バンガロールに戻って1週間がたった。年末ということもあり、イヴェント盛りだくさんのような気がするが、実際には、日本の忘年会シーズンなどに比べると、スロー且つ呑気なものである。
今日は、ムンバイ宅で使っていた自家用車も届き、これで引っ越し関連の一連の業務は完了だ。と言いたいところだが、まだ段ボール箱多数の開封が終わっていない。ゲストルームに置き去りのままだ。年内に片付けたいものだが、あやしいところだ。
木曜日は久々に、OWCのコーヒーモーニングへ出かけた。バンガロールの社交シーンは、ムンバイに比べると、なぜかしら穏やかなムード。人々が放つ空気がリラックスしている。都市の個性が、人々の感情にも反映するのだろうか。
わたし自身、バンガロールの友人らの前では、
「ムンバイは都会よ〜。バンガロールは田舎だわ」
などと、自分ちがバンガロールにあるにも関わらず、「ムンバイカー気取り」な2年間だったのだが、戻って来た途端にネジが緩むのがわかる。
さて、ランチはおなじみLeela Palaceのダイニングで、友人らと共に。火曜日に、「もう一生会えない気がする」発言をしていたS嬢も一緒である。
ランチの後、打ち合わせを終えた夫アルヴィンドとLeelaのショッピングモールにあるカフェで待ち合わせ。S嬢もお別れにとアルヴィンドに会いに来てくれた。
お似合いの二人。という仕上がりである。
これくらいの身長差が、絵的にビューティフルよね〜。と、妙なところで感心する。
アルヴィンドはわたしよりも、4センチくらいは高いのだが、世間からはわたしの方が長身だと思われている。
彼の靴よりも、かかとが高めの靴を履いているから、ということもあるが、妻の態度のデカさも心理的に作用しているかもしれない。
そんな話は、はっきりいって、どうでもいいかもしれない。
アルヴィンドが書店で本を探している間、わたしはショッピングモールで新しい店を発見した。PLANTATION HOUSEというその名の店。米国のEileen Fisherの衣類を彷彿とさせる、素朴な風合いとシンプルなデザインの服が、上品に並んでいる。
店にいた写真の彼女に「オープンしたばかりなのですか?」と問うたら、先週の土曜日に開店したばかりだとか。聞けば彼女、シャリニの店なのだと言う。
この仕事を始めて15年だというシャリニ。これまではいろいろな店に商品を卸していたが、第一号店をようやく持てたらしい。
やはり米国のアパレルショップ、ANTHROPOLOGIE風の、米国の開拓時代を思わせるインテリアは、友人の建築デザイナーが手がけたのだとか。
シャリニがすべてデザインし、裁断したという衣類は、自宅の工房で、数人の職人たちと作り上げられている。インドの素材が用いられた、肌触りのいい手作りの品々。とてもやさしい風合いだ。
わたしは綿と絹の混紡の、シンプルな紅色のオーヴァーシャツを買った。
やさしい笑顔の、とても感じのよい彼女。初めて出会った見知らぬ女性でありながらも、店のオープンを祝せずにはいられない、そんな雰囲気を漂わせていた。
■PLANTATION HOUSE←ホームページ
その後、コンタクトレンズを調達しようとMGロードのショップに立ち寄る途中、なじみのある黄色い看板の店を発見! 米国はボストン発のAU BON PAINである。
米国ではあちこちで見かけるカジュアルなカフェ&ベーカリーだが、インドで見ると「ハイカラな感じ」が漂っている。
店内をのぞいてみようと近寄れば、しかしまだオープンしていない。マネージャーらしき男性が近寄って来て、
「マダム、あと10分で開店します」
とのこと。その開店とは、グランドオープニング。正真正銘の、開業である。
「どうぞ10分待ってください」
と言われたものの、車で夫が待っているので、その場を去った。今後インド国内に50店舗のオープンを計画しているらしい。
ボストンのハーバードスクエアに一号店があるAU BON PAIN。学生時代をボストンで過ごした夫が懐かしがるかも、とメニューを持参して車に乗り込んだ。
「ノスタルジックでしょ?」
と言うわたしに、
「別に」
とつれない男。
そういいながらも、メニューを食い入るように見つめ、
「インドならではの料理が多いね」
「あ、これおいしそう!」
「やっぱり全体に安いね〜」
などと感心している様子。挙げ句、「ねえ、帰りに食べて帰る?」と積極的。食べて帰る案は却下したが、一度は試してみたいものである。
その後、コマーシャルストリートで、先日アルヴィンドがスーツを仕立てたテイラーPRISTAGEを再び訪問。着心地がかなりよかったので、改めてスーツやパンツを作ってもらうことにしたのだ。
今日は、店のマネージャーがいて対応してくれた。写真中央のおじさまがそうである。この店は1956年に創業した老舗らしい。同名の大手不動産会社なども擁するPRISTAGE GROUPは、このテイラーが出発点だったのだとか。その話には、夫もわたしも非常に驚いた。
「僕は、PRISTAGEの歴史とともに生きて来たんですよ」
というおじさまに店の変遷などを聞きつつ、スーツ作りに関するアドヴァイスを受けつつ、チャイをごちそうになりつつのひととき。
インドでは、ちょっと街に出ただけで、人との関わり合いに遭遇する。見知らぬ人と、打ち解けて話をする機会がとても多い。そんなインドでの暮らしを、わたしはとても楽しんでいるのかもしれないと、今こうして記しながら、再認識する。
ところで昨夜、金曜の夜は、急遽、わが家でクリスマス・パーティを開いたのだった。
訪れようと思っていたパーティへの参加予約を、アルヴィンドはわたしが、わたしはアルヴィンドがやっているものだと思い込んでいて、結局定員オーヴァーで行けなくなってしまったがゆえ、パーッと騒ぎたかったわたしは、自宅に友人らを招くことにしたのだった。
ご家族連れご一行さまも含め、20名ほどが集まり、賑やかな夜となった。
「一生会えないかも」のS嬢も訪れ、もうすでに二度も再会を果たしている。
愉しき一夜の記録は、『きれいごとブログ』に記しているので、ご覧いただければと思う。
夕べ、ゲストが帰宅したあとも、深夜過ぎまでだらだらと起きていたせいか、今朝は10時過ぎまでベッドから起き上がれず。
今日すませる予定だった仕事に手を付けることなく、だらけた一日を過ごしてしまった。たまにはこんな日があってもいいだろう。明日はがんばらんとな。と、自らに喝を入れつつ、一人プチ師走感を味わう夜。
最新の『インド発、元気なキレイを目指す日々』(←文字をクリック)
■在住外国人女性たちのクラブ、OWCの会合
■突然のクリスマスパーティ@ホーム
■社会的責任としての、慈善活動。