土曜の朝。とてもうれしい気分。なにしろ「ヒビの入っていない」画面に向かっているから。
あれは昨年、ロックダウンに入って直後のこと。夫が2階の書斎を占拠することになったことから、わたしはダイニングルームにデスクトップを運び入れた。
義父の死、ロックダウン、米国永住権放棄問題……なにかと精神状態が極めて不安定だったころ。掃除の最中、テーブルクロスを変えるとき、デスクトップを移動させた。そのとき、こともあろうか、不安定な場所においてしまった。完全に、判断力が狂っていた。
重量感ある27インチの巨大なスクリーンは頭から落下。カメラのある中央部分から見事な亀裂が入った。作動に異常がなかったのは、不幸中の幸いだった。カメラが必要なオンライン会議では、MacBook Proを使ってきた。
旧マシンは2017年に購入。諸々、古くはなっていたが、まだ使えていた。しかし、この際、買い換えるべきかと問い合わせたら、在庫がなく。その後も在宅ワークの急増で、iMacの需要は高かったらしい。
昨年4月に動画編集を始めてからというもの、ストレージの不具合など、諸々トラブルが発生。新しいものに買い替えたいと思いつつも、個人、ミューズ・クリエイション双方のチャンネルを合わせて100本近い動画を上げられたのは、傷を負いながらもがんばってくれた旧マシンのおかげだ。
旧マシンには現役を退いてもらうが、ときどき働いてもらう。というのも、我がホームページを作っているソフト、iWebが、ついには新しいOSでは対応できなくなったからだ。
わたしがインドに移住した直後の2006年にリリースされ、2011年に開発を終了。以来、10年間、マシンを買い換えるごとに、使えなくなる日を覚悟していたが、ついにその日がやってきた。
ゆえに、ホームページ更新時には、傷を負った旧マシンに働いてもらう。
* * *
ちなみに新マシンを買ったのは、一昨日、ナーセリーの帰り道。普段は滅多に訪れない、ご近所のORION EAST MALLに立ち寄った。いつもはUBシティのimagine (アップルの正規店)で買うのだが、その閑散としたORIONのimagineは、UBシティと直結しているらしい。知らなかった。
商品に詳しいスタッフにあれこれと尋ね、在庫があるというので、購入を決めた。デポジットを5000ルピー分だけ払ったら、「明日、ご自宅に届けに行き、セットアップします」とのこと。
翌日2人のスタッフが来て、マイクロソフトのOffice関係のソフトウエアなど、手際よくインストールしてくれる。iWebのことを話したら、なんとかインストールする方法がないか、二人で模索してくれた。しかし、やはり無理だった。
昔は説明書やらCDやらが山ほどくっついてきていたが、今や同梱されているのは、本体とマウス、キーボード、メガネ拭きみたいな布、そして薄っぺらい説明書とリンゴの白いステッカー(これ、大好き)くらいのものだ。
我ながら、いちいち過去を回想する自分を鬱陶しいと思わないでもないが、人類に歴史あり。人に歴史あり。コンピュータに歴史あり。というわけで、20年ほどまえの、我がニューヨーク在住時の写真。先日紹介したフリーペーパー、『muse new york』を制作していたのは、このマシンだ。
このころは、まだまだ手書きが多かった……と、机の配置を見ながら思い出す。机の上に大きなビニルシートを敷いて、下にメモなどを挟んだりして。ああ。懐かし。
我が海外生活25年の歴史は、Macと共にあったようなものだなと、改めて。
新しいマシン。大切に使います。
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