小さきころは、
細い竹竿にまとわりつくだけで精一杯で、
ふらふらと、右に揺れ、左に揺れ、
ささやかな風にも行方を失い、
支えを頼りに、しかし頼りなく、
ときに望まれぬ場所に巻き付いてみたり。
やがては、進むべきが見えたとばかりに、
大きなものをも巻き込んで、
ぐんぐんと伸び、
ぐんぐんと自由に伸び、
いつしか見上げるほどまでに、
激しい風雨にひるむことなく、
毎朝いくつもの花を咲かせて、
天を目指さんばかりに、
ぐんぐんと。
* * *
まだ夜が開けやらぬ、朝顔すら開花していない時刻、5時に起床。火曜の深夜にムンバイから戻って来たばかりのハニー。今日は日帰りで出張とあり、従っては夜明け前の起床である。
夫を見送りしのち、もう一寝入りしたいくらいだったが、しぶしぶヨガをして、シャワーを浴びて、仕事をする。
お昼前、バンガロール在住の日本人マダムの会「さくら会」のランチに参加するため、家を出る。自宅から5キロほどもない場所なのに、渋滞著しく、45分ほどもかかる。
渋滞の車中からムンバイにいる夫に電話をかければ、彼もまた、渋滞に巻き込まれている。
彼の会社が近々投資する会社の、その工場を見学するために、ムンバイ空港から片道3時間のドライヴだとのこと。しかし渋滞に巻き込まれたゆえ、2時間以上走ってなお、中間地点に達していないらしい。
モンスーンシーズンで道路がダメージを受けているところは、なにもバンガロールに限らず。恒常的に、あちらこちらで何らかの工事がなされているのもまた、バンガロールに限らず。
インド全国日々是渋滞である。
ともあれ、有閑マダムらとランチなわたしと、お仕事の彼とでは、渋滞への苛々感が異なる。
「がんばってね」
と言って、電話を切る。
ランチの会場となったのは、インディラナガールのバーベキューネーションという店。オープンエアのレストランで、アペタイザーにバーベキュー、そしてアントレはブッフェ料理を楽しむ。
ビールも各自小瓶1本ついていたりしたものだから、昼間から酔いも回って、相変わらずよく食べて、よくしゃべった。楽しかった。
さて、帰宅後は仕事とばかりコンピュータに向かうが、なかなか集中できず。庭に出て、植木を植え替えるなど、急にガーデナーと化す。
そうこうしているうちにも、夕暮れ時だ。と、やはり仕事をする気にならず、こうしてブログなどを書いている。そうして日が暮れると、いつものごとく、食前の一杯を飲むべく、ワインを開けてしまう。
仕事が一段落した後の、あるいは夕食の準備をしながらの、この1杯は、格別なのである。
単にキッチンドリンカーとも言う。
我ながら、いいご身分だな。
と、思う夕暮れ。