目覚まし時計が鳴る前に目覚めた。カーテンを開けば、今まさに、太陽が上らんとするところ。軽くストレッチと呼吸法エクササイズをし、シャワーを浴びて、朝の散歩に出かける。
ホテルはマルタ島の首都、ヴァレッタの旧市街の入り口に面していることから、徒歩数分で、ユネスコ世界遺産に指定されている街並みに足を踏み入れることができるのだ。
冷風も心地よい朝の古都。坂道も、階段も、ぐんぐんと歩きたくなる情景。なんと麗しい場所だろう!
ロバート・レッドフォード主演の映画『華麗なるギャツビー』で現れたメガネ店の広告
◎朝食をすませ、車でマルタ島観光へ
昨日の暴風雨は、街の木々をなぎ倒し、石塀を崩し落とし、随所で傷跡が残されている。そんな中、我々は、ガイド兼運転手のピーターの案内で、島の随所を巡る。
彼のメルセデスはドライヴァー含めて8名が乗車できるので、参加者全員が1台で移動。便利だ。
朝の青空は、昼ごろから雲に覆われ始めたものの、雨さえ降っていなければもう、それだけで「いい天気」だと思える。
海に囲まれたこの国は、漁業や農業が豊かかと思いきや、国を支えているのは観光業だとか。魚介類もレストランやホテルに流れ、庶民には高級食材でもあるらしい。
ホテルのシャワーの水。塩素臭がかなりきつかったので、水が豊かな国ではないのだろうと察せられたがその通りで、農業用水を確保するのも困難な様子。ゆえに、特筆すべき農作物はジャガイモくらいだとのこと。あとは、「ウサギの肉」が国民食でもあるらしい。
道中、マルタの歴史や文化などを聞きながら、しかし女子らのおしゃべりや歌がかしましく、まるで修学旅行のようである。
あっちこっちでポーズを取っては写真撮影。取りあえずは思い出に、極力絞り込んで、ネット上に残しておきたい。
あいにくの曇天ではあったが、それでも深い藍色が美しい「青の洞門 Blue Grotto」。
ヴァレッタが築かれる前、マルタの首都だった古都、「イムディーナ Mdina」。
聖エルモの砦 Forti Sant'Iermu あたりから、グランドハーバーを望みつつ散策。好天の夏日には、きっと爽やかな海風が心地よく、眺めも格段にいいことだろう。
外で食事をするには少し寒いが、しかしせっかくなのでハーバーでランチ。主にはシーフードのイタリアン。ヴェジタリアンの友人ら(2人)には、選択肢が少なく、気の毒ではある。
インドでの日常から遠い旅先で、こうして共に旅する不思議なご縁。28歳のとき、欧州を3カ月、列車でひとり旅をしていたころのわたしには、想像すらつかなかった未来の自分。