スイス旅行中に、無闇に写真を撮り、旅の記録をこまめに綴り続けたせいか、ニューヨークに戻って来たら、すでに旅が終わったような気分で、カメラを持つのも飽きてしまった。
従っては、初日の写真を織り交ぜつつ、ここ数日の出来事を。
昨日は、主には買い物で過ごした。夫のビジネスシャツは、ニューヨークに来るたびに、Brooks Brothersで調達している。五番街の店舗がクローズし、六番街の新店舗は工事中につき、グランドセントラル駅に近い店舗へ足を運ぶ。
それからジーンズ。夫は2本、わたしは1本、新調した。夫がオフィスに履いていくパンツは、インドにも進出しているDocker'sで購入しているが、ジーンズもインドであれこれ手に入るものの、買ったことはない。
夫も今回は、わたしが気に入っているLucky Brand のジーンズを購入。店員の女の子が、ジーンズに対する知識が豊かで驚いた。
わたしが現在履いているジーンズのタイプを、ジャケットを着ているにも関わらず即座に言い当て、同じシェイプのものにするかどうか尋ねてくれる。
おでぶなアルヴィンドの体型がスリムに見えるデザインのジーンズも発掘して来てくれて、それがまたいい感じ。ジーンズが好きで、仕事に熱意を持った人なのだということが見て取れ、とてもいい買い物ができた。
そして、またしてもJ.Crewで、ムンバイの猛暑をしのぐべく、わたしは八分丈の無地パンツを数本選ぶ。インドの衣類は、トップが派手派手柄物が多いので、ボトムは無地の方が需要が高いのだ。
以前、柄物のパンツを買ってしまい、結局は滅多に履くこともないなど失敗をしてきたが、インド生活も4年目となると、実用的なものがはっきりと見えてくるのがよい。
つまりは、あまり買い物をする必要がないことに気づく。
靴も、主にはサンダルだから、ストッキングやソックスを履く必要のある靴はほとんど履かない。以前は、半年ごとに米国を訪れるたび、あれこれと買っておかねばと思う気持ちが強かったが、今回は「いらないかも」という場面が多い。
インドでもここ数年のうちに、手に入るさまざまが増えたせいもあるだろう。
それにしても、スイスから戻ってくると、すべてにおいて物価が安く感じる。食べ物にせよ、ファッションにせよ、都市部のみ滞在したせいかもしれないが、スイスは本当に、物価が高かった。
ひとつショックだったのは、いつもニューヨークに来るたびに足を運んでいたIZUMI SALONがなくなっていたこと。店主のいづみさんには、十年以上、髪を切ってもらっていた。
ニューヨークで、彼女と話をすることも楽しみだったのに、電話をしても「使われていません」と出る。直接店に赴いたら、他の日本人経営の美容室が入っていた。
聞けばいづみさんは、昨年、夫の故郷であるシンガポールに移られたのだとか。
シンガポールで、また新しいサロンを開こうとしているのかもしれない。あるいはもうすでに、開いているかもしれない。ともあれ、再会できなかったのは残念だが、彼女の新しい門出を祝したい。
わたしの髪は、来月、日本で切ろうと思う。
昨日のランチは、わたしが無性にトンカツが食べたくなったこともあり、ミッドタウンの「かつ浜」へ。右上は、ソースに加えるための「胡麻をすっている」夫である。胡麻のいい香りが食欲をそそる。
黒豚ロースによるトンカツと、海鮮トンカツを注文し、二人でシェアした。インドでは手に入らない、適度に脂身のついた柔らかくて美味なる豚肉。そして懐かしのカニクリームコロッケ。エビも大ぶり。二人で黙々と食した。
この日、わたしも夫もそれぞれの用事があり、食後は各自で行動。夜は合流して、毎度おなじみ叔父夫妻が暮らすアッパーイーストサイドの邸宅を訪問し、夕食を共にしたのだった。
本日はあいにくの小雨模様。とはいえ、外を出歩くのではなく、ランチを友人の真由美さんと取るべく約束をしているので、問題はない。
久々にトライベッカへ赴き、日本料理店「松玄」へ。そばの専門店らしいが、それ以外の日本食も供している、インテリアもすてきな店である。
梅酒は上品に爽やかな味わいで美味。
加えてランチは見た目にも麗しい。
料理を楽しみ、そして多岐に亘る会話で盛り上がり、本当によきひとときであった。
食後は再びミッドタウンへ戻り、今日は税金の作業で会計士のもとを訪れていた夫と合流。
雨はなかなかやまず、夕刻はホテルに戻り、静かに過ごしたのだった。
そうして残すところ2日半となったニューヨーク滞在。
明日は自動車免許証をカリフォルニアからニューヨークに切り替えるべく、NYDMVへ。うまく移行し、更新できることを祈るばかり。
今回は、あれこれと所用が多く、いつものようにエンターテインメントを楽しむ時間なく、過ぎていきそうである。