●ガンディの誕生日。家族と過ごす休日の夜。
10月2日はマハトマ・ガンディ(1869年10月2日-1948年1月30日)の誕生日につき、インドは祝日であった。
ついては夜、義姉スジャータとラグヴァンが遊びにくるので、夕飯の食材などを仕入れに近所のスーパーマーケットへ赴いた。
お気に入りのビール、Kingfisher "STRONG"を仕入れようとアルコールエリアへ赴けば、カーテンが閉じられている。
ガンディの誕生日は、酒類販売が自粛されているようである。
そういえば、マンハッタンは毎週日曜日、アルコールが買えなかったことを思い出した。「日曜→礼拝→飲酒禁止」が理由だったと思うが、今でも買えないのだろうか。
それにひきかえ、自動販売機で誰もがアルコールやタバコを買える日本というのは不思議な国だ。
そんなことはさておき、夕食はまたしても、スジャータとのコラボレーション。わたしがポークチョップと野菜炒め、スープやパンを用意すると言ったら、彼女はサラダとスイーツを用意してくれるという。
毎度おなじみ肉専門店のBamburiesで仕入れていたポークチョップを解凍し、まずは「酵素の働きで肉を柔らかくする」べく、パパイヤの実を擦り込む。
それから、コリアンバーベキュー風の味付けで数時間マリネしておく。
スープは最近凝っている「やたらトマトたっぷり」スープ。トマトを中心に、そのときどきによって加える野菜をかえる。
母曰く、日本のトマトはなかなかに高価らしいが、インドはトマトやタマネギ、ジャガイモといった野菜が格安なので、どしどし使えるのもまた気分がいい。
その他、緑&黄色ズッキーニとタマネギの炒め物などの準備もしておく。
夕食前、風がそよ吹くガーデンで、先日購入した新しいグラスにスパークリングワインを注いで乾杯。いつものインド産Sulaのそれが、いつもより少しおいしく感じる。
そうして少しほろ酔い加減で、キッチンに立って素材に火を通す。スープを温め直し、ポークチョップはグリル風に少々焦げ目をつけて。油がピチピチはじくけれど、ジュージューと音を立てて焼くのがいい。
ズッキーニはたっぷりのオリーヴオイルでガーリックを揚げ焼いたあと、軽く塩こしょうで味付けてソテーする。これもまた、ほのかに焦げ目がつく感じが美味。
スジャータはインゲンのソテー、それからトマトとフェタチーズ&バジルのサラダ、それからレモンメレンゲタルトを焼いて来てくれた。
トマトが重なったが、「ポークにはトマトやキャベツが消化を促進していいのよね」との共通認識があり、彼女もトマトにしてくれたらしい。
調理方法がことなったので、とてもバランスよく、今夜もまた、とてもおいしい夕餉となった。そうして食後のレモンメレンゲタルトは、キーライムパイを思い出させる爽やかな味わいで、本当においしかった。
●インド各地のサリーをまた。
毎度おなじみアートスクール。今回はインド各地のサリーや布のフェアが約1週間に亘って行われていたので、出かけた。今日はまた、アーティスティックなサリー、それからアニマルプリントのシフォン素材のデュパタ(大判のストール)を見つけた。
布について、購入した商品ならぬ「作品」について、いろいろと書きたいことは募るが、やむなく割愛。なぜか毎日、時間が足りない。
ともかくは、販売風景の写真だけでも、載せておく。
もうあの日から1年経っているだなんて。歳を重ねるごとに、時間の速度が増して行くように感じることに、なにか確かな理由があるのだろうか。
毎日が濃く、有り難く、優しく厳しく、果敢なく、しかし逞しく、轟々と過ぎてゆく。
インドに暮らし始めてからというもの、米国時代よりいっそうに、見たい、知りたい、考えたい、試したい、伝えたい、「こと」や「もの」が溢れかえっていて、どうにも取捨選択すらできぬまま、ただひとえに、相変わらずの不完全燃焼。