朝歩くと、気分がよい。そして今までにもまして、食欲旺盛になる。朝ご飯を食べているのに、11時を過ぎたころからお腹が空き始める。健康&減量目的のウォーキングなのに、むしろ増量だ。もういや。
ところで、すでに一両日で過去の人となりつつある中川氏。日台関係に尽力した人物でもあるらしい。新台湾派のわたしとしては、超個人的視点からも、残念でならない。
たった一度(でもないようだが)の愚行が、築き上げてきた業績、その他すべてを水泡と帰してしまう。失態を超えて、もはや犯罪の域である。
今朝、新聞を読みながらアルヴィンド曰く、
「彼、風邪引いてたんでしょ? かわいそうじゃない。あの会見、やらなきゃよかったのにね。それにG7のときだって、いてもいなくてもいい感じだったんでしょ。そのまま黙ってればよかったのに」
そう言いながらも、笑っている。
彼が日本人や日本のことを悪く言うときは、たとえわたしも同感だったとしても、一緒になって日本人もしくは日本を悪く言いたくはなく、たいていは「かばう態勢」に入ってしまう。
しかし、今回ばかりは、かばう気持ちなどなれはしない。
確かにイタリアやフランスなど欧州の国では、ランチタイムでもワインを飲む。ニューヨークでも、ランチミーティングでワイングラスを傾けるビジネスマン&ビジネスウーマンの姿は、珍しくなかった。
おいしい料理とワインとで、その場の雰囲気を楽しみながら打ち合わせをすることは、珍しいことではない。
とはいえ、そのあとぐでんぐでんに酔っぱらって仕事にならないのでは、話にならない。ましてや時差があり、風邪薬を飲んでいる時に飲酒など、G7ならずとも、親戚同士の会合や、ご近所の集会に参加する時でだって、顰蹙ものである。
夕刻、帰宅するなり開口一番にアルヴィンド、
「ミホ、君の友だちのナカガワさん、辞職したらしいね!」
友だちじゃないってば……。
さて本日、リサーチの仕事の資料集めに、ケンプスコーナーというエリアにある大型書店へ赴く。
CROSSWORDと呼ばれるチェーン店。
米国のBARNES & NOBLE的なコンセプトの書店だ。
バンガロール店へは幾度も訪れたことがあるが、ムンバイ店は初めて。
2階にはおなじみMOSHE'Sのカフェ&ベーカリーがある。
しかし、棚卸しのせいなのか、いつもなのか知らないが、店内は猛烈にとっ散らかっている。
インドでは、「片付いていない店内」をよく見かける。本当に、よく見かける。
最近でこそ、スーパーマーケットなどはこぎれいなものが登場しているが、つい数年前までは、商品を触るだけで手が埃だらけになるような商店ばかりだった。もちろん今でもそんな店は健在である。
商品がジャンル分けされずに、無差別にごたごたと並べられているさまを見たりすると、髪を束ねて腕まくりをし、その場で片付けを始めたくなる衝動に駆られる。
一方、「シンメトリーな配置」や「ちまちまと積み上げる」ディスプレイが好きなインドの人々。昨日の市場など、そのいい例だ。
お客の都合や利便性を考えるよりも、まず自分の好きなようにする。その結果、ケイオス、つまり混沌が発現されるといったところか。でも、せめて書店くらいは、もっときれいにしてほしいものだ。
さて、この界隈。南ムンバイにおいては、高級なブティックなどが点在しているエリアでもある。パッと見た限りにおいては、「どこがよ?!」という雰囲気だが、一応そうなのだ。
書店から近いブティックを数軒ウインドーショッピング。富裕層対象のブティックは、お値段も猛烈にお高い。
結婚式用のきらびやかゴテゴテサリーやドレスなど、着こなすのに体力を要するような重量感たっぷりのドレスは、チャレンジャーなわたしでも着こなせそうにない。
例の「仰天ライフ」で、レポーターの女性が「重い〜!」と叫んでいた我がドレス。このブログの左側の写真で着ているのがそれだが、これなどまだ「軽くて地味なうち」である。
「うっそ〜!」
という声が聞こえてくるが、本当ですから。
さて、インドのデザイナーズブランドのセレクトショップであるMELENGE。ここは、普段にも着こなせる衣類がそろっている。
刺繍、ミラーワーク、絞りなど、テキスタイルそのものにインドの手工芸の技術が生かされた、しかしモダンなデザインのものも少なくなく、魅力的。
右上の花柄トップに引かれて試着したが、デザインが今ひとつ、わたしの体型に似合わず残念であった。
ちなみにインド人は、頭の小さい人が多いせいか、日本人の中でも大きめのわたしには、「頭が入らない服」が多い。
移住当初は、「なにこれ! 頭が入らない、不良品!」などと思い、店の人に苦情を言ったこともあったが、今思えば、自らの頭のでかさを主張しているようなものであった。
また、ジッパーがなく、身体が柔軟でなければ着脱不能なトップも多い。幾度、試着室で四苦八苦したことか。
ちなみに、この店の服は質も高く、立体裁断に精通したデザインのものが多いため、かような問題は少なそうである。
鶏肉のひき肉があるので、それで「つみれ」を作ってみようと思い立った。
昨日クロフォードマーケットで買った白菜などでつみれ鍋を作るのだ。
ひき肉に卵、ショウガのすりおろし、タマネギのみじん切り、パン粉、片栗粉の代わりに小麦粉、ごま油、塩こしょうと、適当な材料を入れて混ぜ合わせる。
椎茸などがあるといいのだろうが、まあなくてもよい。
日本帰省時に購入していた昆布、鰹だしパック(しつこいようだが、化学調味料やだしの素は使わない)でだしをとり、醤油、酒の代わりに白ワイン、みりんのかわりにジャガリ(砂糖)少々で味つける。
そこに大量の白菜と、旬も終わりかけのデリー赤ニンジン(京ニンジン)、春雨などを入れ、上につみれを載せてぐつぐつと煮込む。
これがまた、旨い!
