サッカラには、ジェセルの階段ピラミッドの周辺に複数の遺跡が点在している。中には、腰を屈めて歩かなければ頭をぶつけてしまう低い通路もある。腰痛を気にしつつも、さほど長い距離ではないので、潜ってみる。得も言われぬ地球のエナジーが、しんしんと、静かに染み渡ってくるような石の静謐。
中でも印象的だったのは、テティ王(2345–2323 BC)のピラミッドの北にあるメルエルカのマスタバ(墳墓)の壁画。当時の漁業や農業、屠殺の様子までもがリアルに描かれている。籠の具合や、魚の種類さえもわかるくらいのディテールなど、その生き生きと精緻な様子に見入った。まだまだたくさんの写真を載せたいところだが……尽きないのでこの辺にしておく。
ところで今、サッカラのことについて調べているとき、偶然にも半年前に訪れた名古屋のINAXタイルミュージアムの記事が出てきた。開いてみたところ、ジェセルの階段ピラミッドにあったとされる「王のための魂の扉」のレプリカの写真が目に飛び込んできた。これは見覚えがある……と写真のファイルを遡ったところ、撮影していた! 最後の写真がそれだ。数あるタイルの展示物の中でも、特に印象的だったので撮っていたのだ。
ジェセル王がエジプトに君臨するに相応しい人物だということがヒエログリフで刻まれているという。あたかも宝石のように見えるターコイズブルーのタイル。ちなみにピラミッド内部のタイルは剥ぎ取られ、世界中に散らばっているとのこと。ニューヨークのメトロポリンタン美術館に、その一部が展示されているようだ。
🇯🇵【名古屋情景⑦】陶器の里、常滑がツボすぎた! フランク・ロイド・ライト/近代日本の基盤を支えた「土管」/和製マジョリカ・タイル/ガウディのひまわりタイル!(2023/10/18)
https://museindia.typepad.jp/2023/2023/10/dr.html
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