今日は、OWCの主催する年に一度のチャリティ・バザールである「ピンク・エレファント・セール」が、MGロードのセント・マークス・カセドラルで開催された。OWCとは、バンガロールに暮らす外国人女性のためのグループだ。
わたしは2年前よりOWCの日本人お世話係を担当していることもあり、日本人メンバーに声をかけてヴォランティアとして手伝いに参加した次第。
思い返せばインド移住後まもない2006年5月、今はニューヨークに暮らしているエミさんと二人で手伝いにでかけたのだった。「売り子としての仕事」のことよりも、あのときの暑さばかりが思い出され、今回の参加者には、帽子や水などの持参をお願いしていた。
ところでわたしは、月に1週間程度しかバンガロールにはおらず、お世話係としての仕事を今ひとつ、積極的にやれない状況だ。かわりとなってくれる人も現れないため、従っては先日より二人の若手マダムにサポートをお願いしていたのだった。
その二人のおかげもあり、日本人ヴォランティアは10名も集まった。たいへんすばらしい!
さて、わたしは一足先に、8時過ぎに現地到着。「早い者勝ち」なので、取り敢えずは日陰のブースを確保し、プラスチックの椅子なども運び込む。
前回の経験上、本や玩具、骨董品(中古のがらくた)売りが楽で、「女性の衣類売り場」が一番大変なことはわかっていたが、10名近くも集まるし、せっかくだったらやりがいのある女性の衣類売り場を引き受けることにした。
たたんだり、仕分けをしたりするのは、日本人の得意とするところでもある。
9時過ぎには三々五々、他のメンバーも集まり、10時には開場となった。新聞の広告やチラシ、口コミでセールを聞きつけた、主にはドライヴァーやメイドなど使用人階級の人々らがお客様である。
案の定、たたんでいた衣類はあっというまにとっちらかる。それでも、前回に比べると、売れ行きが抜群である。古着とはいえ、コンディションのよいものも多い。それらを100円、200円程度でかえることもあり、みな山のように買っていく。
別の場所で改めて商売をするのでは、と思わされるほどの人もいる。
わたしも、インド移住以来、袖を通さなかった米国購入のもの、あるいは買ってはみたが、どうにも似合わないものなど、これまで大切に保管していたものを、思い切って大量に寄付していた。
3年も袖を通さなかったものは、多分この先も着る機会はないのである。
それらが買われていくのを見るのはうれしいものである。派手な色柄のものからどんどんさばけていき、白や黒、くすんだ色、など地味なポロシャツなどが売れ残りがちである。
それにしても、教会の敷地は砂埃激しく、歩けばたちまち砂塵が舞い上がる。加えて暑い。日焼け止めをしていたのに、日向はちょっとうろうろしただけのつもりだったのに、すっかり首筋などが焼けてしまった。
見込み通り、衣類売り場はたいへんではあったが、しかし「やりがい」はあったような気がする。中盤からは、「終わったあとは、ランチだ。ビールだ」を目標に、時間が過ぎるのを待つ状態。
12時をすぎるとお客も減り、12時半にはほぼ終了となった。売れ残りの衣類は教会へ寄付されることになっている。すべてが無駄なく、人々の手に行き渡った。
さて終了後は、計8名のマダムらと教会のすぐそばにあるハードロックカフェへ。まずは水で乾杯し、ついで酒飲みな4名で、あらためてビールで乾杯。幸せ〜。
ハードロックカフェ、といえばハンバーガー。炭火焼き(多分)のパテが美味なハンバーガーとフライドポテト、そしてビール。折に触れてのこのアメリカンな食事は楽しいものだ。
ところで、食事に参加してくれたメンバーの大半は今年に入って赴任されたばかりの若手なマダム(アラサー)ばかり。インド生活に少しずつなじんでいるところ、といった様子である。
同じ街に暮らしていても、こうしてこの面々で、共にランチをすることは、ひょっとするとこれが最初で最後かもしれない。瞬く間に歳月は流れ、人は現れ、そして去る。
一期一会な心持ちもひらめいて、今日は、最早割り切って、あれこれとインドについてを語らせていただいた。
わたしは「インド生活の広報課」でもなんでもないが、前向きな暮らしのための何らかの提言ができれば、それは意義深いことだ。多分。
「スパイスの使い方がわからない」という方が多かったので、ついでに、北インド家庭料理の「チキンカレー」のレシピも口頭で伝授。「ミューズ・クッキングクラス」よろしく、スパイスの使用法や効能なども簡単にレクチャーした。
いつかバンガロール「一都市生活」に戻る日が来たら、改めてクッキングクラスやインド生活を楽しむ講座などを始めたいものである。と、思いながらも歳月は流れる。
帰宅後、庭をぐるぐると歩き回りながら、思いもぐるぐると巡る。余力はまだまだ十二分にある。思いついたら即実行を、もっと速やかに実現すべきだの思いが沸き上がる。