名古屋駅新幹線口を出て、ホテルへの道すがら。交通標識の地名に「則武」の文字が見えた。ノリタケ……。ノリタケって、地名だったのか! と、ハッとした。
名古屋が陶磁器メーカーであるノリタケの故郷であることは知っていたし、ミュージアムやショップを擁する「ノリタケの森」の存在も知っていた。しかし、今回の旅で立ち寄る予定はなかった。一方で、『明治村』のギフトショップで「フランク・ロイド・ライト」デザインによるノリタケ作のカップを目にした時、これは最終日に買いに行くべきか……とも思った。
有松巡りを昼過ぎに切り上げ、名古屋駅へ戻り、徒歩で「ノリタケの森」を目指す。ご記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、わたしは今年2023年5月、インドのノリタケの仕事で、ムンバイへ出張した。ノリタケの購買層に該当する富裕層が暮らす高級高層アパートメントのバンケットルームにて、日本の陶磁器の歴史と欧州へ与えた影響などをプレゼンテーションしたのだ。そのときの記録も下記のブログに残している。
1904年、愛知県に誕生したノリタケ。インドの隣国スリランカにも工場を持っているという背景もあってか、インドにおける認知度も高い。友人らの家でもティーセットを見かける。親日派の老婦人は、オールド・ノリタケのティーセットが宝物のひとつだと語っていた。
やはり、行くしかあるまい。
まずは多彩な食器やインテリア用品などを扱う「ノリタケスクエア」へ。ここのカフェで軽くランチをすませたあと、お目当の「フランク・ロイド・ライト」によるコーヒーカップ「インペリアル」(帝国ホテルで使われていた食器の復刻)をペアで購入。これは犬山で買った「犬山焼き」の一輪挿しと並んで、名古屋旅のいい思い出になる。また、アウトレットコーナーでは、驚くほど廉価で販売されているすてきなマグカップを2つ、購入したのだった。
ショップでは、わたしが好きなニューヨークのブランドMACKENZiE-CHiLDSのケトルやカップ類もある。大胆な黒と白のストライプや艶やかな花柄が印象的ですてきなのだ。なぜノリタケにニューヨーク? と思いつつ……。
ノリタケミュージアムで目にした「オールド・ノリタケ」のすばらしい作品(商品というよりは作品)については、次に綴る。「名古屋情景」が終わらない。
☕️インドの人々に、日本の伝統工芸と陶磁器の歴史を語る午後
~ JAPANESE CUTURE SALON by 25 SOUTH & NORITAKE ~
https://museindia.typepad.jp/fashion/2023/05/noritake.html
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