GDP年率12.7%減、35年ぶり大幅ダウン(YOMIURI ONLINE)
戦後最大の経済危機、09年度予算成立に全力(REUTER)
Worst Isn't Over for Japan: GDP Posts Biggest Drop in More Than Three Decades(THE WALL STREET JOURNAL)
日本の経済が、たいへんな状況にあることは、日本に住んでいなくても伝わってくる。わたしが敢えてインドから、こんなことを発信することはないのだが、あまりにも衝撃的だった、中川財務相の姿。
中川財務相の会見の様子を、YouTubeで見た。目を覆いたくなるような姿。飲酒と風邪薬の「相乗効果」であのような状態となり「誤解を招いた」とのことだが……。
誤解? なにが誤解なのだ。単なる酔っぱらいそのままじゃないか。
脳障害の兆しといった病気であるのならば、それはお気の毒ながらも納得がいくが、これでは単なる酔っぱらいおやじではないか。
あまりの衝撃に、身の毛がよだつ思いだ。なぜ周囲がなぜ引き止めないのだ。それとも周囲の助言など聞き入れない暴走大臣なのか。
どんなに賢くて優秀な男か知らぬが、あんな無様な姿を世界に晒すなんて、情けないにもほどがある。
しかも、財務大臣。いや、何大臣だって、あんなじゃ困るが、よりによって、こんなにも世界的な経済危機が叫ばれている中で、あの姿はないだろう。
あれほどまでに自己管理をできない人が、どうして重職に就けるのだろう。
あんな姿を世界にさらしても、のうのうとしていられる図太さが、評価されるべきポイントなのだろうか。インドだけじゃなく、日本の有様もまた、異次元空間。血の気が引きまくる。
と、憂鬱な出来事についてはさておき。
とでも呼びたくなる、店主の姿。久しぶりに、クロフォードマーケットへ出かけた。そもそもの目的は市場近くにあるテキスタイル専門店で、サマードレス用の布を買うことである。
試しに、件の「デザイナー集団」に、衣類を数着、作ってもらおうと思うのだ。好みに合う布が1、2種類、見つかった。大量の中から、しかし少しでも見つかってよかった。
どのような布を購入したかは、後日、紹介したいと思う。布の購入後、市場を巡る。本日のターゲットはコルカタ産マスタード。昨年のコルカタ取材で2本購入していたマスタードを、ほとんど使い切ってしまった。
東京時代より好んで使っていたフランス産のマイユの粒マスタード。イタリア産のヴァージン・オリーヴオイルと並んで、個人的経済危機時代のささやかな贅沢であった。
米国に移ってからは、マイユの他にもお気に入りの粒マスタードをいくつか見つけて、交互に購入していた。
インドでは国産、輸入(主に英国)、それぞれに数種類手に入るには入るのだが、おいしいと思えるものにまだ出合わない。今のところ、コルカタ名物のマスタードが一番のお気に入りなのだ。
大きなボトルに入って、1本が50円程度と激安。ターメリックで着色されているので、鮮やかな色でも気にならない。
さて、市場では、何店舗も巡ったけれど、わたしの望むものは売られていなかった。いくつかのブランドがあるが、ローカルのものは右下の写真のように、ボトルに入っている。
唯一見つけたのは、一応コルカタ産だが、チャイニーズなブランドのもの。コルカタはインドで唯一チャイナタウンがある街だ。そこで作られているのだろうか。
ともあれ見た目は酷似しているし、試してみようと購入した。安いし。
買った途端、ラヴェルがはがれ落ちるところがインド的。一方、気に入って使っていたHUDSON'S。よくよく見れば、社名はHUDSON CHEMICAL WORKSとある。ケミカル……。食欲を減退させる社名である。
いったい他に何を作っている会社なのか。社名からして販売戦略の足を引っ張っているとしか思えぬが、まあ素朴においしいのでよい。
ちなみにスジャータがくれたこのブランドのマスタード(写真は下の方)もおいしかった。
ところで今日は、久々に一眼レフのカメラを使用した。大きくて不便なので、このごろはほとんど使っていなかったが、素人向けの安い一眼レフとはいえ、小さなデジタルカメラよりは味わいが出ている気がする。がどうだろう。
モニターを見るのではなく、ファインダーをのぞくという行為が、撮影するわたし自身の気持ちを「撮るぞ!」と盛り上げてもくれる。
しかし写真の印象が普段と変わらないのであれば、やはり小さなカメラで十分のような気もする。今は小さくても、どんどん性能のよいカメラが発売されているようだし。
テキスタイル店では、サマードレス用にシルクの布を2.5メートル、それから普段着の長袖トップ用に肌触りのよい木綿の布を1.5メートル買った。
右下の鮮やかなオレンジの果実は、食用ほうずき。束ねて糸でまとめて、売られている。
クロフォードマーケットの外観は、距離をとって眺めると、とても美しい。近寄ると、とても汚い。
生鮮食料品、加工食品、日用品など、さまざまな商品を手に入れることができる市場。しかし、こういう場所に来ると、自分がいかに異邦人であるかを毎度痛感させられて、無駄に疲れる。
「チャイニーズ?」
と百万回くらい聞かれた。
「パシュミナ!」
「ダージリンティー!」
口々に商品名をつぶやきながら、見知らぬおっさんたちが百万人くらいつきまとってくる。いい加減にしてほしい。露骨にカメラを掲げていたのも敗因だった。
ニンニクタマネギジャガイモの王様。
パパイヤ、ブドウ、マンゴー……。この国の果物の豊かさ。見ているだけでうれしくなる。
軽くチャイとビスケット、のつもりが、みんなが食べているBRUN MASKAがおいしそうで注文。
塗られたバターが多過ぎて、カロリー過多。
パンだけだったらよかったのに。
しかし、みながやっているように、甘いチャイに浸して食べると、かなり美味。
チャイ休憩のあと、界隈を散策。そしてセント・トーマス教会で、ひとときを過ごす。