北部郊外にある友人のファームハウス(別荘)で、別の友人の誕生日パーティが開かれた。郊外といっても、拙宅から車で20分程度。ミューズ・クリエイションがしばしば訪れている慈善団体、ニューアーク・ミッションのすぐ近くだ。
この界隈は、かつては閑散と見通しのいい場所だった。20年以上前は土地も廉価で、慈善団体などもこのあたりにいくつも点在していた。しかし、わたしが知る過去15年の間にも、次々にアパートメント・コンプレックスなど大小の建築物が誕生してきた。2008年に市街北部に新国際空港が誕生してからは、道路の拡張工事なども進み、このエリアに限ったことではないが、都市化が加速している。
とはいえ、大通りを外れると、未だに牧歌的な光景も広がっていて、友人のファームハウスも通りの喧騒とは裏腹の穏やかさだ。
顔なじみの友人らと、グラスを片手に語り合い、ケータリングのおいしい食事を楽しむひととき。大人数のパーティでは、カジュアルな会話が中心で、じっくりと語り合う時間は少ない。しかし昨日はゲストが少なめだったこともあり、「顔見知り」ではあるものの、あまり話す機会のなかった人たちと、少し深く語り合うことができて、味わい深い時間だった。
なかでも、写真家であり画家でもある若き女性アーティストの作品を、インスタグラムで見せてもらった瞬間、ハートを射抜かれた。旅に出られぬ日々が続いている昨今。ここ1年は、遠い日々の旅の経験と、それに伴う記録と、現在進行形の旅情とが渾然と心中を渦巻いている。
彼女の作品の中に、スペインのカダケスの海と、フランドル地方の空が見えた。
ゆえに、サルバドール・ダリが住んでいたカダケスと海と、ルネ・マグリットの故国ベルギーが、思い起こされた旨を伝えたら、彼女もまた、ダリやマグリットが好きなのだという。ダリの作品から着想を得たという他の作品も見せてもらい、束の間、魂が欧州の空を飛び回る。
近々、彼女のギャラリーを訪問させてもらうことになった。とても楽しみだ。
これまでわたしは、「ジン」に興味がなかったのだが、先日、105歳の女性が新型コロナウイルス感染から回復したとのニュースを目にしてから、俄然、ジンに興味を持ちはじめた。先日も記したが、彼女は健康の秘訣として「日々の祈り」、「ジャンクフードを避ける」そして「ジンに9日間漬けたレーズンを毎朝9粒食べ続ける」というのがあったのだ。
ジンはそもそも「薬」だったということは知っていたが、それにゴールデン・レーズンをつけると、なにかしらの化学反応が起こるのか、「関節炎」などにいいらしい。2週間ほど前から早速実施しているが、効果のほどはまだわからない。ともあれ、「おいしくて健康によい」いいのだから、続けるつもりだ。
ジンとは、スパイスやハーブを漬け込んだ蒸留酒で、基本となるのはジュニパーベリー。ジュニパーベリーさえ入っていれば、あとは好きなスパイスを投入していい模様。なんとも、インド向きなハードリカーなのだ。調べたところ、昨今ではインドでも「クラフトジン」が流行っている模様。
以来、パーティのたびに、バーカウンターでジンのボトルをチェックしては味見をさせてもらうようになった。昨日もまた3本ほど。実は自分で作ってみようとジュニパーベリーを購入したのだが、自分で作らずとも、いろいろな種類のジンがすでに市井に出回っている模様。
インド産のワイン・テイスティングならぬ、クラフトジン・テイスティングもやってみたいものだ。
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