してのち、参加者の感想を転載しているが、今回はまず、参加者12名の感想からシェアさせていただく。
団体の詳細などは、過去のブログに記しているが、次の投稿に整理して再掲載する。
*Jagruthi訪問の記録ブログ&動画
https://museindia.typepad.jp/mss/jagruthi/
【感想 (1) 辻本恵理香/Music Circus】
これまでにインドをはじめ、アフリカ、フィリピンにボランティア演奏として訪れた時いつも心に残って消えないものがあります。それは「キラッキラの子供達の目と笑顔」。いつも子供達のために何かしたい!!という気持ちで伺いますが、結局大切なものを頂いているのは私の方なのです。
ジャグルティのお話をレヌさんに伺った後、授業の様子を見させて頂いた時、一人の女の子に「勉強は好き?」と聞きました。そうしたらやはりキラキラした目と少しはにかんだ笑顔で「大好き」と答えてくれたのがとても印象的でした。
アフリカやフィリピンでも共通して感じたことですが、「貧しい」とされる子どもたちの心は本当に「豊か」。きっと本当の幸せが何なのかが分かっているかのように。
もちろん苦しい状況の子供達はまだまだたくさんいると思いますし、私に出来ることはこれからもさせて頂けたらと思っています。
今回、寄付をさせて頂いたミュージシャンのグループ「Music Circus」のコンセプトは、“Music makes people round the world smile.” そして、“Music has no border.”です。
今回ジャグルティの子供達と音楽で一つの同じ空間を過ごせた事、みんなのキラキラの笑顔を見られたことは私たちにとってとても幸せなひと時でした。Music Circusを通して寄付して下さった日本の方々の祈りが、インドの人々、子供達の笑顔に繋がりますように。
最後に、寄付先のご紹介とアレンジをして下さった美穂さんに心から感謝です。ありがとうございました。
【感想(2) 小杉益人/Music Circus】
施設訪問をしたのは人生で初めてで、正直なところ不安があった。「こういった子供たちが生活している」と話を聞いていたが、今までの自分の人生の中では巡り合うことはなかったであろう子供達の状況を聞き、どうしたら接したら良いかわからないまま施設に向かった。みんなどんな生活をしているのか、どのように接したら良いのか、普通にしていたら良いのか。
施設に着き、レヌさんから話を聞かせていだたいた。やはり、ここにいる子供達は過酷な状況下に生まれ、苦労している。話を聞かせてもらっている中、時々窓の外から覗いてくる子供たちがいた。その顔は想像していたものと違い、キラキラした笑顔でこちらを覗いていた。正直、意外だった。もっと暗い顔で辛そうな顔をしているのではないかと思っていた。
そしてレヌさんのお話が終わり施設見学に行かせていただいた。どの教室の子供も最高の笑顔で元気よく、時々恥ずかしそうに質問に答えてくれた。想像していた事と違い、安心したのもあるが笑顔で接してくれたことが何より嬉しく、可愛かった。演奏時もとびきりの笑顔で手拍子や歓声をくれた。ダンスを見せてくれた時もとても楽しそうに見せてくれた。
歩く時も行儀良くかっこよく、綺麗に歩いている。受け答えも照れながらでもしっかりしてくれた。全てにおいてレヌさんをはじめ、施設の皆さんの教育の賜物なんだろう。どんな生活環境に生まれても、生きていく中で出会った人により人生は変わるんだと強く感じた。微力ながらも私たちのしたことが子供達の未来につながれば良いなと思った。��学ばせていただいたことが沢山あった。ありがとうございました。
【感想(3) バンガロール駐在歴10カ月/女性】
駐在員家族として暮らす生活範囲では見ることができない世界。美穂さんのブログを拝見しながら、頭では理解していたつもりだったが、実際に訪問して話を伺うことで、レヌや先生方がいかに使命感を持ってこの事業を続けているかを肌で感じることができた。
