わたしたちが1泊目に滞在したホテル白馬は、白馬駅から北に伸びる322号線沿いから、少し西へ外れた場所にあった。チェックアウトが10時だと知らず、部屋でのんびりしていたら、フロントから催促の電話。早過ぎやろ! と突っ込みつつも、慌てて荷造りをして、界隈を散策する。
ホテルのすぐ近くに、日本のアウトドア用品ブランドの「スノーピーク」がある。昨今のグランピングブームに伴う記事などで、わたしも同ブランドの名前を知ってはいたが、実際に目にするのは今回が初めて。高品質なアウトドア・ファッション、おしゃれなキャンプ用品……。新しいブランドかと思いきや、母体は1958年に新潟に創業した金物問屋だという。
山の稜線とシンクロするような姿が美しい白馬店の建築は、東京オリンピックの国立競技場を手がけた隈研吾氏によるもの。同氏による太宰府天満宮の斬新なスターバックスカフェと似た意匠も見られる。
322号線沿いのPatagoniaやThe North Faceなどのアウトドア用品店にも足を伸ばす。米国在住時、ヨセミテやイエローストーン、グランドキャニオン……と、あちこちの国立公園を訪れ、トレッキングしたことを懐かしく思い出す。
お昼ごろ、村田さんが来てくれ、「道の駅」に連れて行ってくれた。ここで長野県土産を購入。戸隠そばや日本酒、餅や味噌なども。
村田さんお勧めの「そば神(じん)」で遅めのランチ。ざるそば&山菜の天ぷらなどを味わう。今回の旅で、わたしは生まれて初めて、山菜のおいしさを知った。
山菜といえば、パック入りなど加工されたもののイメージしかなかったからだ。
旬が短い摘みたての山菜を食べられるのは、その場に赴いてこそ。今回は、京都でも、白馬村でも、山菜の天ぷらを味わえてよかった。去年まで、この季節に一時帰国をすることがなかったから、春や初夏の日本に疎かったのだ。
ランチの後、村田さんに次なるホテルへ送ってもらい、そこで別れを告げた。実は諸事情あって、数日前にホテルを変更することになったのだが、怪我の功名の極み。実にいいリゾートに、今、滞在している。(つづく)
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