先日、在ベンガルール日本国総領事館主催の天皇誕生日祝賀式典に招かれた。自分で撮影した写真はすでにシェアしたが、フォトグラファー&ヴィデオ・クリエイターのNikhilに依頼していた写真と動画が届いたので、ひとまず動画を最終編集し、Youtubeにアップロードした。
Nikhilに、初めて仕事を依頼したのは、2年前の京友禅サリー展示会のときだった。インドでは、大規模なパーティやイヴェントの際、フォトグラファーを招いて撮影をする。メディアのフォトグラファーが入ることもある。
あるとき、かつてなく、人の雰囲気をいい感じで捉えている写真を見つけ、主催者にフォトグラファーは誰かと尋ねたら、Nikhilだった。当時は学生の傍ら、写真を撮影していたが、現在は独立して、広告写真の撮影なども手がけている。
わたしが、大学を卒業して、旅行ガイドブックの編集者となり、初めてフォトグラファーと仕事をしてから、数十年の歳月が流れた。この間にカメラも、表現媒体も、人々の嗜好も、著しく変化し続けている。
不易流行。培われた基礎や基盤を大切にしながらも、新しい風情を取り入れる。
2年前の京友禅サリーを皮切りに、これまで着物とサリーの比較展示会や、春祭り、ジャパン・ハッバなどの撮影をお願いしてきた。会場で、わたしの意図を簡単に伝えるだけで、かなりイメージに近い写真を撮影してくれる。また、動画に関しては、縦向き、横向き、臨機応変に用意してくれるのも助かる。
横向きは保存版としてYoutubeチャンネルにアップロードするので、こちらの方に、力を入れてもらう。あらかじめ、使用したい音楽をわたしが選び、それに合わせて彼が編集。仕上がりを見て、修正したい箇所、加えたい追加のイメージなどは、わたしが写真を追加編集して体裁を整える。こういう作業は、とても楽しい。
たまに、動画が仕上がったあとに音楽が合わないと感じて、差し替えることもある。これがしっくり来たときの達成感もまた、たまらない。
今回は、わたしが大学時代に流行した、一世風靡セピアの『前略、道の上より』を選んだ。しかし、iTune Storeで音源を探すも、オリジナルの歌や演奏が、記憶の中にあるそれよりも、弱い。カヴァーを聴き比べたところ、このPureBoysというバンドの演奏がとてもよかったので購入した。
本来の目的は、京友禅サリーのプロモーション動画の制作だが、いくら京友禅サリーが美しいからといって、それだけだと、退屈な映像になってしまう。祝賀式典では、和太鼓や茶道、武道など、日本を伝える催しが展開されていたので、それらも「異邦人視点」で捉えてもらった。
想像以上に、迫力ある仕上がりになった。やはり、映像は強いなあ。当然ながら言葉では伝わらない臨場感にあふれる。もっと動画を活用すべきかと、改めて思う。
このたびお世話になった、在ベンガルール日本国総領事館の関係者各位に、感謝を申し上げたい。ありがとうございます。
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