学校は清潔に保たれ、子供達も規律正しく躾けられている様子が分かった。皆学ぶことを心から楽しんでいる様子で、純粋で自然な笑顔が印象的だった。
子供達の生活、食事、医療、教育。それらが全て政府からの支援ではなく、寄付金で賄われていることにも衝撃を受けた。富裕層が寄付をすることでバランスが保たれている社会。日本では考えられない文化だ。
私自身は、今回の訪問で何かの役に立ちたくて、何かを与えないといけないと過剰に考えていたのかもしれない。辛い環境から脱してきた子供達はもっと心が閉じているのではという先入観もあった。
ところが違った。舞台に上がってきて一緒に初めてのダンスを踊ったり、逆に自分たちの踊りに私達を誘ってくれたり、皆明るい。肩の力が抜けた。彼らとのコミュニケーションを純粋に楽しむことが出来た。
子供達が安心して生活できる環境と、子供達の能力を伸ばしていく学校教育が維持されるよう見守っていきたい。様々な経験を通じて学び、立派に成長することを願う。
【感想(4)吉濵健一郎/大学院生】
今回初めてMUSE CREATIONの活動に参加させてもらい、初めてこちらのJagruthiを訪問させてもらいました。創始者のRenuさんのお話を伺ったこと、各教室で生徒たちが勉強する様子を見させてもらったこと、13-15歳の生徒たちと歌やダンスを交えて交流したことをつうじて、多くの気づきや発見がありました。
とくに、Renuさんがご自身の経験について語ってくださったことを聞いて、やはり実際に現地を訪れてお会いしてお話を伺うことが大切あると改めて実感しました。Jagruthiの活動について、たんに「第三セクター」や「市民社会」のような大きな言葉では全く語れない、個人の神秘的な経験や、運や縁としか思えない出会いがあることを知り、とても感慨深かったです。また訪問し、一つ一つの出会いを大切に、みなさんのお話を伺いたいと思いました。
この度は参加させていただき、ありがとうございました。
【感想(5)インターンシップ留学生/入江真樺】
創始者レヌーさんからのお話を聞き、衝撃的だったことがある。それは、性的虐待を受けていた子どもの中には、寝る前に性交渉をしないと安心して寝られない子どもがいるということだ。なんだか悲しかった。習慣化してしまうと良くも悪くも、日々の行動に作用するのだと強く感じた。
次に各クラスを見学させてもらった。「GOOD MORNING, MADAM」その大きくて明るい声にとても癒された、可愛かった。小学1年生が英語の複数形を勉強していたのにはすごいなと驚いた。8歳時のクラスへ行った際、制服を着ていない&皆が持っている学習ノートを持っておらず、代わりにボタンを押すと消える電子メモを持っている生徒が1人いた。彼女に話しかけると英語が通じない。ジェスチャーで何か書いてといったそぶりを見せてきた。お花やドラえもん、鉛筆を描き、これは何でしょうとクイズを出した。近くにいた生徒と共にクイズに答えてくれた。すごく笑ってくれた。短時間だったけれどとっても楽しい時間となった。
その次に講堂に移動し、Muse Creationメンバーが歌やバイオリンを披露した。私の心にもスッと入ってきてとても感動した。JAGRUTHIを訪問する前、私は少し緊張していた。スラム街の中にある学校へ行くのに緊張していた訳ではない。Muse Creationのメンバー皆で披露することになっていたJai Ho!ダンスを連日練習していたもののきちんと踊れるかどうか不安だったのだ。そんな不安・緊張は無用だった。高校生達もダンスに参加してくれ、共にダンスを踊った。向き合い、お互い体をゆらした。コミュニケーションを彼女達と身体でとっているような感覚に陥った。この時間もとても楽しい時間となった。と同時に音楽やダンスの凄さ・必要性を実感する時間ともなった。また、数年前のMuse Creationの訪問を覚えている生徒がいたことも印象に残っている。私もまた訪れたい。
