日曜の夜。久しぶりにNCPA (National Theatre of Performing Arts)へ赴き、演劇を観て来た。男優、女優、一人ずつの「二人芝居」である。
タイトルは、LOVE LETTERS。1940年代の米国。当時大学生だった幼なじみの二人は、文通を始める。芝居は、それぞれが手紙に記した言葉を交互に読み上げる形で進められる。
途中で互いを恋人と思う時期もあったが、それぞれに伴侶を得、子供を育て、異なる人生を送っていく。やがて年老いた二人はしかし、定期的な手紙のやりとりをする。
そして最終的には、女性の死によって、文通は終わる。
1時間半の間に、数十年の時代が流れる。それに応じて、二人の俳優が、少しずつ年老いた様子になっていくのが、見事である。いつのまにか、声も、話し方も、仕草も、年を重ねているのである。
実際の、彼らの世代が、わからなくなるくらいに。
ちなみに男優は、以前同じシアターで観た演劇"Me Kash & Cruise"に出ていた人物。いくつもの役柄を変幻自在に演じていた魅力的な人だ。
彼のお芝居をまた観たいと思っていたので、とてもうれしかった。
ちなみに左の写真は、上演前のシアター。
小学校の学芸会的ムードがインドである。
しかし、このキューブだけで、机や、ベッドや、ソファーや、さまざまな家具ができ上がって、面白かった。
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4つが凸型にくっついたものと、ふたつのキューブを、男女それぞれが持っている。それを立てたり、倒したりしながら、セットしていく。
ものすごく狭い家に住んでいたら、実際こういうキューブを組み合わせて生活してもおもしろいのではないだろうか、などと思ったりもした。
最後に、女が亡くなったとき、男がキューブで墓標を作った。それがとても印象的だった。
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サルヴァドール・ダリの「超立方体的人体/磔刑」を思い出した。
映画にせよ、音楽にせよ、演劇にせよ、「鑑賞する」ということは、なんにしても、よい。もちろん、心地よく観られるものに越したことはないが、ともあれ、普段は使わない記憶の扉が開かれ、脳内の一部が浄化されるようである。
以下は、週末の写真から。
土曜の朝は、いつもと違う鳥のさえずりで目が覚めた。そう、バンガロール宅では愛らしい野鳥の声が聞けるのだが、ムンバイでは、いつもカラスのけたたましい鳴き声である。
しかし、今日は同じけたたましいでもカラスではない。
窓から空を見上げれば、緑のオウムの群れであった。左上の写真がそれである。この緑のオウム。多分、インドで全国的に生息していると思われる。バンガロールでもデリーでも見かけた。
バンガロール宅では、いちど、やたら人懐っこいオウムがやってきて、アルヴィンドと仲良く昼ご飯を食べていたものだ。
あれはかわいかったなあ。
ところでバンガロールには、巨大オウム寺院もあるくらいだから、それなりに大切な鳥なのだろうと察せられる。
右上の写真は、言うまでもなく、ビールである。キングフィッシャーはインドブランドのインドビールだが、今日はインドで生産されたタイのタイガービールを見つけたので購入してみたのだった。
右のカールスバーグもそうだし、バドワイザーなどさまざまな海外ビールが、昨今インドで製造されるようになった。ということは、以前も記した。
ところでタイガービール。おいしかった。タイ料理を食べたくなった。
タイ料理は、インドの食材で作れるものが多い。ココナツミルク、レモングラス、バジル、パクチー、ターメリック、チリなどはもちろん、ニョクマム(魚醤)や米麺などの加工食品も手に入る。
今度、久しぶりに作ってみよう。
【数時間後……】ふと、気がついた。タイのビールは、金色のラヴェルのシンハー、ではなかったかと。となると、あれ? タイガーは、どこのビールだったっけ……? シンガポールのビールだった。ごめんシンガポール。
ところで、日本のレシピサイト「クックパッド」はすごい。作りたい料理の名前とレシピを検索サイトにかけると、たいてい上位に出てくる。
一般の人たちが、あれこれと工夫して料理をしている様子が印象的だ。こまめにレシピを公開しているところもまた。
わたしは料理を作る際、日本語、英語の両方で検索し、レシピに応じて日本のもの、あるいは英語圏のものを使用している。
今回、「クックパッド」にあるレシピを参考に「ネギピザ」を作ってみた。というのも、スーパーマーケットで新鮮なネギが大量に売られているのを見つけたからだ。
インド国内産のモッツアレラチーズも、ピザにすればかなりいけるため、これも併せて購入しておいた。あとは、醤油とマヨネーズが素材。
醤油とマヨネーズを混ぜたものを生地に塗り、その上に「大量のネギみじん切り」をこんもりとのせ、その上にチーズを載せて焼くだけである。
このごろは、「粉を捏ねる」が日課になっているため、ピザ生地も作る。クッキングシートがないためアルミ箔に載せて焼いた。左上の写真がそれである。見た目は今ひとつだが、これがネギの風味がよく、美味であった。
右上の写真は、見た目失敗作だが、味はそれなりにおいしかった硬めのパン。本当はクーペ風にしたかったのだが、どう見ても、違う形。平べったくなりすぎだし、切れ目も浅すぎる。
チアバッタのようなもの。ということにしておこう。
ともあれ、焼きたてはそのままでおいしいし、冷めたらオーヴントースターでこんがりと焼くのもいい。
パン作りが、日々の料理の中に自然に溶け込み始めている。パンの捏ねが二の腕エクササイズになるような気もする。それは一石二鳥ともいえる。
インドの家庭が毎日チャパティを焼くように。インドの多彩な「粉物」を活用して、今後もパン作り、精進したい。