昨日、バンガロール宅に戻って来た。金曜のムンバイ空港は、ディワリ前の帰省ラッシュであろうか、今までで最も込み合っていた。
そもそもわたしたちがムンバイとバンガロールの二都市に暮らしているのは、わたしたちの都合であり、夫の会社とは関係ないので、交通費はもちろん、自分たちで支払わねばならない。従っては基本はエコノミークラスである。
しかし、夫アルヴィンドが超フリクエントフライヤーであることもあり、今年は無料アップグレード券を10枚近く受け取っていた。それらはすでに使い果たしてしまったが、しかし、時にはビジネスクラスに乗りたい。
そんなとき、意外に有効なのが「チェックイン時の交渉」である。
たとえば、フライト時刻にぎりぎりでチェックインしたとき。エコノミークラスが満席のときなど、頼まなくても勝手にアップグレードしてもらえることがある。
今日はフライトより1時間早めのチェックインだったが、しかし満席であることが予測できたフライト故、交渉すればアップグレードしてもらえる可能性は高かった。
従ってはアルヴィンド、今日は最初からその気だった。チェックインカウンターを選ぶ時点から、作戦は始まっている。彼曰く、「あの女性なら、受けてくれるかもしれない」と目星をつけるらしい。
まずは満面の笑顔で挨拶をし、世間話などをする。そうして、
「今日はフライト、いっぱいみたいだけど……。ひょっとして、アップグレード、可能かな」
と、さりげなく切り出す。当たり前だが百発百中ではない。しかし「何度かに一度」は成功しているようである。
場合によっては、
「アップグレード、可能かな?」との問いに、
「どうしてですか?」
と、冷静に突っ込んでくる人もいるらしいが、今日の場合は、彼の目に狂いはなかった。
「少々お待ちください」
と、カウンターからしばし離れた地上係員の彼女。上司らしい別のスタッフがいるカウンターへ赴いて話をつけたあと戻って来た彼女は、わたしたち二人分のチケットをビジネスクラスにアップグレードしてくれた。
われわれ二人が満面の笑みでお礼を言い、「ハッピー、ディワリ!」といいながら立ち去ったのは言うまでもない。
さて、アルヴィンドがこのような「交渉」を積極的に行うようになったのは、MBA(ビジネススクール)時代からだ。授業の一環として、「日常生活のあらゆる場面で、交渉してみる」という課題があった。
そのときに、いろいろな値引き交渉や優待交渉などを、恥ずかしがることなく、しかし下品になることなく、身につける方法を体得したのである。
この件に関しても、いろいろ書きたいことがあるが、また長くなるのでこのへんにしておく。そんな次第で、快適な空の旅を経て、バンガロールへと戻って来たのだった。旅の多いあなた。交渉、お試しあれ。
●新しいアンサナ・スパへ。UBシティで過ごす午後。
バンガロール宅メイドのプレシラとは、不在中も数日おきに電話で連絡を取り合っている。彼女曰く、このごろは毎日のように雨が降っているとのことだったが、わたしたちが戻って来た夜もまた、雨模様であった。
今は雨期ではないはずなのだが、連日の雨で、家は湿度が高い。不在時も、たとえばクローゼットをあけて空気の入れ替えをするように頼んではいるが、もう何年も着ることのない冬の衣類の、手入ればかりが手間である。
さて、今朝。曇り空の合間から太陽が顔を見せるとき、庭は明るい光に包まれる。
花とわたし。
この派手なTシャツはインド人女性デザイナーによる老舗ブランドRITU KUMARのもの。
わたしが好んで買っているインド服ブランドの一つだ。
花の色とちょうど美しいコンビネーションだったので、記念撮影である。
晴れ間が出た途端、蝶やら小鳥やらが遊びにきて、いつでもこの庭は、本当に心地がよい。
さて、来週はディワリ・ホリデーで、アルヴィンドも来週木曜まで休暇を取っている。モルディヴかモーリシャスあたりにでも出かけたいところだったが、二人して移動が続いている昨今、今回はゆっくりと家で過ごすことにした。
リラックスした休暇を送るためには、心身をほぐすことが必要だ。そんなわけで、毎度おなじみのアンサナ・スパ:Angsana Spa へ出かけることにした。
以前は市街北部の郊外にしかなかったアンサナ・スパ(←文字をクリック)。その後ホワイトフィールドにオープンしたので、そこに何度か通ったが、つい先日、UBシティに新しいスパがオープンしたのだ。
「郊外時代」から顔なじみのタイ人女性マネージャーが、新店舗ができるたびにマネージメントを行うべく移っているのだが、彼女からインフォメーションが届き、早速予約を入れた次第。
従来が「リゾートタイプ」だとすれば、今回は「都市型高級スパ」といった印象だ。
スパ自体は、Oakwoodと呼ばれる米国拠点のサーヴィスアパートメント内の12階にある。かなり広々とした空間だ。左上の写真はラウンジ。この左右にトリートメントルームが並んでいる。一部屋のスペースが広く、もちろんシャワールームも併設されている。
窓の外には、現在のバンガロールを象徴する工事中ビルディングの光景。ビルの谷間に見えるのは、セントラルパーク、ではなくカボンパークの緑である。
さて、いつもどおり彼もわたしも、フェイシャルとボディマッサージのパッケージ。いつも通り、すばらしく心地のよいトリートメントであった。