講堂での交流が終わった際、ちょうど生徒達の給食の時間になった。手を後ろにお皿を持ち、行儀正しく並んで給食を取りに行っている姿が目に映った。今でもとても印象に残っている。MEG schoolの先生方が私たちの軽食(バナナ、クッキー、パウンドケーキ、コーラ)を用意してくれいただいた。それも素朴でとても美味しかった。とても学び深く印象的でそして楽しいそんな訪問となった。
【感想(6)交換留学生/若原彩香】
スラムを案内していただいて入ったことはありましたが、そこにある学校に入るのは初めてで貴重な体験でした。政府が行っている学校の扱いではなく、私立学校扱いなのに非常に驚きました。今まで公立の学校は所得層の低い家庭のこどもたちが通うイメージが強かったので変化が大きかったです。
また教育にも力を入れていることを感じて、作法や礼儀まで学ぶことができる場所は少ないと思うので珍しく感じました。少し窮屈そうな感じもしましたが、学校で行うことがないと就職後に苦労してしまうのでこどもたちの未来のことを考えた行動なのだと感じました。以前スラムに行ったときに、NGOの方から親の意識の差によって教育を受けることができるかが決まるということを聞いて、お金だけの問題ではないことを感じていました。親がこどものためにしてあげる行為もその行動に理由をもって行うことで、誤った認識によって子どもの不利益を得ないようになると良いと感じました。親を説得することも難しいのだと感じました。
このような学校が増えていくことによって、学校に行く意味についての認識を正しくしていくことができると良いと思いました。
【感想(7)バンガロールで交換留学中/花田怜大】
「海外に行くなら一芸を持っていきなさい。」と至る所で聞いてきましたが、今回の訪問でその重要性に心の底から気がつかされました。ダンスで一緒に踊って楽しむこと。歌やヴァイオリンを通してその場にいる人々をリラックスさせ、楽しませること。それら1つ1つの、「より良い時間を共に過ごす」ためにする行動が非常に尊いものである。と感じなら過ごす良い時間でした。
この前の慈善団体の訪問でも感じたことですが、これだけ大規模な施設(今回は200人くらいの子どもたちがいました。)が使命感を持った人々によって至る所で運営され、政府や仕組みだけではカバーしきれない所を支え合っているという事実に驚かされるばかりでした。私はもう少しでバンガロールを離れてしまいますが、また戻ってきてインドへの学びを深めていきたいと感じています。
【感想(8)バンガロール在住女性】
私は見学の数日前からどんな顔をして行ったらいいのか考えていました。そこにいる子どもたちはかわいそうなのか? かわいそうと思っていいのか? 私たちが何をしてくれるのか見透かされてるんじゃないか? 私は何をしたらいいのか…
見学に行ったら、子どもたちに悲壮感はなく校舎も清潔に保たれていて意外でした。英語や数学を普通に勉強していて、ごく普通の子どもたちでした。ほとんどの子たちが日本を知らなくてちょっとショックでした。それだけ日本の存在感がないんでしょう…子どもたちがあの学校を卒業したあと、高校や大学進学、またはスポーツや芸術面などなどに夢を持てたら〜と願うばかりです。
【感想(9)バンガロール駐在歴半年/女性】
昨日はありがとうございました。ご多忙の中、学校をご紹介いただき、初めてのことを知り、大変勉強になりました。創始者のレヌーさんの人生を変えたお話もとても心に残っています。子どもたちは大きくなったら、生まれて初めての経験をしたら、どんな気持ちになるんだろう…坂田さんの生まれて初めて の歌を聞きながら、涙が出そうになりました。
勉強中の子どもたちは、挨拶ができて素直、みんなダンスや歌が好きで、とても可愛かったです。とても愛しい存在だなと思いました。今回はじめて、インドダンスと歌を経験し、みんなでできたことが嬉しかったです。坂田さんがインドにいたらいつでもダンスできるように!言葉は通じなくても通じ合える!とおっしゃっていたので、少しできるよう練習していきたいです。
