夕暮れの街を歩くうちにも、お腹がすいてきた。ホテルのスタッフから、花見小路界隈を歩いていれば、飲食店がたくさんあると聞いていた。適当に雰囲気のよさそうなところに入ればいいねと話していたのだが、なかなかぴんと来る店がない。
自分だって外国人観光客のくせに、外国人観光客が多くていやだと不機嫌になる夫。
「土地の人だけが知る、隠れ家のような店に行きたい」などと、急に難易度の高い要求をする。その責任を、わたしに託す。
勘弁しろ。
京都になじみのないわたしだって観光客。四条通りに出たあたりで、Google Maps を検索。すると「これだ!」と思う店が出てきた。
路地裏にある雑居ビルの2階。入った瞬間、「ここはいい!」と、ぴんと来る。日本語でのメニューしかない、まさに隠れ家的な佇まい。わずか8つのカウンター席があるばかりだ。普段は予約でいっぱいのようだが、幸運にも2席が空いていた。
5年前に開業したという「祇園関屋」というこの和食屋さん。料理人の関屋さんとアシスタントの女性が切り盛りされている。メニューに「博多水炊き」や「明太子」の文字が並ぶので、京都なのにどうしてだろう……と思ったところ、なんと関屋さんは福岡市のご出身だとのこと。我が故郷の名島界隈にもなじみがおありだとのことで、いきなり親近感。
お通しに始まり、豆腐にサラダ、ぶりの刺身、たけのこの煮付けや山菜などの天ぷら……どれもおいしくて、感動! 大げさではなく、本当においしくて、びっくりだ。
自分の勘のよさを自画自賛せずにはいられない。Google Maps、ありがとう!
味の詳細を記したいが、これから外出。ともあれ、すばらしい夕餉だった。また来たい。多分、来る。
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