昨日は、毎年恒例のジャパン・ハッバ が開催された。HABBAとは、地元カンナダ語で「祭り」を意味する。即ち「日本祭り」だ。今年で16回目を迎えたこのイヴェント。当初は、当地の日本語教師会や日本語を学ぶ学生たちが中心となって始められたが、年々規模が拡大している。
◎ミューズ・クリエイションとしては今回8回目の参加。個人的には、過去に2回、ステージの司会を務めたこともあるなど、ミューズ・クリエイション設立以前から、少なからず関わってきた。年々拡大する規模に感嘆しつつも、セキュリティの甘さや入場料無料というシステムが心配でもあった。昨年の入場者が6000人を超えたということもあってか、今回はその点も改善され、入場料100ルピーが徴収。セキュリティチェックもしっかり行われていたようで、安心した。
◎ミューズ・クリエイションは毎年、ハンディクラフトの販売、折り紙体験や書道の実演販売、ステージ出演という形で、同イヴェントに参加してきた。今年は、昨年のミューズ・チャリティバザールに引き続き、養蚕ボーイズ(養蚕農家を支援するJICA青年海外協力隊スタッフ)にもテーブルを提供。農家ガールズも参加しての、繭の手作り小物販売も行った。さらに、今回はジャパン・ハッバ実行委員会より「日本の玩具コーナー」も担当して欲しいとの依頼を受けた。
◎それでなくても、ミューズ・クリエイションのメンバーの多くは、他の活動にも携わっている。茶道や着付け、書道などのサポートをしつつ、午後のステージパフォーマンスでは、ダンスやコーラス、寸劇などに出演されることから、毎年、販売ブースの人数を確保するのに苦戦している。しかしながら、本来は有料であるテーブルを、玩具コーナーを引き受けるのであれば無償で提供すると提案された。さあれば、頑張って人集めをし、少しでも多くの売り上げを慈善団体の寄付に回したほうがいいだろうと判断した。
◎結果、インド人含むメンバーの伴侶や友人知人、のべ50名もの人たちが手伝ってくれた。メンバーの入れ替わりが激しいミューズ・クリエイション。「過去の経験を反映させる」のはたやすくない。ゆえに、メンバーや参加者には、過去の記録を読み返してもらったり、過去の参加者の感想文のファイルを送付して読んでもらうなどしている。
◎今年の会場は、去年に引き続き、IISc(インド理科大学院)、通称TATAインスティテュートの中にある講堂。インド大財閥、タタ・グループの創設者であるジャムシェトジー・タタによって創設されたことから、そう呼ばれている。昨年は館内のブースだったが、今年は外のテントにて。心地よい気候のバンガロール。広々とした場所で動けたのはよかったと思う。
◎毎年恒例のイヴェントとはいえ、2度と同じ環境と条件が繰り返されることはない。「最初で最後の気持ち」で、大切な1日を過ごすべく、今年も当日を迎えた。ジャパン・ハッバの来訪者は日本に関心のあるインドの人たちが多数。「地域社会とのコミュニケーション」は、ミューズ・クリエイションのコンセプトの一つにつき、参加者には来訪者と積極的に言葉を交わし合って、楽しい時間を過ごしてもらうことを望んでいる。
◎日本の玩具コーナーでは、ヨーヨー釣りをメインに、輪投げやけん玉遊びの実演を行った。急遽リーダーになってもらったメンバー伴侶の仕切りで、参加者、「ヨーヨー作り」がどんどん上達。途中で「空気入れ」が壊れてしまう事態に見舞われつつも修復し、200個近くあった風船がすべて捌けた。みな、副業のオプションが増えたのではないか。
◎毎年恒例の書道短冊コーナーもまた、長蛇の列ができるほどの大盛況。複数のメンバーが交代で、来訪者が望む言葉や名前(当て字)を書いていく。今回は、なにかのアニメの影響なのか、「死」「絶望」「孤独」「空虚」「激怒」といった「負のことば」を選ぶ人が結構いて、面白い。そんななか「怪獣妻」とか「森林浴」という言葉を手に笑顔の人々を見ると、和む。なんなんだ、いったい。
◎ミューズ・クワイアは、「ラベンダーズ・ブルー」と「365日の紙飛行機」を爽やかに披露。しかしその直後、ダンサーズがピンクレディの「サウスポー」と「UFO」を披露。20代から50代までの幅広い年齢層によるダンサーズ。しつこいようだが、わたしの選曲ではない。でも、撮影された動画を見るにしのびない。ほんと、なんなの、この無駄に張り切ってる体格のいいおばちゃんは。許して。
◎結果的に、8万ルピー(約12万円)を超える売り上げとなった。養蚕ボーイズも1万ルピーを超えたとのこと。農家ガールズにとっても、いい経験になったに違いない。単価が数十円、数百円程度の廉価なものばかりを販売しているにも関わらず、これだけの成果を上げられたのは、多くの人たちのサポートのおかげでもある。参加者同士も交流を図りつつ、日頃のインド生活とは異質の時間を過ごせた1日は、みなそれぞれに有意義だったのではないか。関係者各位、お疲れさまでした!