思えば、バンガロールにいるときには、
夫と二人で「町歩き」をすることがない。
町歩きをしたくなる場所がない、というのが正解だ。
年に一度のニューヨークほか、旅先に集中している。
だから日曜日、夫と二人で出かけたのは、新鮮な感じだった。
昼ごろ向かったのは、数日前にクライアント女史と赴いたクラフト・ミュージアム。
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先日、十分な現金を持っていなかったので買えずにいた、
ペーパーマシエの小さなトレイをいくつか買い求める。
1年半前にカシミールのスリナガルを訪れた際、
ペーパーマシエの工房も見学した我々。
それなりに審美眼が備わったがゆえ、品選びも熱心だ。
それにしてもあのときは、
夫の突然の「飛び入り参加」に、心底呆れたものである。
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左側のトレイは、最後まで迷って、買わなかった。
シンプルで技巧は浅いが、モダンなデザインを選ぶか。
高度な技術が駆使された、伝統的な、少々「詰め込み過ぎ」なデザインを選ぶか。
インドの伝統工芸を選ぶときに、悩むポイントはそこにある。
技巧に走り過ぎればいい、というものでもなく。芸術性と実用性のバランス。
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そして、1回訪れて心奪われたCafe Lotaへ。
前菜には例のチャートを注文。
デリーに生まれ育ったアルヴィンドも、いきなり満足。
そしてこの、新鮮な麺のシッキム風ヌードル。
ちなみに、麺の下には、茹でられた葉野菜が敷かれている。
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この、見るからにおいしそうな料理は、フィッシュ&チップス。
この独創性がすてき。
ポテトはサツマイモ。
砂糖を絡めていない大学芋、という感じ。
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これは、ココナツ風味が利いたコンカン風フィッシュカレー。
グレイビーが重すぎず、しかし風味豊かで、バスマティライスとよく合う。
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食前にはニブパニを。食後にはチャイを。幸せな満腹感。
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食後、Dili Haatに寄ってみたが、あまりの人の多さに、即撤退。
やっぱり、DastkarのNature Bazaarの方が、かなり洗練されている。
次回は、バザールの時期に! とまたしても思う。
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実家のすぐそばだというのに、
アルヴィンドが訪れたことがないというHauz Khas Villageへ。
去年訪れた時とはもう、店の様子がほとんど変わっていて、
栄枯盛衰の早いことに驚く。
とはいえ、アルヴィンドは初めて訪れたゆえ、
お洒落なブティックなどを数軒、眺めつつ、ゆっくり散策。
足場は悪いが、人だらけのDili Haatよりは、歩きやすい。
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この日は好天、肌寒かったものの、いい日和だった。
休憩に入ったカフェで、お茶のつもりがつい、
我々お気に入りのKingfisher Ultraで乾杯。
おいしい!
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カフェの窓から、公園のクジャクが見えました。
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そしてマルハン家での、今回最後の夕飯はヴェジタリアン。
ロメイシュ・パパとウマは、友人の銀婚式パーティに招かれていて不在。
スジャータと3人での食卓。
インドのレンコン、小ぶりで、やさしい味。
そしてデリーのパニール(牛乳たっぷり新鮮チーズ)のおいしいこと。
これはバンガロールでは決して味わえない、まろやかさ。
外でおいしいパニールが手に入らないので、たまに自宅で作る。
牛乳を沸騰させてレモン汁を垂らし、分離させたものを布で漉し、
冷蔵庫で冷やし固める。
が、こんな風においしくできない。
なにしろ、ふわふわとしている。
スジャータは、「牛乳の味がいいのだ」というけれど、
それだけではない、なにかコツがあるのだろう。
ともあれ、わずか1週間の間にも、
公私ともに有意義なデリー滞在であった。
今回は間を置かず、また3月、訪れる予定。楽しみだ。