アーユルヴェーダは「医療的に」とても効果があり、それなりに気持ちがよいものであるが、マッサージをしてもらっている最中のリラックスに「優雅な気分」はなかなか伴わない。
以前、しばしば訪れていたグランド・アショカホテルのスパはとてもよかったが、ドクターがいなくなって以来、サーヴィスの質が落ちた気がして、もう行かなくなってしまった。
一方、タイのバンヤンツリー系列のこのスパは、「繊細なサーヴィス」が決め手。丁寧で、心がこもった感じのトリートメントが心身をくつろがせてくれるのだ。
「男子に身体を触られるのがいや」なアルヴィンドにとって、アーユルヴェーダはくつろぐどころか苦痛でしかないマッサージらしく、従って女性が施術してくれるこのアンサナは、彼にとっては不可欠なスパなのである。
マッサージを受け、熱いシャワーを浴び、ジンジャーティーとフルーツをいただき、2時間半ほどをスパで過ごした。
マネージャーがぜひスパの宣伝をしてほしいとのことだったので、一応、インフォメーションを載せておく。
Angsana Oasis Spa UB City Bangalore
12th Fl. Oakwood Premier Prestige Bangalore UB City
080-2234-5678
マッサージはもちろん、フェイシャルは女性だけでなく、日頃インドビジネスでお疲れの殿方にもお勧めである。
「男子がフェイシャルなどできぬ」とお思いの方もあろうが、フェイシャルマッサージは顔の筋肉をほぐし、同時に施してもらえるヘッドマッサージも脳内の疲労を緩和させ(本当か?)、ともかくはリラックスするものである。お試しあれ。
さてランチは、わたしにとっては、すでに「行きつけ」となりつつあるイタリアンToscano。オーナーシェフのジャンミッシェルを見つけるや否や、
「ボンジュール!」
と、親しげに声をかける夫。二度目にしてもう、このフレンドリーさ。
二人はしばし、フランス語で楽しげに話している。
そう。アルヴィンドはフランス語も少し話せるのだ。
大学時代にフランス語を専攻した時期があったらしい。
記憶を辿れば、わたしも大学時代、フランス語を2年ほど、専攻していたような気がする。
なにひとつ話せないのは、なぜだろう。
そんな寂しい話はさておき、今日はおすすめメニューからサラダやパスタ、ラムチョップのグリルなどを注文。
やはりこの店の料理は、リーズナブルでおいしいと再認識しつつ、今後はアンサナ→イタリアンのルートが定番となりそうだ。
食後は隣の隣にある、その名もAddictionという名のスイーツ&ベイカリーでデニッシュなどを買う。この店のスイーツやパン類も、かなりおいしそうだ。初めてこの土地を訪れた5年前とは、何もかもが変わりつつあると、改めて思う。
●バンガロールにも、ついにオープン! Good Earth
食事のあと、高級ブランドのブティックを擁するショッピングエリアを散策する。まだ工事中の物件が多い3階の奥に、見慣れたロゴを発見。Good Earthではないか!
このサイトでも今まで何度も紹介して来たところの、ライフスタイルショップである。今のところ一番気に入っている店舗はムンバイのロウアーパレルにある店。ロフトを改装して作られた非常に雰囲気のよい店(←文字をクリック)だ。
ムンバイ、デリーに次いで、8店目としてつい先日オープンしたばかりだという。ちなみにムンバイには3店舗、デリーに3店舗ある。チェンナイにもまもなくオープンするらしい。
エコフレンドリーなこのショップ。創業のエピソードも興味深く「ビジネス面」の話もあれこれと書きたいところだが、長くなるので割愛。
オリジナルブランドの商品をはじめ、国内外の洗練されたインテリア小物を販売している。近々シンガポールにもオープンするとのニュースを数週間前、新聞で目にした。
今日はオリジナルレーベルの商品のひとつであるブランケットを購入した。
すでに膝にかけたりして、ぐしゃぐしゃになってしまっているが、木綿の布をガーゼのような綿モスリンでサンドイッチのようにはさみ周囲を縫い付けた、シンプルなものである。
しかし、このシンプルさがインドの気候にあっている。綿モスリンの肌触りが心地よく、日本でいうところの「タオルケット感覚」である。ちなみにタオルケットとは和製英語で、日本ならではの商品である。多分。
ちなみに下の写真のロゴが入った布は、ブランケットが入っていた袋である。
綿モスリンに覆われて、かすかにしか見えないのであるが、その布は、ハンドブロックプリンティングの手法(木のスタンプでペタペタと布を染める)で作られたもの。
また、"Dohar" と呼ばれる布を重ねるこの手法は、従来、古くなったサリーを重ねて縫い、ブランケットなどを作っていたことに端を発しているという。
実際に使ってみて、かなり心地がよいので、これはムンバイ宅用にも購入しようと思う。
ハンドブロック・ペインティングに興味のある方は、こちらのサイト(←文字をクリック)へ。ジャイプールにあるAnokhiミュージアムの様子を動画で見ることができる。
ちなみにAnokhiとは、インド人だけでなく、外国人居住者にも非常に人気の高いテキスタイルショップ。わたしもしばしば利用している。
なお、この動画をおさめている "geobeats" のサイトは、わたしのお気に入りサイトの一つである。インドの動画も、ムンバイ、デリー、ケララ、ジャイプールなどの都市情報を、相当数見られる。