大量に作りすぎてしまったが、まあ明日のランチにもなるので、ノープロブレムだ。
食事中、ひき肉の正体が、実は鶏肉ではなく豚肉であったことが明らかになったが、それはそれで美味なので、ノープロブレムだ。
インド在住の日本人から、インドの食材で作る料理を教えてほしいと尋ねられることが多い。インド料理よりも、むしろインド料理以外でどんなものが作れるのか、それを知りたい人の方が多いようだ。
ワシントンDC時代は、限られた読者を対象に、「食の記録」を公開していた。「サロン・ド・ミューズ」という希望者のみパスワードを入力して読めるサイトを作っていたのだ。
しかし、インドでは、他に書くことが多すぎるので、自分で作る食についてをほとんど記していない。
のだが、「インドの食事はまずい」と耳にするにつけ、「こうやって食べるとおいしいですよ」と伝えたくて仕方なくなる。ジレンマだ。
最低限の日本の調味料などがあれば、インドの食材で十分においしい日本的な味を実現できるという具体例を、紹介していきたいと思うのだが……。
たとえば夕べのマトンのグリルも、短時間で準備でき、超簡単で、おいしかった。なお、下の写真は「調理中」である。マトンは焼きすぎずにミディアム・レアくらいが美味であるが、お好み次第である。
塩こしょうとオリーヴオイルでマリネした骨付きマトンを、タマネギと一緒に炒めただけ、である。
塩こしょう、オリーヴオイルが上質のものであれば、なおよい。
それらを、「手で」しっかりと揉み込むのがポイント。
30分から数時間、放置するとなおよい。急ぐときは放置せずともよい。
インドのタマネギは水分が少なく、味が濃厚なので、やや多めのオイルやバター、もしくはギーで、じっくりと飴色になるまで炒めるだけで、美味なる付け合わせとなる。
マトンは片面を強火で焦げ目がつくほどに焼き、裏返して火を弱めて加熱するとよい。場合によっては蓋をする。
マトンの代わりに鶏肉でもおいしい。
昨日は急いで作ったこともあり、タマネギがじっくりと炒められていないうちに肉を投入してしまったが、できればタマネギは、肉とは別に弱火でじっくり炒めたものを、焼き上がった肉に絡めるか、上にソースのようにかけるとよい。
なお、さまざまな肉屋の肉を試してみたが、先日も書いた通り、わたしはバンガロールのBAMBURIESがやはり一番気に入っている。
大半が冷凍されているものだが、電話で新鮮なものはあるかあらかじめ確認すれば、そのときどきでお勧めの品を教えてくれる。鶏肉は新鮮なものが多い。
バンガロールに在住でも知らない方がいるということを耳にしたので、念のため情報を載せておく。店頭で頼めばメニューをくれる。
界隈は交通量が多く埃っぽく、車を停める場所がないので、慣れたら電話予約をして大まかな値段を聞き、ドライヴァーに取りにいってもらうといいだろう。
BAMBURIES
39/1, Richmond Road
080-2530-1949
■我が家でよく購入するもの
・ホール・チキン(丸ごと。小振りのものが、脂身が少なくてよい)
・ホール・チキン、カット(丸ごとをカットしてもらったもの)
・マトン・チョップ(肋骨付きのヤギ肉。インドのマトンはなぜかヤギ。ゆきちゃ〜ん)
・マトン・ウイズ・ボーン(骨付きヤギ肉)
・ポーク・ウイズ・ボーン(骨付き豚肉)
・ポーク・スペアリブ(骨付き豚バラ肉)
・ビーフ・フィレ肉(牛肉はこれだけ)
・各種ひき肉(鶏肉、豚肉、マトン肉)
・たまに豚肩塊肉(塩竈焼きに好適)
・たまにエビ類。ラッセルマーケットよりは高いが、質は良い。
丸ごとの鶏肉は、オーヴンで丸焼きにしてもよし、たっぷりの野菜とともに圧力鍋でゆでてもよし。抜群のだしが出て、コラーゲンもたっぷり、健康にもたいそうよい。
丸ごとの鶏肉は、慣れれば裁くのも簡単だ。ぶつ切りは鍋などにも好適。ぱさぱさのササミなど、肉の部分だけを食べるよりも、骨付きの方が栄養価も高く、旨味が詰まっている。
ぜひとも、お試しあれ。