風は軽く柔らかくやさしく、黄色や黒やオレンジの蝶が舞い飛ぶ朝。
焼きたてのドサを食べ、胃袋満たされて午。
街の喧噪は遠く、午後の庭を静寂が包む。
知らない鳥の、知らない鳴き声も、混じり合う。
ヤシの葉のざわめき。
近所のこどもの笑い声。
太陽が傾き始めるころは、
カーテン越しの日差しが降り注ぐ。
レース模様の光と影が、壁の上でゆらゆらと揺れる。
本を閉じて、眺めている。
オイルと燭台を携えて、外出帰りの夫。
日が暮れて、灯火の準備をする。
爆竹や、花火の轟音が、静寂を破る。
マントラを唱える。
般若心経も唱える。
今日は一晩中、灯りをつけておく。
時折、オイルを注ぎながら、火を絶やさないように。
この国でまた、新しい一年を迎える。
HAPPY DIWALI!