インド時間、本日8月23日午後5時20分から、インド宇宙研究機関(ISRO)は、月探査機「チャンドラヤーン3号」の月面着陸をライヴ中継する。もし月面着陸に成功すれば、インドとしては初、世界では米国、中国、旧ソ連に次いで4カ国目になるとのこと。1号、2号は、惜しくも月面着陸に至っていなかった。
3度目の正直。うまくいってほしい!!
インドの航空宇宙産業の目まぐるしい発展については、これまでも幾度となく記してきた。ISROの拠点がバンガロールにあることもあり、また個人的に、インド人宇宙飛行士らと言葉を交わした機会もあり、思いを綴れば尽きず。2020年に記したブログを添付するので、ぜひ目を通してほしい。
ちなみに数カ月前、某グループで、特別にISROの内部にて話を聞く機会を得た。あまりに興味深かったので、メモをとりつつ、質疑応答の時間に、前のめりで「102基もの衛星をどういう段取りで軌道に投入するのか」とか、「それぞれの衛星は各国で準備されるものなのか」などと突っ込んだ質問をしたら、「いったい彼女は何者なのか?」と訝しがられてしまった。
以下、参考までに、インドの宇宙産業の大雑把な流れを抜粋しておく。ちなみに衛星を飛ばすことにより、気象予測はもちろんのこと、通信、農業、教育、その他、さまざまな面において、人間の営みが支えられている。
ちなみに100を超える衛星の大半は、米国はじめ、海外のもの。NASAに頼むよりも安いし、自国で開発するよりも安いし……というわけで、「衛星飛ばしのアウトソーシング」なのだ……と、詳細を言及したいところだが、尽きないので割愛。
あ〜ドキドキしてきた。かつては、自転車やら牛やらで、ロケットを運んでいたんですよ、インド。いやはや。この混沌がたまらない。
🌕ちなみにチャンドラヤーンとは、サンスクリット「チャンドラ(月)」と「ヤーナ(乗り物)」を重ねた造語だ。
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◎1992年/1980年代より開発されていた小型ロケット、ASLVの打ち上げにようやく成功。
◎1994年/極軌道打ち上げロケットPSLVの打ち上げに成功。
◎1999年/ドイツと韓国の衛星を搭載したPSLVの打ち上げに成功。商業飛行として初の成功となる。
◎2001年/欧州宇宙機関とドイツの衛星(偵察衛星)を搭載したPSLVの打ち上げに成功。
◎2008年/日本、カナダ、ドイツ、オランダなどの人工衛星10基を積んだPSLVの打ち上げに成功。一度に10衛星を軌道投入、インドの45年に亘る宇宙開発計画にとって画期的な成功。
◎2008年/インド初の無人月探査機「チャンドラヤーン1号」を搭載したPSLV-XLの打ち上げに成功。
◎2012年/日本とフランスの衛星を搭載したPSLVの打ち上げに成功。インド宇宙研究機関初の、完全な商業打ち上げ。
◎2014年/2013年11月5日に打ち上げたアジア初の火星探査機「マンガルヤーン」が9月、火星周回軌道に入る。
◎2016年/衛星20基を搭載したロケットPSLVの打ち上げに成功。20基には、自国の地球観測衛星(EOS)のほか、米国、カナダ、ドイツなど海外の衛星17基が含まれている。
◎2017年/人工衛星104基を載せたロケットPSLVを打ち上げ、すべての衛星を軌道に投入することに成功。一度のロケット打ち上げで軌道に投入した衛星の数で世界最多記録を樹立。
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