久しぶりに、朝8時過ぎまでゆっくりと眠り、
急かされることもなくのんびりとした朝を迎えた。
自分ちでもないのに。
昨日の午後、デリーの実家に到着。
先月訪れたときには冬だったのに、
今はもう、夏の始まり。
今回は3泊4日。仕事ではなく、初の甥に会うために、来た。
★ ★ ★
ここしばらく、濃いめの日々が、続いていた。
久しく手がけていた一大プロジェクトを納品し、
ハッピー・ホーリーで春を迎え、
数日ゆっくりしようと思いきや、
ロイヤルエコーの開催が早まり、司会の準備。
金曜日は、ミューズ・クリエイションのセミナーをやって、
コンサートも大盛況&大成功で、
達・成・感の祝杯を挙げた翌日土曜日に、デリーへ。
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ミュージカルの名曲あり、懐かしき日本の唱歌あり、そして歌謡曲にコーラスと、実にヴァラエティ豊かな歌の数々を楽しんだ夜だった。
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新ターミナルが完成して、外観も内部も更にグレードアップしたバンガロール国際空港。正式名称も変更して、ケンペ・ゴウダ国際空港。バンガロールは16世紀に、ケンペ・ゴウダ1世による都市設計を以て誕生したことから。
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ターミナルが拡張して、新しい飲食店ができてはいたが、わたしはいつもの店で、いつものドサを。「ギーは少なめに!」とお願いすれば、軽やかに焼き上げてくれる。ランチタイムにかかるフライトにつき、腹ごしらえだ。
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空港にお住まいの雀さんたちにも、ドサ、お裾分け。
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一足先に実家に到着していた夫。彼はデリーで開催されるカンファレンスに出席することから、このタイミングでデリー来訪を決めたのだった。そして、赤ん坊にも関わらず、脚の長さが目立つベイビーが、甥のナヤンくんだ。
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おやすみのところ、失礼します。
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生後1カ月あまり。まだまだ小さい! 特にインドの子供は頭が小さく手足が長いので、なおさら小さく感じる。
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ロメイシュおじいさんを見つめるナヤンくん。なかなか目を開けているところを撮るのは難しい。たいてい寝ているからね。
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さて、ひとしきりナヤンくんとの対面を楽しんだあとは、夕食の時間。「飲み仲間」(←わたし)が来ると、ロメイシュ・パパは張り切って、ワインやビールを出してくれる。
「今日は、頂きもののチリ産のワインがあるよ」と、カベルネ・ソーヴィニョンのボトルを差し出すパパ。喜んでコルクを抜く嫁。
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毎度おなじみ、マルハン実家のシェフ、ケサールによる優しく素朴な北インドの家庭料理。チキンカレーが美味であった。
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食後、戯れる父子。
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パパの手とアルヴィンドの手は酷似している。すべすべ、ふわふわの触感もまったく同じ。二人揃って、箸より重いもん、持ったことないんじゃないの的な手。いや、箸すら持たないな、インド人。
アルヴィンドの手は、皇后陛下に握手をしていただいた手だからなあ。無碍にはできない。
今まで多くの人々と握手をしてきたが、こんなにソフトな手を持つ人は、ごく稀である。今のところ、いい勝負だったのは、アルヴィンドの部下の青年1名。インド人の中には、たまにいるらしい、ふわふわの手を持つ男たちが。
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そしておはようございます、朝食です。食卓に、懐かしき枇杷(びわ)が! 枇杷といえば、インドとも関わりのある食べ物だ。
果物そのものは、中国原産のようであるが。枇杷の名前は、楽器の琵琶から来ているという説もあるらしい。枇杷と琵琶の形は似ているからね。楽器の琵琶を奏でているのは、弁財天である。弁財天の起源は、インドのサラスヴァティと呼ばれる女神だ。で、サラスヴァティが奏でている楽器は、琵琶の起源でもある、ヴィーナと呼ばれる弦楽器だ。
それはそうと、お味の方は、まあ、普通。多分食べるのは20年以上ぶりだと思う。
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そして、おはようナヤンくん。
実は数日前、夫の従兄弟の妻、タヌーのお母様が亡くなられた。なにしろ家族親戚が少ない一族ゆえ、マルハン家にとっても、非常に身近な存在でもある。わたしも何度か、お会いしたが、非常に聡明で知的な女性であった。合掌。
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この写真は、本日の新聞に掲載された葬儀の告知。インドでは、このような告知が一般的だ。
久しく癌を患った果ての他界でもあり。ロメイシュ・パパと妻のウマは、本日午後から葬儀の行われるチャンディガールへと向かう。車で片道約6時間。飛行機の発着時間が不便なので、車で赴くとのこと。
せっかく私たちが来ているからと、日帰りで赴く予定だったらしいが、「そんな無理をしてはいけない!」と、夕べ、せめて1泊するように説得し、ホテルを予約した。1日で12時間ドライヴなんて、辛すぎる! ドライヴァーも疲れるに違いない。
というわけで、わたしは今日の午後、明日と、一人気ままに街を探検する予定。デリーの気候は今がもっとも快適な時期。のんびりと、楽しもうと思う。