昨日は、櫛田神社界隈を散策した後、『博多本』をパラパラとめくり、最寄りの気になる場所を訪れた。「博多旧市街」との名称で観光客向けに整備が進められているらしき界隈。日本人よりも、外国人観光客の姿が目立つ。
真言密教の祖である空海が「日本で最初に」建立したという「東長寺」へ。「九州八十八ケ所第一番霊場」の文字が目を引く。その歴史は古い一方、まだ新しい2011年建立の五重の塔が美しい。ふらりと境内を歩いていたら「福岡大仏」の文字。初めて知ったな~。入場料50円。安いな~。と、非常に軽い気持ちで、階段を上る。
入り口で、箱の中に50円を入れて中に入ろうと正面を見たら……!
思わず「オーマイガー!!」と声が漏れた。
もうね、びっくりですよ。それはそれは大きな、木造の大仏さまが、傾き始めた日差しを浴びて、神々しく鎮座されている。大きいだけではない、なんともお優しく威風堂々のたたずまい。こんなにもダイナミックな大仏さまがいらしたとは!
今、サイトで調べたところ、以下の一文が。
「五重塔が有名な東長寺ですが,実は日本最大級の大きさを誇る木造座像の大仏があるのをご存知ですか。」
知らん、知らんかったよ!
受付の女性に「すごいですね、ここ!」と話しかけずにはいられない。聞けば7割以上が外国人客だとか。知名度が低いのは、1988年(昭和63年)に作られた比較的新しい仏像だからだろうか。
写真撮影ができなかったので、様子をお伝えすることはできないが、看板の写真からは想像のつかない迫力だ。しかも、写真にはない、「黄金色の法輪」をお持ちでいらした。それが木造の御神体に映えて、とても美しかった。調べたところ、2022年11月に納められたばかりとのこと。コロナ禍や戦争で「苦しみ悩む人々を少しでも救えれば」(藤田紫雲名誉住職)との願いが込められているらしい。
臨済宗の祖であり、栄西禅師が「日本で最初に」開山した禅寺「聖福寺」へ。なお栄西禅師は、宋での留学を経て、臨済禅とともに「茶の種」と「喫茶法」も持ち帰っている。
ひっそりと、ひと気のない境内。池や禅寺を眺めつつ、黒猫としばらく過ごして仏殿へ。すると、仏殿前の柱(回向柱)に目が止まった。説明を読めば、この回向柱から伸びる「善の綱」は、ご本尊「釈迦、弥陀、弥勒」それぞれの右の御手に結ばれた金糸と繋がっているという。
つまり、回向柱に触れることで、仏様に触れることになるという。
これを読んだ後、心を鎮めて、両手のひらを回向柱に当てた瞬間、図らずも、涙が溢れてきた。しばし静かに世の安寧を願い、手を離した。なんという有難さか……。
満たされた思いでいたところ、外国人のご夫婦がいらした。この説明をして差し上げると、早速、回向柱に触れられていた。
実は昨日、博多町家でも、東長寺の地獄極楽巡りでも、居合わせた外国人観光客に対し、英語で説明をして喜ばれた。これは、夫と旅をしてわかったことだが、京都でも英語のツアーガイドの需要は極めて高く、特に知識豊富な人はひっぱりだこで、高額でもある。
福岡で数カ所巡りつつ、わたしが自分で勉強をして、案内をしたいくらいだと思った。米国やインドで視察コーディネーションなどをやり続けて来た身。日本の案内も、もちろんできる。
……が、わたしがやるのではなく。
世界を舞台に生きたい若者たち! いずれ海外に行きたい若者たち! 日本にいながらにして、グローバルな感性を育みたい若者たち!
地元のことを勉強し、まずはヴォランティアで、外国人旅行者のツアーガイドを始めてみてはどうだろう。
海外に出ると、「日本人である自分」を意識する機会が圧倒的に増える。母国を知っておくと、あらゆる面で役立つし、自分の人生が豊かになる。
①英語の勉強
②日本のことを学ぶ機会
③日本にいて異文化に接する
④海外に知り合いができる
⑤収入源にもなる
……一石二鳥どころか、一石二三四五鳥である。
なんども記しているが、わたしのインド友人の多くが、日本旅をしている。都度、諸々の情報を尋ねられる。観光地の情報はもちろんのこと、お勧めの食のスポット、あるいは伝統工芸など日本らしいものの「良質なもの」がどこで買えるかなど。
それらを自分なりに整理して友人らにシェアしようと思うが至らず。わたしも勧められるサイトなどをリサーチせねばと思いつつ、歳月が流れる。
英語でのツアーガイド。もちろん英語だけでなく、韓国語でも中国語でも……。
訪れる人たちに、日本のことをより深く知ってもらうために。
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