インドに戻ったのが月曜。火曜水曜木曜と、脳裏に靄がかかったような日々だ。木曜の昨日はOWCの会合に参加したりと、社会復帰を試みたりもしたが、まだ心身ともに本調子ではない。
今日の午後あたり、ラッセルマーケットに出かけ、それからスジャータおすすめのマンゴー売りの店へ行こうと思う。デリーに行っているスジャータとラグヴァンも今夜戻って来る。週末は一緒にランチをとることになるだろう。
9月か10月には、デリーに引っ越すことになり、さて、わたしは何から手をつけるべきなのか。またもや混沌の日々が始まる。引っ越しの前に数回デリーに行く必要があろうし、その間、香港、ムンバイにも飛ぶことになる。
1カ月の旅のあと、いよいよ自分の身の振り方についてを考える時期が来ている気がしている。
40代であることにも慣れ始めた昨今、ちゃんとせんとな、という気分が切実に押し寄せてくる。年は関係ないが、関係あるのだ。なんなんだ。
……このブログはこういうことを書く場所ではなかった。以前は「サロン・ド・ミューズ」という会員制のコーナー(!)をホームページに設けていて、そこに日記や心境を記していたのだった。
久々に自宅で落ち着きを取り戻し、なにかちょっと勘違いをしてしまった。ここではインドでの日常を取りあえず、だ。そんなわけで、夕べ見た夢のことを。やはりインドの日常ではないのだが……。
●夢のなかで惚れる。堀江貴文氏と生ハムと甘エビ。
現実世界ではそうではないのに、夢の中で、真剣にその人を好きになってしまい、リアルに恋いこがれ、目が覚めてからもその生々しい感情に困惑させられることが稀にある。
数年前に見て鮮明だったのは、村上龍氏と相思相愛状態に陥る夢だ。村上氏のことを、わたしは敬意を抱いてはいるが、恋愛の対象として惚れているかといえば、そうではなかった。(当たり前だ。)
でも、夢の中ではもう、彼のことが好きで好きでたまらんのだ。で、彼のほうもわたしのことが好きなのである。ふふふ。阿呆だな。
そういえば、松井秀喜選手と両思いになったこともあった。もちろん夢の中で、である。村上龍氏とのときと比べると、熱烈度がやや落ちたが、しかしその後数日間は、松井氏がとても「身近な存在」に思えてならなかった。
そして、夕べ。
わたしは夢の中で堀江貴文氏を強烈に「片思い」していた。夕べ、インターネットのニュースで彼の釈放を知った。痩せて、毒が抜けたような、憑き物が落ちたような、こざっぱりとした顔をした彼を見たせいだろう。
彼とわたしは、どこの国だかわからない、スーパーマーケットにいた。彼は久々に塀の外へ出て、食料がないから、買い出しに来ているようだった。
彼はわたしより一足先に店についていて、買い物を始めている。わたしは、「あ! ほりえもんだ!」と、胸をときめかせ、彼に近付くきっかけを探りながら、気もそぞろで買い物をしている。
野菜売り場の商品は新鮮ではない。が、仕方なくナス、ダイコン(小振り)などを籠にいれる。そのうちにも、堀江氏は、次のコーナーに行く。待ってくれ!
最後のコーナーは鮮魚、精肉売り場だった。鮮魚売り場は、先日訪れた香港の市場のような具合で、清らかな水槽に魚が泳いでおり、どれもが驚くほど新鮮だった。
堀江氏は、精肉コーナーで生ハムのようなものを買っていた。その傍らで、わたしはまだぴちぴちと泳いでいる甘エビを買おうとするのだが、先客にすべてを買われてしまい、買い損ねてしまう。
甘エビ……。
結局は、もたもたしているうちに、堀江氏を見失い、言葉をかけるきっかけをつかめぬままだった。彼を恋い慕う気持ちを抱えたまま、目が覚めたのだった。
なんなんだかなあ。
大学時代に、「夢分析」に夢中になり、毎日のように夢日記を記していたことがあった。が、この夢を、どう解釈すべきなのか。自分でもよくわからない。
甘エビが、食べたいのか?
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上の写真は、昨日、OWCの会合のあと、隣接するショッピングモールで行われている写真展に出かけたときのもの。このモールでは、しばしばピアノが演奏されている。
彼女は学校の先生のような風貌で、けれど演奏は不完全で、時折「練習してるの?」というような演奏を聴かせてくれる。それでも、ピアノの生の音を聞けるのはうれしい。
最初、わたしの知らない曲を奏でていた。
(とてもとても、ひたすらに美しい旋律を聴きたい)と、そのとき思った。そうしたら、わたしの好きな曲の一つであるショパンの練習曲、「別れの曲」を弾き始めてくれたので、とてもうれしかった。
続いて、やはりわたしの好きな、ショパンの練習曲「牧童」を弾いてくれた。たくさん間違えていたけれど、うれしかった。
わたしは今世において、『街の灯』の「ピアノレッスン」で書いたように、「幻想即興曲」を弾けるように、果たしてなるのだろうか。
ああ歳月は目まぐるしくゆき、どこにもたどりつけぬまま、寄り道ばかりが人生か!