3月に入って、急に夏が来たようだ。尤も今までも、ずっと夏であったが、だんだん「過酷な夏」である。
毎朝、日の出前に起床し、ウォーキングに出かける。あたりが白み始めるまでのころはまだ風も心地よいが、太陽が姿を見せるや、急に気温と湿度が上がる。日中は照りつける太陽が攻撃的。
日が暮れるとまた、風は涼しい。
つまり、夏はまだまだ序の口だということ。まもなくは、太陽が姿を隠してなお、暑い日々が始まる。そしてモンスーン。過激高湿度の世界が始まる。
寒い気候より暑い気候の方が好きだし、衣類も簡単ですむという利点はあるが、寒過ぎても暑過ぎても体力は消耗する。日頃から健康的なライフスタイルを心がけているとはいえ、注意が必要だ。
今日は外出時、コラバ地区にあるインド高級ブランドのショッピングゾーン、COURTYARDへ赴いた。漁村スラムを目前にした、しかし店頭に、いつもメルセデスやBMWがとまっている。
セール期間中とはいえ、セール価格でもインドにしては相当に高い。アンティークショップで、寂しげな雛人形を見つけた。上の写真がそれだ。
お雛様、一人きり。お内裏様は何処へ? 思えば今日は3月3日。桃の節句。奇しくもこんな日に、日本から来た雛人形に対面できるとは。
わたしの初節句に、両親が買ってくれた雛人形は、バンガロールにある(←文字をクリック)。今年は段ボールの中に眠ったままだ。
その後、タージ・マハル・ホテル界隈のブティックを訪れ、最後にホテルへ赴く。旧館の、クーポラのあたりの修復が終わっていた。けれどSEA LOUNGEはまだオープンしていない。
新館のカフェで、スイートライムジュースを飲みながら、ひとときを過ごす。しかし、SEA LOUNGEで感じるような、安息は得られず。
そんな矢先、今日もまた、メディアから重苦しいニュースが飛び込んできた。スリランカのクリケットチームが、パキスタンのラホールでテロリストたちに銃撃されたのだ。
12人を超えるテロリストたちが、カラシニコフを携えて、バスに向かって次々に銃を撃つ姿が、映像におさめられている。いったい誰がどこから撮影したのか、銃声までもクリアに。
6名の警官を含む8名が死亡、選手たちに死者はでなかったものの、何名かが重軽傷を負った。
イデオロギーの違いを、軋轢を超えて、クリケットは近隣諸国が一丸となって楽しめるスポーツだったのに。ついには選手たちがターゲットとなってしまうとは。
ちなみにインドチームは昨年末のテロ以降、パキスタン国内の安全性に問題があると判断し、インド政府が渡航を禁止していた。
「テロリストたちがクリケット選手をターゲットにすると決めたのなら、その使命遂行は決して難しくない。僕らはパキスタンに行かずによかった」
と、インド選手の一人がコメントしていた。なんともやりきれない。
それにしても、スリランカ選手たちが気の毒でならない。彼らはスタジアムから、軍用の大型ヘリコプターに乗って帰国したようだ。
スリランカは国内でも慢性的なテロの要因がある。「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE: Liberation Tiger of Tamil Eelam)」がそれだ。詳しくはこちらを参照されたい。
昨年インドで始まったプロクリケットリーグ、IPL(インディアン・プレミア・リーグ)の開催すら、危ぶまれているようだ。万一開催が中止になったら、メディアの放映権に始まり、広告、旅行、その他、さまざまな業界が打撃を受けるだろう。
なによりも、テロリストに屈する形で、国民的スポーツの祭典が中止になる、という事態がダメージだ。
テロ。いつまでも、どこまでも。