今日はメモリアルデー(戦没者追悼記念日)。毎年、5月の最終月曜日、兵役中に他界した米国人兵士たちを悼む日である。今年は5月27日。個人的にもメモリアルデーであった。亡父が他界してちょうど15年。心鎮めて祈りたく、クリスチャンでもないのに五番街のセントパトリック・カテドラルに立ち寄る夕暮れ時。折しもミサが始まって、しばし昔日に思いを馳せる。
心を鎮めるつもりが、気持ちが沈んでしまいもして、歳月を重ねて軟化する心と、歳月を重ねてむしろ硬化する心の、双方の渦巻きに戸惑う。光あれば闇あり。人間であれば誰しも。いや、猫でさえ!🙀
話が前後するが、ランチタイムはホテルにほど近いギリシャ料理店Estiatorio Milosを訪れた。なにしろ早めに寝ることになるから、夕食はフルーツくらいですませることに決め、ランチをしっかり楽しもうということにした。
この店、創業して20年近く経つらしいが、我々夫婦は初来訪。ディナーやアラカルトに比して、前菜、主菜、デザートが供されるランチコースはリーズナブル。料理はシェアしやすいので、二人別々の料理を注文して異なる料理を楽しめるのもいい。
アペタイザーはタコのグリルとフムスを、メインは白身魚のグリルとラム肉を注文。ヴォリュームもあり、とてもおいしい。毎年、かつての常宿に近いセントラルパークに面したトランプタワーにあるNougatine at Jean Georgesにて、ランチを楽しむのが常だったが、こちらの方がサーヴィス、インテリア、食器やカトラリーの質など、かなりいい印象。コストパフォーマンスもこちらの方がよい。
料理は好みもあるだろうけれど、わたしたちはこの店が気に入った。また来年も来ることだろう。
食後はそれぞれに別行動。わたしはメモリアルセールに沸き立つ五番街を歩き、いつものSAKS FIFTH AVENUEへ。内装工事が終わって見通しのよいモダンな雰囲気に変わっていたが、かつての重厚感は損なわれ、チープな雰囲気になっていたのが意外だった。
このデパートメントストアは、主には高級ブランドを擁し、全般に高額なのだが、毎年必ず、「お手頃で、いい感じの服」を「発見」することができるので、つい足を運んでしまう。それにしても、買い物とは根気のいることである。特に買い物好きではないので、途中で面倒になるのだが、今年もやはり、なかなかにいい感じの1枚を発掘した。
インドに暮らし始めてから、食品添加物の多い食べ物を受け付けなくなったが、化学繊維の服も同時に、着用が困難になってきた。いつも木綿や絹、麻、竹や樹木の繊維で作られた肌触りのいい天然素材を着用しているので、化繊の服を着ると、皮膚が苦しく感じたり、かゆくなったりするのだ。故に、選択肢は自ずと絞られる。
もちろん、完全な天然素材の服を見つけるのは困難で、混紡の繊維を選んで試着してみる。着用直後は心地よくても、3、4分後に違和感が襲って来るので、「いいな」と思っても、即決せず、しばらく待つ。
幸い、米国のデパートメントストアなどの試着室は無駄に広く、巨大な三面鏡や椅子などが備え付けられていることもあるので、ゆっくりくつろげる。巨大な三面鏡では、普段見ることのできない全身の後ろ姿などを映してみる。加齢が顕著に目撃できて、ほぼ拷問。「うぉ〜、おばさんっぽい!」「この、お尻のたるみは、なんなんだ?!」と自虐的に心中で叫んだりしつつ、年に一度、現実を直視する好機である。
どうでもいいことを、書いてしまった。