2年前の昨日、我々夫婦は、チベット仏教の聖地、ダラムサラにいた。ヒマラヤ山脈を望むこの地にはチベット亡命政府があり、ダライ・ラマ法王14世が住まわれている。チベット高僧の末裔である友人デッキの計らいにより、ダライ・ラマ法王14世にお目にかかることができた。それは、極めて稀有で、まさに有り難き経験だった。
このわずか1カ月後に、義父ロメイシュ・パパが79歳で急逝。我々夫婦にとって、あの日、ダライ・ラマ法王14世に触れていただいた「数珠」は、救いの象徴となった。
その数カ月、地球を包んだCOVID-19パンデミックは、2年経とうとする今も、人々の心や身体に、さまざまな形で影を落とし続けている。そんな中、心の寄る辺を探す時、過去の有り難い経験を思い起こす。
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世界に溢れる賢者のことば。宗教の尊い教え。触れるたびに「なるほど」と思う。しかし、それらを消化して、自分のものにするのは難しい。頭ではわかっていても、行動や感情が伴わない。
見返りを望まないと言いながら、反応がないと残念に思ったり。
自分のためだといいながら、喜ばれることを期待したり。
寛大でありたいと願っているのに、狭小に囚われたり。
パンデミック世界に突入し、オンラインの時間が増え、それまで見ずにすんだことが見えてきた日々。
自分の弱さや苛立ちをもまた。
情報は溢れているのに、何もかもが不確かで、人の心はささくれがちで、冷静を保つのが困難な世界。
ゆえに大切な経験は、敢えて紐解き、反芻したく、この記録も、この『深海ライブラリ』ブログに、移行した。
[DAY 01/ Amritsar 01] 印パ国境、スィク教徒の都市アムリトサルへ (2019/11/28)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/11/border.html
[DAY 02/ Amritsar-Dharamsala 01] インドの中のチベット、ダラムサラに (2019/11/29)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/11/dharamsala01.html
[DAY 03/ Dharamsala 02] ヒマラヤの懐に抱かれたチベット亡命政府の姿 (2019/11/30)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/11/dharamsala02.html
[DAY 04/ Dharamsala 03] チベット音楽と瞑想の朝。そして夫ら合流。 (2019/12/01)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/12/dharamsala03.html
[DAY 05/ Dharamsala 04] 僥倖の朝。ダライ・ラマ法王14世とお目にかかる (2019/12/02)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/12/dharamsala04.html
[DAY 05/ Dharamsala 05] 旅から戻ってきたけれど、旅は永遠に続く。 (2019/12/02)
➡︎https://museindia.typepad.jp/2019/2019/12/endless.html
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