●引っ越しの後片付けは、遅々として進んでいるんだかいないんだか、わからぬ。
●ペンキ塗りは、ついには明日、完了らしい。ペンキ塗り職人は2日間に亘り、頭痛で欠勤であった。ペンキ屋のマネージャーのモナ曰く、彼らはマスクや手袋を「したがらない」のだとか。
●大工も、工事人も、ペンキ塗り人も、肉体労働者の誰も彼もが「自己防衛本能」が、あまりないのか。それとも、たくましいのか。思えば、あの日。あの職人は、銀色の男になって働いていた。
●玄関の「呼び鈴」とか、庭に面したドアに取り付けたフェンスの「錠前(南京錠)」とか、電話回線の「延長コード」とか、「洗濯物干しヒモ」とか、引っ越しで壊れた「コーヒーメーカー」とか、新しい「掃除道具」とか、「掃除機」とか、そういうこまごまこまごまとしたものを購入するのに、まったくもって、東奔西走。
●明日は、ようやくシャンデリアも届く。これでリヴィングルームが明るくなる。
●インド家庭料理に「豆類」は不可欠である。従来は、プラスチック製の容器を使用していたが、Life Styleというデパートメントストアにて、ガラス製を見つけた。図らずも、色とりどりの豆が、かわいらしい。
●フォークとナイフ、スプーンのハンドル。キッチンの全容もお見せしたいが、後日また。
いったいどこに売っているのだろうと思いつつ、なかなか見つけられずにいた。
先日、夕食の帰りのコマーシャルストリート界隈。
小汚い家具屋のショーウインドーで、蛍光灯に照らされたガーデンテーブルのセットが瞬間、目に留まった。
昼間は煩雑な光景にまぎれて見えなかったのだが。
その店に昨日訪れて、即購入。マレーシア製らしい。パラソルは無地がいいと思ったが、とりあえず。
木にせよ布にせよ、インドでは「特注」がたやすくできるから、張り替えも可能だ。
●明日からの朝食は、庭で。
●蝶や花々と戯れながら。
●先日、芝刈りをしてもらったら、暑さのせいか緑がまばら。早く雨期が来てほしい。
●ところで庭に、いくつかの穴が見つかった。「もぐら?」「まさかね」などと話しつつ。ガーデナーに尋ねたら……
●「ネズミの穴」らしい。
いや〜ん!
などと叫んでいる場合ではない。土に住むネズミ。山ネズミかしらん。そう呼称をかえてみると、ロッキーチャックを思い出して微笑ましい。
●微笑ましく思っている場合ではない。さっそく本日、ガーデナーに駆除薬を撒いてもらい、穴を埋めてもらった。
●自然と身近に暮らすのだ。いいことばかりではない。面倒も手間もかかる。それでも、この豊かな緑と爽やかな朝や午後のひとときがあると思えば、多少の手間も惜しくない。
●毎日毎日、何十人もの人たちと、電話や店先や家で、出会い、話をする。交渉をする。そのうちの半分は、言葉があまり通じない、もしくはまったく通じない。
●毎日毎日が、本当に濃厚で、同じ人間でも、国籍差、階級差、職差、差、差、差、さまざまな差が轟々と渦巻いていて、加えて常識非常識の尺度がてんでバラバラで、自分の立っている場所を、しっかりと踏みしめていなければ、脱水機の渦中みたいに、振り回される。
猛烈に、目が回る。