坂田さんから寄付のお話を聞き、思い返せば、インドの方はみんな思いやり行動が早いように思います。私の子どもが転んだときも、誰かが事故にあったときもすぐに誰かが助けてくれました。
日本では災害のときに助け合えるけど、日常生活ではもう見られないかもしれません。誰かのために自分ができることをできるようにしていきたいです。勇気も覚悟も足りないけれど今できることをしていけたらと思います。これからまた、お時間合いましたらぜひ参加させて頂きたいです。よろしくお願い申し上げます。この度はありがとうございました。
【感想(10)バンガロール在住女性】
創設者レヌーさんの話を直接伺うことができ、深く感銘を受ける。私にとって歴史上の人物として位置付けてしまっていたマザーテレサ。伝記で読む以上に影響力のある人だったのだと知り、それを実行しているレヌーさんは私にとってマザーテレサそのもの。
ご自身の成功していた事業をパートナーに譲り、全身全霊でこの訪れた施設を作り上げて、困っている子供達を助け続けているレヌーさん。すごい。表現力が乏しいが、本当にすごい。学校で子供達は勉強に励み、友達と遊び、そして笑顔を見せてくれる。だが、家に帰ると厳しい家庭環境が待っているかと思うと、苦しい気持ちになる。そんな子供達と触れ合い、自分たちに何ができるか考えたい。
今回は(と言っても今回が初めて)、学校を欠席し、娘たちも参加させてもらった。学校で学ぶこと以上に貴重な体験となったことは言うまでもなく。ご縁あってバンガロールで育つ子供達に、インドの根深い社会問題を直視するほどの理解力はないにしても、肌で感じる機会をいただき、今後の価値観の形成に少なからず影響を与えてくれることを期待したい。貴重な機会を、本当にありがとうございました。
【感想(11)バンガロール在住女児】
今日は、貧しい子供たちの学校に行った。思っていた以上に人が多かった。みんな英語がしゃべれないのかな?と思ったけど、みんな喋れてそれに4つの言葉(英語、ヒンディー語、カンナダ語、タミル語)を喋れると聞き、すごいなと感じた。私もこれからはいろんな人と会話できるように、たくさんの言葉を学びたい。
私の行っている学校と違うとこがたくさんあって驚いた。制服や髪型、昼ごはんの食べ方、使っている文房具、黒板、使っている机やいす。みんなでAuditoriumに行くと、生徒たちが待っていてくれた。演奏を始めると、知らない曲なのに、みんながリズムにのって手をたたいてくれて優しいなと思った。私もいろんな人の話や音楽、ダンスをちゃんと見たり聞いたりできるようになりたい。
デスパシートをひいてステージからおりたときに、自分がただ歩いてるだけだったから、もっと人の近くに行ってもっとみんなに楽しんでもらえるように頑張りたい。
【感想(12)バンガロール在住2児の母】
今回、ミューズクリエーションの慈善団体訪問に初参加させて頂きました。創始者のRenuさんから詳しくお話を聞かせて頂き、インドで貧困や病気で苦しむ人々の現状を垣間見る事ができました。子供達の学ぶ教室に足を踏み入れてみると、その過酷な環境からは想像できないような眩しい笑顔がありました。そして、寄付から成り立っている施設だからといって妥協しないレベルの高い教育や清潔な環境、栄養が考えられた食事が維持されている事にも驚かされました。
学校見学の最後には、楽器での演奏、歌唱、ダンスなどを披露し子供達とふれあう事ができとても楽しかったです。初めてバイオリンの音色を聴く子供の表情、一緒にダンスを踊っている時の弾ける笑顔、とても印象的でした。
もちろんよい一面だけでなく、学校の外での過酷な環境など知っておかなくてはいけない現実をもっと勉強しなくてはならないと気付かされる訪問でもありました。貴重な体験の機会を与えて頂きありがとうございました。