目覚めたら、まずギザ(シャワーの湯沸かし)のスイッチをいれる。洗面をすませ、階下に降りて、湯をわかす。白湯を飲みながら、庭にでる。
夜露を残した芝生がサンダルの素足を濡らす。今日はヨガではなく、ラジオ体操をすることにする。これは、ヨガほどではないにせよ、朝を始めるのになかなかよい小さな運動だ。
ニンジンとリンゴと赤いカプシカムをジューサーにかけ、レモン汁を加えたジュースを作る。
それを、庭で飲み干す。ムンバイでも同じようなジュースを毎朝飲んでいるが、この庭で飲む方が、身体にぐっと効きそうな気がする。
今日は、久々に日本人マダムの方々とランチである。バンガロール在住日本人女性の会「さくら会」のメンバーも、どんどん新しい方が増えている。
バンガロールを離れている時間が長いわたしには、お目にかかる機会はあまりない。さて、「旧空港の方」にお声をおかけしたところ、「新空港の方」に連絡してくださり、総勢6名でのランチであった。
場所はホテル、ウィンザー(THE ITC WINDSOR)の南インド料理店。
この店は雰囲気もよく、ミールスがなかなかにおいしいのだ。
わたしはノンヴェジタリアンを選んだ。
まだバンガロールに移ってまもない方々も、興味津々、楽しそうであった。
料理の詳細は、初めて訪れた時に記録に残している。
■なんとなく、パラレルワールド(←文字をクリック)
ところで、過去のメニューを見て、目を見張った。
料理の値段が、今よりも、ずいぶん安い。現在はこれの数割増で、特にシーフードはかなり高かった。
料理の内容は変わらないのだが……。この数年のうちに、あらゆる場面で物価が上がっているということを痛感する。
などと世知辛い話はさておいて、雰囲気のよい店で、丁寧なサーヴィスを受けながら、心行くまで食事ができる時間を持てるということはありがたいこと。
移住当初から今日に至るまで、このような高級ホテルの存在感にどれほど救われて来たことか。日本から母や妹が訪れた時にも、地元の市場や商店街の喧噪に連れ出す一方、こうした優雅な場所に連れて行くことができ、それを楽しんでもらえた。
砂塵舞う喧噪の世界に、異次元空間へ逃げ出すためのドアが点在しており、そこに入ることができるということは、幸せなことである。
ランチのあとは、食料品の買い物をすませて帰宅。明日のディワリ本番を控えて、アパートメントでは、女性たちがランゴリ(吉祥紋)を描いている。
HAAPPY! と、力のこもったインド的ハッピーである。
さて、帰宅して一息ついたら、今度はサリーに着替えて外出の準備である。今日は一日早く、義姉スジャータ&義兄ラグヴァン宅でディワリを祝するのだ。
IISキャンパス内の彼らの家に赴く。本日のスジャータは、ケララ州のサリー(白地に金糸)を着ている。とてもよく似合っている。
わたしが着ているのは、バンガロールのサリー専門店で買った、どこぞの地方のサリー。伝統的な手法による、しかしやや現代風水玉模様である。
デザインのシンプルさが気に入って買ったのだが、金糸がちくちくとして、若干気心地が悪いのが玉に瑕。
さて、去年と同様、今年もスジャータの指揮により、小さなプジャー(儀式)を行う。彼女がマントラを唱えるのに従って、わたしたちも唱える。
その後、わたしたちとも顔なじみの、ラグヴァンの教授仲間の夫妻、そしてラグヴァンの弟、マドヴァン一家もやってきた。マドヴァンの妻、アヌパマと会うのは約3年ぶり。
第一子の出産のため、実家のあるデリーに戻っていた彼女は、事情があってしばらくデリーに住んでいたのだが、最近ようやくバンガロールに戻って来たのだ。
前回会ったときも妊娠中だったが、今回もまた、第二子を妊娠中。子供の少ないマルハン家、ヴァラダラジャン家周辺にあって、非常に貴重な存在感である。
彼のかわいらしいことといったら!
目が大きくて、まつげが長くて、まさにお人形のようである。
やや人見知りをするようだが、両親の言うことをちゃんと聞いて、賢そうな子供だ。
ちなみにインドではよく見られる光景だが、ナニー(乳母)も同伴である。
ネパール出身の彼女の影響もあり、彼はヒンディー、英語のほか、ネパール語も少し話すようである。
遅れて来た母性本能の影響で、このところ小さい子供に関心を持ってしまう昨今のわたしは、ついつい視線が彼に向いてしまう。
それはそうと、スジャータの手料理はまた、今日もおいしかった。祝祭日の今日、基本はヴェジタリアンである。従っては野菜ばかりの料理だが、十分に満足できる食べごたえだ。
チャナ(ひよこ豆の煮込み)にプーリー(揚げチャパティ)、カボチャの煮込み、カリフラワーのソテー、ジャガイモとトマト、ヨーグルトの煮込みなど。どれも本当においしかった。
食後は子供の気をひこうと、日本人のおばさまは、サンダルを脱ぎ、地べたに座って、折り紙に精を出す。
飛行機、ツル、カブト、奴さんなどを次々と作って差し出せば、かなり興味を持ったようで、喜んでいる。
というか、マドヴァン父の方が、「ミホ、すごいね〜!」と、感嘆している。
父子で飛行機を飛ばすなどして遊んでいた。
昨今の日本ではどうだか知らないが、折り紙、海外においては重宝する技である。
皆が食事を終えて一段落してのち、屋上へと繰り出す。
毎度おなじみの花火大会である。詳細は割愛するが、今年もまた、大量の花火、爆竹その他を消費したひとときであった。
10時近くなっておいとまをし、さて、今夜のお出かけ第二弾。久々にBEC(Bangalore Expatriate Club)の集いに参加するべく、タージ・レジデンシーのアイスバーへ。
わたしは別に行かずともよかったのだが、アルヴィンドが久々に訪れたいと主張するので付き合ったのだが、主張の大きな理由は、彼女たちの存在だったようである。
彼女たち。クリケットチームのチアリーダーたちが来るという情報を仕入れてのことであった。
案の定すぎる展開だ。
今や何人に膨れ上がっているのだかよくわからない会員。
バンガロールの駐在員の数は年々増えていることは実感しているが、デリーやムンバイなどの他都市に比べて、外国人の比率が著しく増えている気がする。
ともあれ、今年もこうして、みなが健康に過ごすことができ、インド的新年を共に過ごすことができてよかった。これから先の一年がまた、実り豊かな年であることを祈りつつ。
HAPPY DIWALI!!
【ディワリ:花火炸裂の記録】
2004年 ●インド彷徨(移住前):花火三昧! ディワリの夜
2007年 ●全国的に、激しくディワリ ●ディワリ。熱く激しく爆裂の宵。
2008年 ●一足お先にハッピー・ディワリ! 花火三昧の夜。